俺から見たスーペル・コパ決勝:レアル・マドリード対バルセロナ
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ゆーすけ
2023年01月16日 23:04 visibility241
スーペル・コパ決勝、レアル・マドリード対バルセロナです。
バルサは中盤にブスケツを加え、ペドリ、デ・ヨング、ガビの4人を同時起用しました。
前半
開始時の守備時のポジションを見ると見慣れない光景が。
右WGにデンベレ、トップ下にペドリ、左WGにガビ、ダブルボランチでブスケツとデ・ヨングを起用。
ペドリがレアルのアンカーに入ったクロースのパスコースを明らかに潰し、ヴィニシウスにはアラウホがマンマーク。明らかにシャビがレアル対策をしてきました。
一方、サイドの攻防にも見どころが多く、バルサから見て左サイドではガビが左ハーフスペースにポジションを取ることが多いので、守備時はカルバハルが中に絞り、サイドの空いたレーンをバルデがオーバーラップ。それに対応するバルベルデ。レアルの攻撃時にはサイドに開いたカルバハルがフリーでボールを受けてガビが遅れてマークにつくケースが何度か見られ、瞬間的にレアルがサイドの数的優位を作ります。
バルサから見て右サイドでは、アラウホがヴィニシウスを完璧に対応します。ただ、ヴィニシウスがポジションを下げてマークに来たアラウホが空けたスペースに走り込むマンディのオーバーラップには対応しきれず、デンベレもマンディにはついていきません。しかし、デンベレの突破力を防ぐにはマンディもタイミングを見計らう必要があり、ボールがなくてもサイドの主導権を奪いあいます。
5分、左ハーフスペースからペドリのフリーキック。ファーサイドのリュディガーのぎりぎり届かないところに絶妙なクロス。アラウホが飛び込みますがわずかに合わず。
10分、左サイドをバルデがドリブルで縦に仕掛けてDFを2人引き付けてバックパス。ボールを受けたガビがストレート性のアーリークロス。中央でレバンドフスキがヘッドもわずかに枠の上。
サイドの攻防で優位に立ったバルサが徐々に主導権を握ります。
12分、バルサは左サイドでパスを回し、中央のペドリにボールを預けます。左サイドからガビがDFの裏に向かって走り出し、ペドリがその動きに合わせてスルーパス。ガビはそのままカットインしてミリトン、バルベルデに潰されながらも中央のレバンドフスキにパス。レバンドフスキはトラップからゴール左へシュート。クルトワがファインセーブ。左ポストに当たり跳ね返ったボールはバルデの目の目へ。バルデはダイレクトシュートも狙いすぎてニアへ外します。
バルサが絶好機を逃します。
17分、左サイドのヴィニシウスが前方の左ハーフスペースに走り込んだカマヴィンガにループパス。カマヴィンガはヘッドで左に落とします。オーバーラップしたマンディが受けてクロス。中央でベンゼマがヘッドも枠の左に外します。
19分、バルサはパスを回し、クリステンセンが左ハーフスペースのバイタルエリアにいたデ・ヨングに鋭い楔を入れます。デ・ヨングはドリブルで中に持ち出し、リュディガーをかわしてミドルシュート。ミリトンがブロック。左サイドにこぼれたボールをバルデがグラウンダーのクロス。中央のレバンドフスキ、デ・ヨングには合わず。
32分、レアルのゴール前でドロップボールがあり、クルトワが左のリュディガーにパス。すかさずバルサがパスコースを切りながら寄せ始めます。パスの出しどころに困ったリュディガーは前方のカマヴィンガにパス。すかさずブスケツがカマヴィンガにプレスをかけてつぶします。バルサ側から見て右サイドのデンベレがこぼれ球を拾い、バルサがショートカウンター。デンベレは右ハーフスペースのペドリに戻し、ペドリはダイレクトで前方のレバンドフスキにパス。レバンドフスキはトラップでなかを見てスルーパス。左ハーフスペースに走り込んだガビがトラップからシュート。冷静にファーサイドに流し込みます。
バルサが素晴らしいプレスと連携で先制します。
44分、バルサが中盤でパス回し。ハーフウェーライン付近左サイドのバルデがクリステンセンに戻します。レアルの中盤はボールの奪いどころとみてラインを上げます。クリステンセンは中央のブスケツにパス。デ・ヨングのマークについていたクロースがデ・ヨングのパスコースを切りながらブスケツに寄せます。ブスケツはクロースの股を抜きデ・ヨングにパス。少しパスがずれ、ボールが奪えると思ったミリトン、ガビのマークをしていたカルバハルがボールにチャレンジ。しかし、DFラインを上げきれていなかったため、デ・ヨングが一足早くボールに到達してスライディングでミリトンとカルバハルの間を抜くスルーパス。ガビが抜け出します。中央のリュディガーは背後のレバンドフスキのマークを捨ててガビに寄せますが、ガビは落ち着いてリュディガーの股を抜くクロス。中央でフリーのレバンドフスキがゴール右にきっちり蹴り込みます。
バルサが追加点を奪い、2-0で前半を折り返します。
後半
レアルはカマヴィンガに代えてロドリゴを投入。バルベルデを中盤に配置し、ロドリゴを右WGに起用し、流れを変えようとします。しかし、あまり変化はなくバルサが試合をコントロールします。
50分、テア・シュテーゲンが左のバルデにフィード。バルデはDFが寄せてきたのを見てファーストタッチで大きく前方に蹴り出しダッシュ。DFと入れ替わり、左サイドを独走し、中央にスルーパス。ファーサイドのデンベレが受けてクルトワと1対1になりファーサイドへシュート。クルトワが右足で止めるファインセーブ。
