俺から見たレアル・ソシエダ対バルセロナ

第12節、レアル・ソシエダ対バルセロナです。

 

ソシエダは久保が右WGで先発。

 

バルサは右SBにアラウホ、右WGにカンセロ、CFにレバンドフスキを起用しました。

 

0分、バルサを押し込み、左ハーフスペースからバレネチェアが中に持ち出し強引にニアへ強烈なシュート。テア・シュテーゲンがファインセーブ。

 

1分、後方から左サイドへ縦パス。バレネチェアが追い付く前にカバーに入ったクンデがテア・シュテーゲンにバックパス。オヤルサバルがカットしそのまま左足シュート。テア・シュテーゲンが触り、ゴール右へ外れます。

 

直後の右コーナーキック。ファーサイドからメリーノがニアへ走り込みヘディングシュート。わずかにゴール左へ外れます。

 

ソシエダが前からプレスを仕掛けて、バルサにロングボールを蹴らせて回収。後方からのビルドアップでは、スビメンディが最終ラインに下りてバルサの選手を釣りだしパスやドリブルでマークを引き剥がしたり、中央で構えてマークを付かせて味方へのパスコースを作ったりして、ソシエダは上手くパスを繋ぎます。

 

バルサは前からプレスはハマらず、最終ラインからのビルドアップはアラウホにパスを入れさせられて、素早くバレネチェアに寄せられロングボールを蹴っては奪われる始末。

 

ソシエダが完全に試合の主導権を奪います。

 

15分、ソシエダの速攻。オヤルサバルが中央をドリブルで持ち上がり、左のバレネチェアに展開。バレネチェアはDFとGKの間にグラウンダーのクロス。中央に走り込んだオヤルサバルは追い付かず、ファーに走り込んだ久保が角度のないところから右足で合わせます。テア・シュテーゲンが右足でファインセーブ。

 

31分、ソシエダの右コーナーキック。ニアでバルサがクリア。ファーに流れたボールをムニョスが拾って前に持ち出しゴールライン際からクロス。テア・シュテーゲンがキャッチするも落としてしまい、スビメンディがつめるもテア・シュテーゲンがブロック。クンデが何とかクリアします。

 

44分、ペナルティエリア左からジョアン・フェリックスがドリブルで仕掛け、ステップを踏み縦に突破を図ります。スベルディアが足を出してひっかけますが、ジョアン・フェリックスが事前に跳んでいたため、ノーファール。妥当な判定だと思います。

 

前半はソシエダの一方的な展開でしたがゴールは生まれず、0-0で折り返します。

 

後半

バルサは交代なし、戦術的な変更も見られず。前半同様ソシエダペースで試合が進みます。

 

53分、この試合初めて、右サイドの久保がフリーでボールを受けます。久保はドリブルで仕掛けて右ハーフスペースのブライス・メンデスにパス。ブライス・メンデスはファーサイドへ狙いすましたシュートを放ちますが、コースが甘くテア・シュテーゲンがキャッチ。

 

70分、ソシエダは左サイドからロングスロー。クンデがヘッドでクリアしたボールに左から走り込んだバレネチェアがファーサイドへダイレクトボレー。テア・シュテーゲンがファインセーブ。

 

75分、両チームともに運動量が落ちて全体的にスペースが空き始めます。やっとバルサも攻撃できるようになってきました。

 

89分、ソシエダを押し込んだバルサは、左ハーフスペースでボールを受けたアラウホが強烈なミドルシュート。コースが甘く、レミロがセーブ。

 

90分、左後方からバイタルエリア中央でボールを受けたペドリが前を向き、一瞬タメて左ハーフスペースを駆け上がったガビにスルーパス。ガビはダイレクトシュートもレミロがファインセーブ。

 

92分、ソシエダを押し込み、左のバルデが左ハーフスペースのギュンドアンに戻します。ギュンドアンはタメを作り、右サイドハーフスペースを駆け上がるアラウホにクロス。アラウホは走り込む勢いそのままに強烈なダイビングヘッド。レミロの股を抜きゴール。しかし、副審が旗を上げてオフサイド。VARの確認が入り、ギュンドアンがボールを蹴った瞬間、アラウホは明らかにオンサイドでゴールが認められます。

