俺から見たバルセロナ対ジローナ

リーガ・エスパニョーラ第16節、バルセロナ対ジローナです。

 

バルサは前節と同じスタメンで臨みました。

 

前半

バルサはアトレティコ戦のようにポゼッションを高めつつ、裏への飛び出しも活発に行い主導権を奪いに行きます。

 

ジローナは前からボールを追うことはせず、守備ブロックを作って後方を固めつつも、ボールを保持したらバルサの前線からのプレスを回避するテンポの良いパスワークから速攻を狙います。

 

両者ともに持ち味を出しつつ、互角の面白い試合を展開します。

 

5分、ジローナの速攻。バルサのプレスを回避し、ツィガンコフが左ハーフスペースで縦パスを受けてドリブルで持ち上がりミドルシュート。ペーニャが正面でキャッチ。

 

6分、右ハーフスペースでペドリがレバンドフスキとワン・ツーで抜け出し、サイドをえぐってマイナスクロス。レバンドフスキが合わせますが、ダビド・ロペスがブロック。

 

11分、ジローナのロングカウンター。自陣右サイドでヤン・コウトがボールをカットし右ハーフスペースをドリブルで持ち上がります。前方でツィガンコフが中央に流れる動きでクリステンセンの裏を取りに行きます。クリステンセンはその動きを察知して中にポジションを取ろうとした瞬間、ヤン・コウトがクリステンセンの右側を抜くスルーパス。逆を取られたクリステンセンはボールカットを試みますが届かず、ツィガンコフが完全に抜け出します。中央のアラウホがカバーに入ろうと寄せますが、ツィガンコフは寄せられる前にグラウンダーのクロス。ファーサイドに走りこんだドフビクがダイレクトシュート。左ポストの内側に当たりゴール。

 

ジローナが見事なカウンターで先制します。

 

18分、バルサの右コーナー。中央に走り込んだレバンドフスキがヘッドで叩き込みます。

 

バルサがすぐさま同点に追いつきます。

 

22分、左サイドでクンデの裏をとったサビオがスルーパスを受けてマイナスのクロス。ドフビクがヘッドで合わせますが枠の右。

 

26分、ジローナのカウンター。ドフビクが左ハーフスペースの裏へ走り、ミゲルがスルーパス。ドフビクはゴールライン際でキープしてマイナスのパス。ミゲルが走り込んで受けてアラウホを縦にかわしてシュート。ペーニャが少し触り、わずかに枠の右に外れます。

 

31分、左のカンセロがジョアン・フェリックスとワン・ツーで左ハーフスペースへ進入しサイドをえぐって角度のないところからシュートもガッサニーガがきっちりセーブ。

 

38分、ジローナがバルサを押し込み、左ハーフスペースのミゲルがワイドに開いたサビオに展開。ミゲルは前方に空いた小さなスペースに走り込みボールを要求。すかさずサビオがパス。ミゲルはトラップからシュートもわずかに枠の右。

 

40分、ジローナは中央でパスを回してバルサDFを引きつけて左のミゲルに展開。ジローナの前線は左に開いたり、ミゲルの前方のスペースに走り込んだりしてバルサDFをかく乱。その隙にミゲルはするするとドリブルで持ち上がり左アウトサイドで強烈なミドルシュート。ニアへ決めます。

 

ジローナが勝ち越します。

 

見ごたえ十分の前半はジローナが2-1とリードして折り返します。

 

後半

前半同様の展開。

 

50分、左サイドでジョアン・フェリックスがドリブルで持ち上がりジローナDFを押し下げます。右ハーフスペースのデ・ヨングにパス。デ・ヨングは強烈なミドルシュート。ガッサニーガがセーブ。跳ね返ったボールがレバンドフスキの元へ飛んできますがレバンドフスキは当てられず。

 

53分、ジローナ陣内でクンデがクリアボールを回収してそのまま持ち上がり右からふわりとしたクロス。中央でラフィーニャが体勢を崩しつつもフリーでヘッド。力なくガッサニーガがキャッチ。

 

56分、ジローナを押し込み左サイドのカンセロが左ハーフスペースのギュンドアンにパス。ギュンドアンは中に持ち出しミドルシュート。ガッサニーガが正面でキャッチ。

 

63分、バルサは速攻でジローナのペナルティエリア手前まで一気に進み、レバンドフスキのキープからギュンドアンがミドルシュート。DFがブロックします。

 

67分、左サイドのフェラン・トーレスにボールが入り、フェラン・トーレスはニアへパス。走り込んだギュンドアンがトラップもボールを置いてきかけて慌ててキープして右足シュート。わずかに枠の右に外れます。

 

70分ごろ、両チームともに明らかに運動量が落ちます。

 

80分、ガッサニーガが前線にパントキック。ストゥアーニがアラウホに体を当ててから競り合いに勝って中にヘッド。こぼれ球をバレリー・フェルナンデスがクンデとの奪い合いに勝利しペーニャと1対1になり冷静にゴール右下に流し込みます。

 

パントキックに油断をしていたバルサに対し抜け目なく対応したジローナが3-1とリードを広げます。

 

