俺から見たグラナダ対バルセロナ

リーガ・エスパニョーラ第9節、グラナダ対バルセロナです。

 

バルサはCFにフェラン・トーレス、右CHにフェルミン・ロペスを起用しました。

 

前半

開始から17秒、グラナダのショートカウンター。バルサ陣内右ハーフスペースでボールを受けたガビに、ビジャールがプレスをかけてボールを奪い、カバーに入ったギュンドアンの手前で前方につつく形でパス。ボジェが受けて一瞬タメて前方にスルーパス。中央から流れたブライアン・サラゴサがシュート。上手くバウンドしたボールはテア・シュテーゲンの出した手をすり抜け、ゴール左に決まります。

 

グラナダが先制します。

 

バルサは1点を取られたものの押しぎみに試合を進めます。バルサは前からプレスをかけて高い位置でボールを奪いにいき、グラナダ陣内で試合を進めます。グラナダも前からプレスをかけようとしますが、すぐに5-3-2の守備ブロックを作り待ち受けるようになります。

 

16分、バルサの速攻。ガビが左ハーフスペースをドリブルで持ち上がりスルーパス。ジョアン・フェリックスが走り込みますが、手前でルビオがスライディングカット。ボールはリカルド・サンチェスに当たり、振り返っていたジョアン・フェリックスの前へ。ジョアン・フェリックスは反転シュートを試みますが、飛び出してきたフェレイラがシュートコースをしっかり塞いでセーブ。

 

バルサはパスが足元ばかりで攻めあぐねます。裏に抜ける選手がいればもう少し良くなりそうです。

 

20分、クリステンセンが下がってきたフェラン・トーレスに楔を入れます。フェラン・トーレスはフリック。左から中央に走り込んだガビが受けて右に流れながらシュート。フェレイラがセーブ。

 

23分、バルサは左サイドでパスを回して左ハーフスペースでパスを受けたジョアン・フェリックスが中に持ち出しミドルシュート。枠の右に外れます。

 

24分、クリステンセンが中央をドリブルで持ち上がり、左ハーフスペースのジョアン・フェリックスに楔を入れます。ジョアン・フェリックスはバックヒールでフリック。ガビが抜け出しかけますが、ＤＦが追いつきます。ガビはシュートフェイントでかわしてシュート。枠の左に外れます。ただ、ガビはオフサイドでした。

 

28分、グラナダは自陣でボールを奪い、グンバウが左ハーフスペースから前方にフィード。ブライアン・サラゴサが走り込み、マークについたクンデに体半分前に出ます。ブライアン・サラゴサは中に切り返し、クンデの体勢を崩してすぐさまシュートフェイントで左に持ち出して右アウトサイドでシュート。ニアサイドに決めます。

 

ブライアン・サラゴサのゴラッソでグラナダが2－0とリードを広げます。

 

34分、バルサのロングカウンター。センターサークル付近中央でボールを受けたフェラン・トーレスが反転して左ハーフスペースへスルーパス。ジョアン・フェリックスが走り込んで受けてドリブルで持ち上がり、追いかけてきたルビオに対して中に持ち出しシュート。フェレイラがファインセーブ。

 

45分、バルサは中央から仕掛けるもグラナダＤＦに突っかかり、ボールは左サイドへ。バルデが拾って、左ハーフスペースの裏に出たガビにパス。ルビオが中央からスライドしてカバーに入ります。その隙を逃さずジョアン・フェリックスが中央のスペースに走り込み、ガビがパス。ジョアン・フェリックスはトラップするも大きくなり、ボールはミケルに当たり、再びジョアン・フェリックスの前へ。ジョアン・フェリックスは反射的にトラップからスライディングシュート。ボールは枠の右へ転がっていきますがヤマルがフリーでつめてゴール。

 

ヤマルのリーガ初ゴールでバルサが1点を返して前半を折り返します。

 

後半

バルサがフリーランニングを増やし、ゴールの匂いが感じられるようになります。

 

53分、バルサの左コーナー。ニアでアラウホがつぶれてファーに流れたボールをフェルミン・ロペスがインサイドボレー。フェレイラが正面でキャッチ。

 

58分、左からグラナダのフリーキック。ゴール前にアーリークロスを入れ、ファーから中央に走り込んだボジェが中央に抜けてきたボールに左足の腿で合わせますが枠の左。

 

バルサの運動量が落ちフリーランニングが減って、勢いが徐々に失われていきます。

 

67分、バルサが左サイドからフリーキック。ギュンドアンがファーサイドへアーリークロス。アラウホがヘッドで折り返し、中央でフェラン・トーレスが詰めますがフェレイラが正面でブロックからキャッチ。

 

76分、ヤマルに代えてロメウを投入。ギュンドアンが一列前に入り、セルジ・ロベルトが右ＷＧにシフト。バルサはアーリークロスが増えてきます。

 

