俺から見たバルセロナ対レアル・マドリード

コパ・デル・レイ準決勝、バルセロナ対レアル・マドリードです。

 

バルサは最近恒例のガビを左WGに置き、右SBにアラウホを起用するレアル対策の布陣。

 

レアルはカマヴィンガを左SB,アンカーにクロース、CHにバルベルデを起用し、右WGにロドリゴを置く攻撃的な布陣で臨みました。

 

前半

1分、右サイドのアラウホが左のバルデに大きなサイドチェンジのパスを送ります。バルデはカットインから左のガビにパス。ガビはグラウンダーのクロス。ファーサイドからハフィーニャが飛び込みますが手前でカマヴィンガが何とかクリア。

 

2分、バルサのコーナーキックから波状攻撃を仕掛け、こぼれ球をガビが拾って右からクロス。スライディングでブロックにいったアラバの手に当たりますが、P.K.にはなりません。体を支えるために出していた手なのでノーファールだと思います。

 

バルサはボール保持する時間が長く、丁寧にビルドアップができない場合も前線のレバンドフスキ、ハフィーニャにロングボールを入れて上手く打開を図ります。どちらかというとバルサが序盤の主導権を奪います。

 

9分、右サイドの高い位置でセルジ・ロベルトがバルベルデにプレスをかけ、加勢したハフィーニャがボールを奪い速攻をしかけます。ハフィーニャはすぐに中央のガビにパス。ガビは左を駆け上がったバルデにパス。バルデは中央へ戻します。ガビが落として、走り込んだセルジ・ロベルトがシュート。アラバがブロックします。

 

11分、レアルのカウンター。アラバがセンターサークルでレバンドフスキからボールをカット。バルベルデが拾って右のロドリゴにスルーパス。ロドリゴはバルデの裏を取り、抜け出し、カバーに来たマルコス・アロンソを縦にかわしてDFとGKの間にクロス。ファーサイドのヴィニシウスが飛び込みますが手前でアラウホがシュートブロックに入り、ヴィニシウスはシュートを当て損ねて枠の左に外します。

 

13分、右のケシエが左のバルデにサイドチェンジパス。ボールを受けたバルデはアーリークロス。右ハーフスペースに入り込んだハフィーニャがフリーでヘッドもクルトワがキャッチ。

 

バルサがサイドでパスを回してDFを引き付けてサイドチェンジで崩していく場面が目立ってきました。左サイドでサイドチェンジを受けるバルデはロドリゴとの駆け引きで高いポジションを維持し、フリーでボールを受け優勢。右サイドのハフィーニャはカマヴィンガに対してドリブルで翻弄するまではいきませんが、こちらも優勢に試合を進めます。

 

また、レアルはバルサに前からプレスをかけようとしますが中途半端。バルサの間受けを許し苦しい展開。一方、バルサの前からのプレスのほうがハマっています。

 

試合の主導権は完全にバルサが握りました。

 

24分、中央のモドリッチが右のカルバハルに展開。カルバハルはダイレクトで右ハーフスペースにスルーパス。ロドリゴが抜け出しますがわずかに合わず。

 

45分、自陣右サイドでボールを受けたレバンドフスキドリブルで持ち上がりハフィーニャとのパス交換でDFを引き付けて中央のセルジ・ロベルトにパス。モドリッチ、ロドリゴがプレスをかけようとしますがセルジ・ロベルトは左前方のガビに素早く展開。ガビはミリトン、カルバハルを引き付けて左のバルデに展開。バルデはダイレクトでファーにクロス。カマヴィンガの前に走り込んだレバンドフスキがダイレクトボレーシュート。クルトワがファインセーブ。こぼれ球がレバンドフスキの前に転がりますが、アラバとカマヴィンガが体を張ってシュートを打たせません。

 

バルサが素晴らしい連携を見せ、レアルゴールに迫りましたがゴールならず。

 

息を突く間もなく、レアルがカウンター。自陣中央に出たクリアボールを守備に戻らなかったロドリゴが拾い、ロドリゴは潰しに来たマルコス・アロンソをかわします。ロドリゴは前方のヴィニシウスにパス。この時点でバルサの守備はアラウホとクンデのみ。レアルはベンゼマ、ヴィニシウス、ロドリゴの3人で数的優位になります。ヴィニシウスはドリブルで持ち上がり右のベンゼマにパス。ベンゼマはクンデを引き付けて中央のヴィニシウスにパス。フリーのヴィニシウスがトラップから右足のアウトサイドシュート。ゴールにカバーに入ったクンデがブロックしますがボールはゴールに向かって転がります。ベンゼマがつめてゴール。

 

レアルが先制します。ベンゼマがつめる前にゴールラインを越えていたのでヴィニシウスがスコアラーになりました。

 

劣勢だったレアルが1-0とリードして前半を折り返します。

 

後半

終了間際に得点を奪ったレアルが攻勢になります。バルサが浮足立っているように見えます。

 

49分、バルサ陣内右サイドで縦パスを潰したミリトンが前方のモドリッチにパス。モドリッチはボールキープからカットイン。ロドリゴがすかさず中央から右ハーフスペースにダイアゴナルラン。クンデがロドリゴのケアについていきます。ロドリゴの動きで中央がぽっかりと空き、モドリッチは残っていたベンゼマにパス。フリーのベンゼマはトラップからゴール左へコントロールシュート。

 

レアルが貴重な追加点を奪います。バルサは反撃に出ます。

 

51分、バルサは波状攻撃を仕掛け、中央のケシエが左ハーフスペースのバルデにパス。バルデはトラップから強烈なシュート。クルトワがファインセーブ。

 