82分、ジローナのロングカウンター。左サイドをサビオがドリブルで持ち上がり左45度からシュート。ペーニャが顔面でファインセーブ。

 

85分、ジローナを押し込み右からヤマルがクロス。ファーサイドのギュンドアンがエリック・ガルシアに寄せられながらヘッドも枠の上。

 

89分、ジローナは左サイドでパスを回してクロス。ファーサイドのストゥアーニがトラップからシャペウでカンセロをかわし、落下点にいち早く走り込んだソリスがダイレクトボレー。枠の上に外します。

 

91分、バルサは中央のギュンドアンから右のヤマルに展開。ヤマルはニアへスルーパス。ダイアゴナルに走り込んだフェラン・トーレスがトラップから中央へパス。ギュンドアンが後ろ向きにトラップから反転シュート。ゴール左に突き刺します。

 

バルサが1点差に詰め寄ります。

 

92分、右サイドからヤマルがアーリークロス。中央でフリーのレバンドフスキがヘッドも当て損ねて自身の肩に当たりゴール右に外れます。

 

94分、ジローナ陣内右ハーフスペースからのフリーキック。ミゲルがするすると左ハーフスペースを駆け上がりバルサDFの間のスペースに入り込みボールを要求。バルサDF3人の間でバルサDFがマークの受け渡しにもたつく間にジローナはリミゲルメガ下手フィード。ミゲルはボールをキープしてワイドに開いたサビオへパス。サビオはファーへクロス。フリーのストゥアーニが余裕をもって右足で押し込みます。

 

4-2として試合終了。ジローナが点の奪い合いを制しました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#9レバンドフスキ

調子は上がってきているが、得点が伸びない。92分の決定機は決めておきたかった。

 

#7フェラン・トーレス

途中から出て攻撃を活性化。バルサの選手の中で今一番コンディションがいいかも。

 

#11ラフィーニャ

好調だが得点が生まれない。もっと点を取れるようになるとワンランク上の選手になれる。

 

#13ペーニャ

4失点もDF陣も含めての失点。ペーニャのパフォーマンスは安定している。

 

ジローナ

#3ミゲル

この試合のMOM。サイドでのチャンスメイク、攻め上がりそしてミドルシュートとすべてが良かった。保有権をレアルが持っているのでレアルに復帰するケース、他のビッククラブへのステップアップが近いうちに見込まれる。とてもいい選手。

 

#8ツィガンコフ

先制点の動き出しが秀逸。そこからのアシストも見事でした。

 

#20ヤン・コウト

先制点のスルーパスは阿吽の呼吸と言っていいほど素晴らしかった。

 

#14アレイクス・ガルシア

チームのコンダクターとしてバルサのプレス回避に大きく貢献。

 

#16サビオ

ミゲルとのコンビで左サイドの攻撃を活性化。

 

#7ストゥアーニ

ベテランの味をいかんなく発揮。途中出場で1ゴール1アシスト。ストゥアーニがベンチに控えているだけで、チームの雰囲気は良くなる。負けていれば点を取ってくれそうだし、勝っていれば時間を上手く使ってくれる。ジローナのジョーカーです。

 

総括

バルサ

スコアほどの力の差は感じなかった。ただ、パントキックやジローナ陣内からのフリーキックから2失点は集中力の欠如としか言えないイージーミス。攻撃はフリーランニングに合わせてパスを出せばもっとチャンスは増えるはず。リスクを冒して攻撃したほうがいい。安全なパスを繰り返してちょっとしたパスミスを奪われてカウンターを食らうより効率がいい。ボール保持も大事だが、速攻も基本戦術に組み込んで、ポゼッション攻撃と二刀流で臨まないとどんどん時代に取り残されていく感じを受けた。ジローナから学べることは数多くあるはずです。

 

ジローナ

首位の力は本物です。ドリブルで持ち上がりマーカーを引き離すことができる選手がそろっており、チーム戦術に組み込まれているし、チーム全体がダイレクトパスをつないでプレスを回避する術も持っている。そして、速攻で前線の動き出しに合わせてスルーパスを入れてシュートまで持っていける。知名度は低いもののレベルの高い選手をそろえているし、チーム戦術もしっかり浸透している。けが人が出なければ、ヨーロッパの大会に出ていないメリットを活かしてそのまま勝ち続けることもできると思う。シーズン終了した時、優勝していても驚かないレベルの強さでした。

 

おまけ

ジローナを見ていて思ったこと。今までプレスを回避するのはダイレクトパスが有効かなと思っていたけど、スペースを見つけてドリブルする力(ドライブ)もとても有効だと改めて認識しました。

 

バルサだとデ・ヨングが得意なプレーですが、ちょっとしたスペースを見つけて持ち上がり、慌てて敵が食いついたところでフリーになった味方にパスを出す。パスだけだと出し手と受け手に2か所に気を配ればよかったけど、ドライブすることで出しての位置がずれてパスコースが変わり守備のやりにくさが2倍3倍とのしかかってきます。チーム全体でやるジローナのプレス回避方法、とても勉強になりました。

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