77分、バイタルエリアでボールを受けたフェラン・トーレスが最前線にいたアラウホに楔を入れます。アラウホは右に持ち出し強烈なシュート。わずかに枠の右に外れます。

 

78分、左サイドの高い位置でジョアン・フェリックスがボールを受けてボールキープから後方のギュンドアンにパス。ギュンドアンは中央にパス。走り込んだガビがトラップからシュート。少し当たり損ねたボールをフェレイラが正面でキャッチ。

 

84分、前線左ハーフスペースのポジション取りでバジェホがジョアン・フェリックスを倒します。ジョアン・フェリックスは立ち上がり、再び寄ってきたバジェホの背中付近を小突きます。バジェホが転倒。それを見たカジェホンがなぜかジョアン・フェリックスに寄っていき、自らぶつかって転倒。その間カジェホンがマークするべき左のバルデにフリーになり、ボールを受けます。バルデはＤＦとＧＫの間に鋭いクロス。セルジ・ロベルトがトレンテの前に走り込みシュート。フェレイラがはじきますがボールはゴールに吸い込まれます。

 

バルサが少し疑惑付きのゴールで同点に追いつきます。ＶＡＲの確認もありましたが、誰にもカードは出ずに試合続行になりました。バジェホのファール、ジョアン・フェリックスの報復行為、カジェホンのシミュレーション、どれもグレーという判定かと思います。

 

87分、グランだのショートカウンター。バルサ陣内でロメウが左ハーフスペースのガビにパス。グンバウが素早くプレスをかけてボールを奪います。こぼれ球を拾ったカジェホンがドリブルで中央を持ち上がり、右ハーフスペースのブライアン・サラゴサにパス。ブライアン・サラゴサはトラップから強烈なシュート。右ポストに嫌われます。

 

92分、右サイドからカンセロがアーリークロス。中央のフェラン・トーレスの頭上を抜けてファーサイドでバウンドしたボールをジョアン・フェリックスがヘッドで押し込みます。

 

バルサが勝ち越し点を奪ったかに思われましたが、フェラン・トーレスがオフサイド。フェラン・トーレスがジャンプをしなければジョアン・フェリックスのゴールでした。

 

94分、ロメウが中央からミドルシュート。わずかに枠の右。

 

2－2で試合は終了。勝ち点1を分け合いました。

 

気になったプレーヤー

グラナダ

＃26ブライアン・サラゴサ

先制点、追加点ともに質の高いプレーを披露。まだ22歳の若手で、この先の成長が楽しみ。順調にいけば来シーズンはビッグクラブに引き抜かれそう。

 

＃7ボジェ

前線で体を張り、クリステンセン、アラウホなどとやり合う。

 

＃9カジェホン

途中出場で悪い意味で目立つ。ジョアン・フェリックスへ近寄っていかなければ失点はなかった。

 

バルセロナ

＃27ヤマル

リーガ初得点は自信につながるはず。ただ、全体的なプレーはいまいち。プレーの質が落ちないようにしっかり休養を与えながら起用したい。

 

＃6ガビ

最初の失点につながるシーンは非常にまずかった。後半にも同じようなシーンが見られたが、フィジカルコンタクトが強い分、やられるとピンチを招く。グラナダに狙われていた可能性もある。

 

＃14ジョアン・フェリックス

引かれた相手を崩すアイディアを持っているが、レバンドフスキの不在もあり単発的。ただ、幻の3点目も含めて全得点に絡む。

 

＃22ギュンドアン

アンカーもできるけど、一列前で使いたい。ジョアン・フェリックス同様、引かれた相手を崩すにはギュンドアンが前にいたほうが可能性が高い。

 

＃23クンデ

怪我で途中交代。ブライアン・サラゴサにも完敗し、踏んだり蹴ったりな試合になってしまった。

 

＃32フェルミン・ロペス

シャビから5トップになれという指示があったのかもしれないが、狭いバイタルエリアにずっととどまり存在感がなし。もっと前後左右に幅広く動いたほうが良かった。

 

総括

グラナダ

少ないチャンスをしっかりものにして試合を優位に進めた。攻撃的なサッカーを志向するパコ・ロペスにしては守備に重心を置いたサッカーだったが、17秒で先制してしまったのでいい意味で想定外な試合展開だったのかもしれない。攻撃的なサッカーを志向するので失点が多いところは目をつぶり、得点をコンスタントに奪えれば面白い存在になりそうです。

 

バルセロナ

開始直後の失点が痛かった。2失点目はブライアン・サラゴサを褒めるしかない。チャンピオンズリーグのポルト戦の総括でも書いたが、レバンドフスキ不在の影響が大きく出た。レバンドフスキがいると中央での駆け引きでＤＦライン間のギャップを作り、ジョアン・フェリックスがもう少しバイタルエリアでボールを受けるチャンスが増える。フェラン・トーレスはいるだけになってしまったので、チーム全体で裏抜けの動きを繰り返してＤＦラインにギャップを作りたかった。代表戦を挟むので、この間にチームを立て直したい。