53分、バルサの右コーナーキック。中央のアラウホがヘッドで合わせますが枠の左に外します。

 

55分、レアルのペナルティエリア内左ハーフスペースでアラウホがボールを奪われますがすぐさま奪い返しシュートフェイントでバルベルデをかわしてトゥキックでシュート。枠の左に外れます。

 

56分、左からヴィニシウスがドリブルでペナルティエリアに進入。アラウホ、ケシエが立ち塞がり、ヴィニシウスはケシエ側にボールを運びます。奪えると思ったケシエが足を出しますが、ボールは触れずヴィニシウスの足を引っかけます。レアルがP.K.獲得。ベンゼマがゴール左に決めて3-0とリードを広げます。

 

バルサが意気消沈し、完全に浮足立ちます。

 

59分、レアルのショートカウンター。最終ラインでマルコス・アロンソが中央に送ったパスがずれてベンゼマがカット。ベンゼマは左ハーフスペースを駆け上がったモドリッチにパス。モドリッチはDF、テア・シュテーゲンを引き付けて、ダイレクトで逆サイドへパス。ロドリゴが飛び込みますがわずかに届かず。

 

余裕のあるレアルと、攻守のバランスを失ったバルサ。徐々に緊張感の薄いオープンな展開になります。

 

76分、アセンシオが右からクロス。クンデが足を滑らせバランスを崩し、ボールをカットできず、中央のベンゼマにボールが渡ります。ベンゼマはトラップからボレーシュート。枠の左に外れます。

 

77分、ハーフウェーライン付近左サイドでヴィニシウスが縦パスをスルーしてクンデをかわしてドリブルで中央に進入し、右ハーフスペースのアセンシオにパス。アセンシオはダイレクトシュートもテア・シュテーゲンがファインセーブ。

 

80分、レアルのカウンター。アラウホが上がって空けたスペースでボールを受けたヴィニシウスがゴールに向けてドリブル。アセンシオが左に流れ、右にはベンゼマ。ヴィニシウスはベンゼマにパス。ベンゼマはダイレクトでゴール左に流し込みます。

 

レアルが4-0として試合終了。

 

トータルスコア4-1でレアルが勝利し、決勝にコマを進めました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#28バルデ

ロドリゴ相手に前半は良かったと思う。攻め残るロドリゴと高い位置をとるバルデの駆け引きは見ごたえ十分だった。先制点に関与したロドリゴの勝ちだが、カウンターを恐れず戦えたことは収穫。

 

#22ハフィーニャ

ドリブルのキレはそこまでなかったがカマヴィンガに対し前半は優勢に戦えていた。ただ、最後の得点を奪うところを磨きたい。

 

#17マルコス・アロンソ

先制点を奪われてしまうきっかけを作ってしまったが、バルサの戦術は前でつぶすことを求められるので、責めるのは酷というもの。ただ、その影響を引きづって後半はプレーをしてしまった。

 

#9レバンドフスキ

シーズン序盤の輝きを知っているからこそ最近は物足りない。ただ、ペドリやデンベレがいないので、チャンス自体が減っているのも影響している。

 

レアル・マドリード

#8クロース

前回衰えたなと思ったが、この試合ではバルサのプレスを回避するパスを出している。現在の状況ならアンカーのほうがプレーしやすいのかもしれない。

 

#21ロドリゴ

難しいタスクをこなし、ワンチャンスをモノにする。アンチェロッティ監督のプランはロドリゴ対バルデの我慢比べで、ロドリゴに期待していたのはバルデにある程度やられても最終ラインが失点を食い止めて、バルデの空けたスペースをロドリゴがカウンターを仕掛けることだったと思う。ロドリゴからすると「守備に行かなくてバルデにやられているから、自陣に戻らないといけないと思いつつ、カウンター要員だから前線に残っていないといけない」葛藤と戦いつつ、結果を残した。メンタルの強さと勝負強さを見せつけました。この試合のMOMです。

 

#1クルトワ

レアル・マドリードが耐えきれたのはクルトワの存在が大きい。DF陣もシュートコースをある程度狭めればクルトワが何とかしてくれる安心感があったはずです。

 

#9ベンゼマ

ハットトリックは見事だった。

 

総括

バルセロナ

最近恒例のレアル対策で前半は失点シーン以外は完璧な内容だった。先制点を奪って勝負を決められなかったこと、先制点を奪われて意識がネガティブになってしまったことが敗因。1点奪われてもトータルスコアは1-1で同点なのだから、それまで通りのサッカーを展開すれば良かったのだが、レアルのカウンターに及び腰になり勝ち越し点を奪われ、3点目を奪われチームが崩壊してしまった。シャビのリカバリー能力もあるが、ブスケツやセルジ・ロベルトといったベテランがチームを落ち着かせられないところに問題があると考えられる。チームを鼓舞できる選手が出てこないとこの問題は解決しようがない。強い時のバルサは闘将プジョルがチームを引き締めていた。プジョルに続く選手が近年出てこないのもバルサの課題だが、ガビが成長すればその役割を担えるかもしれないとも思った。

 

レアル・マドリード

右WGをバルベルデにしてチームのバランスを取った1st legで敗戦。得点を奪わなければいけないこの試合は、ロドリゴとバルデのサイドの攻防で切り合いを選択。アンチェロッティが賭けに勝ちました。先制後に迎えた後半も気を逃さず攻めて勝ち越し、その後は試合をコントロールして大勝につなげました。逆に先制点を奪われていたら敗戦も十分にあり得たので、胸をなでおろしていると思います。今後はチャンピオンズリーグに向けて心置きなく準備を進めていくことになると思います。

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