 

バルサが終了間際に決勝点を奪い、勝利しました。

 

気になったプレーヤー

レアル・ソシエダ

#4スビメンディ

ビルドアップがすごく巧い。バルサの前線と最終ラインの枚数を確認し、最終ラインに下りてビルドアップに参加したり、中盤にとどまりマークを引き寄せておいて味方のパスコースを作ったり、様々な手を使ってバルサのプレスを引きはがしました。シャビが獲得したいと考えるのも納得の圧巻のプレーを見せました。

 

#7バレネチェア

ソシエダの試合をたまにしか見ていないので、すごく成長を感じた選手。アラウホに対して、「ドリブルもあるけど、アーリークロスもあるんだ。さてどちらで行こうかな」という感じで左サイドから効果的に仕掛ける。カンセロがたまらずプレスバックするもムニョスが押し上げてきてフォローするので左サイドの攻撃が余計に活性化。良い仕事をしていました。

 

#10オヤルサバル

前線で起点になる。DFを背負ってのプレーが巧くなっている。

 

#14久保

ボールを受けての見せ場は少なかったが、右サイドに張ることでバルデのオーバーラップをかなり抑制した。バルサの左サイドの攻撃手段を完全に潰した功績は大きい。

 

バルセロナ

#4アラウホ

決勝点を奪っていなければ、この試合で一番評価の低い選手。ソシエダの前線はアラウホを狙い撃ち。アラウホにパスが渡るように仕向け、アラウホも縦にしかパスコースがなく蹴り出す。これがつながらずソシエダがボールを回収。1試合を通じてこれをやられてバルサの最終ラインのビルドアップが機能しなくなった。守備でもバレネチェアに翻弄されて自慢のフィジカルを活かす前にボールを動かされて後手に回る。アラウホだけのせいではないけど、バルサが押し込まれる原因を作ってしまった。しかし、決勝点を奪ったことでこの試合の悪いパフォーマンス全てをひっくり返した。

 

#9レバンドフスキ

ノーインパクト。動きが鈍く、パスを受ける動きも少ない。押し込まれている展開だったからこそ、前線でボールを収めたかった。

 

#3バルデ

久保とのサイドの駆け引きで大きく後れを取った。高い位置は取れずに押し込まれる。その結果、左サイドの攻め手が無くなってしまった。

 

#1テア・シュテーゲン

この試合のMOM。ファインセーブ連発でバルサの勝利に大きく貢献。

 

総括

レアル・ソシエダ

完全に試合を支配。右サイドでは久保を張らせてバルデの攻撃力を抑えバルサの攻撃を抑える。中央ではスビメンディを中心にパスを回してバルサDFを集中させて左へ展開。左サイドのバレネチェアがアラウホを翻弄してチャンスを演出。アルグアシルのバルサ対策が全て当たったが、得点を奪えなかったこと、最後に失点したことだけが悔やまれる。これだけいい試合をしたのに寒天が奪えなかったのはもったいなかったが、次のベンフィカ戦に繋がる良い試合だった。

 

バルセロナ

試合内容は完敗。ずっと押し込まれながら最後に1点を奪って勝つサッカーの摩訶不思議な展開で劇的勝利。ビルドアップが上手くいかないなら、ギュンドアンを最終ラインに下げて4(イニゴ・マルティネス、クンデ、アラウホ、ギュンドアン)対3(オヤルサバル、バレネチェア、久保)の状態を作ってビルドアップすれば良かったし、守備に不安は出るもののカンセロを右偽SBに持ってきて右WGにヤマル、ラフィーニャ、フェラン・トーレスを入れてパスコースを増やす手もあった。シャビがアラウホの右SBに固執しなければもう少し試合内容は改善したと思うが、守備を重視した采配になってしまった。左サイドは久保の攻撃力を抑え込むことに成功したが、その代償が左サイドの攻撃力の大幅ダウン。収支でいうと大きなマイナスでバルサは完全に攻め手を失ってしまった。クラシコに負けてしまい、連敗を避けたい気持ちはわかるが、バルサのアイデンティティを放棄する試合内容になってしまったことがとても残念な試合になってしまった。攻撃を重視する思い切った采配をシャビには期待したい。

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