54分、バルサは高い位置からプレスをかけてパスコースを限定し、左サイドの高い位置でボールを奪い返し、左ハーフスペースのブスケツがボールを受けます。ブスケツはニアへ走り込んだレバンドフスキにスルーパス。レバンドフスキは角度のないところからシュート。クルトワがセーブ。
60分くらいからバルサの運動量が落ち、前からプレスをかけるのを止め、守備ブロックを引いてリトリートし始めます。それに合わせてレアルが押し返し始めます。
67分、レアルの左サイドからセバージョスが中央のミリトンにパス。読んでいたガビがすかさず寄せてつぶします。こぼれ球をレバンドフスキが拾い中央をドリブル。ガビはレバンドフスキを追い越して左ハーフスペースに走り込みます。レバンドフスキはガビにパス。ガビは中を確認してDFとGKの間にクロス。リュディガーに当たりますがボールはファーサイドへ。ペドリが走り込み押し込みます。
バルサが3-0とリードを広げます。
バルサがパスを回しながら、試合をコントロールし始めます。
78分、左からロドリゴがカットインしながら中央のセバージョスにパス。セバージョスはロドリゴにリターンパス。ロドリゴはバイタルエリアに進入しミドルシュート。テア・シュテーゲンがファインセーブ。
92分、レアルは左サイドでパスを回し、中央のバルベルデが左ハーフスペースへスルーパス。セバージョスが受けてキックフェイントでケシエをスライディングさせてかわし、マイナスのクロス。ベンゼマがフリーでニアにシュート。テア・シュテーゲンがセーブするもボールはベンゼマのもとへ。ベンゼマはすかさずシュート。ファーサイドに決めます。
レアルが1点を返しましたが、時すでに遅し。
バルサが3-1でスーペル・コパを制しました。
気になったプレーヤー
レアル・マドリード
#20ヴィニシウス
アラウホに完封負け。コンディションの問題もあるとは思うがフィジカルの強いDFを苦手とする傾向があるのかもしれない。
#2カルバハル
ガビがマークを外している間にサイドを素早く攻略したかった。それができればバルベルデと一緒にバルデを押し込むことができたはず。ただ、普段からそのようなプレーをしていないとできないので無理難題か。
#8クロース
ペドリにリズムを狂わされ、存在感が希薄だった。
#3ミリトン&#22リュディガー
対人プレーは強さを見せるもののポジショニングやカバーリング、DFラインの押し上げで難がある。アラバがいるといないでレアルの最終ラインのレベルが変わることを露呈してしまった。
バルセロナ
#30ガビ
1ゴール2アシストと大活躍。バルサはパスの出し手は多いけど、いい受け手が少ない。ペドリがバイタルエリアをはじめとする狭いスペース。ガビがフリーランニングでボールを引き出せれば攻撃はどんどん活性化する。文句なしのMOMです。
#8ペドリ
先制点は素早い判断でレバンドフスキに楔を入れてお膳立て。ダメ押し点も決める活躍も見せる。
#5ブスケツ
2点目はブスケツの股抜きパスがポイント。レアルのプレスを回避するあの1本のパスで勝負ありだった。熟練の業を魅せていただきました。
#4アラウホ
ヴィニシウスを完封。ちょっと負傷した素振りもあった交代だったので怪我が心配。
#23クンデ
アラウホのカバーが素晴らしい。アラウホはヴィニシウスに思い切り寄せて抜かれたとしてもクンデがカバーにいることを知っているから安心してヴィニシウスにチャレンジできた。
#28バルデ
左サイドを制圧。これまではチーム戦術の関係もあったと思うが単独でサイドからしあっ蹴ることが多かった気がするが、ガビと連動してサイドを押し込めたのはとてもいい経験。今シーズン中にアルバから完全にポジションを奪うことができそう。良いライバル関係で切磋琢磨してほしい。
#9レバンドフスキ
ベティス戦の不調から復帰の兆しが見えた。先制点のアシストは落ち着いていたから見えたスルーパスだったし、ゴールシーンも見事。リーグ戦は2試合出場停止なので、しばし休んで再開後にコンディションを合わせたい。もしかするとコパ・デル・レイには出るのかもしれない。
#21デ・ヨング
試合をこなすごとにレギュラーポジションを確保している。以前はバルサには合わないかなと思っていましたが、ガビ、ペドリとの連携を深めて機能し始め、ブスケツともダブルボランチで共存し良くなった。
総括
レアル・マドリード
シャビのバルサ対策の前に完敗。ヴィニシウス、クロースを抑えられ、攻め手を失う。最後にベンゼマが1点を返したが、すでにバルサベンチはお祭りムードの中の1点だった。試合の主導権はほぼすべてバルサに奪われてしまった。チュアメニとアラバがいれば違う展開になったと思うが、不在時にどうするかを考える必要がある。代役を確保するか、別の対策を用意したい。
バルセロナ
シャビのレアル対策がばっちりとはまった。サイドの攻防で優位に立ち、ガビ、ペドリの2人がパスの受け手として躍動。慣れない4-2-3-1だったが、このフォーメーションだとブスケツの守備範囲の狭さを、デ・ヨング中心にカバーできるし、ブスケツの良さも確保できる。バルサではあまりよく思われないダブルボランチだけど、今のバルサにはとてもいいオプションになりそう。この試合は選手の活躍だけでなく、シャビの手腕の高さが光った。また、セレモニーの中でシャビがスタッフを呼び込んだり、スタッフと一緒に記念撮影をしたりチームとしての一体感も見てとれた。メッシ後の初タイトルで新たな好循環が生まれることを期待しています。
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