俺から見たスーペル・コパ決勝エル・クラシコ
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ゆーすけ
2024年01月15日 22:54 visibility147
スーペル・コパ決勝、エル・クラシコです。
バルサのスタメンはヴィニシウス対策のアラウホが右SBでクンデがCB。偽左WGにセルジ・ロベルトを起用しました。
レアルは可変システム。守備時はヴィニシウスが左SHに下がり、中央から右サイドをバルベルデがカバー。ベリンガムはトップ下で4-4-1-1。攻撃時はヴィニシウスが左WGというよりはFWに近い形で、ベリンガムがフリーマン。ロドリゴとバルベルデが右サイドを自由に使います。
序盤はレアルがボールをキープし攻め込みます。
6分、センターサークル付近でクロース、チュアメニ、ベリンガムと細かくパスをつなぎます。ベリンガムボールが入った時点でクリステンセンが素早く寄せてバイタルエリアを狭め、デ・ヨングが加勢します。ベリンガムは二人の間を抜くスルーパス。クンデが慌ててカットに行くも届かず、走り込んだヴィニシウス独走。ヴィニシウスはペーニャと1対1になり右にかわしてシュート。
レアルが最初のチャンスをモノにします。
8分、バルサ陣内中央でペドリがバックパスをミス。ロドリゴがカットしてそのままドリブルシュート。ペーニャがファインセーブ。
9分、カルバハルが自陣深くから右ハーフスペースへ鋭いフィード。ロドリゴがクリステンセンの裏をとって完全に抜け出し、ペーニャを引き付けてグラウンダーのクロス。ファーサイドに走り込んだヴィニシウスが押し込みます。
レアルがあっという間に2-0とリードを広げます。
レアルはここで試合をコントロールし始め、バルサがボールポゼッション率を上げます。ただ、レアルも自陣に守備ブロックを作り、得意のカウンター狙い。
試合の主導権はレアルが完全に握ります。
11分、右サイドからフェラン・トーレスがカットインもつぶされます。しかし、こぼれ球をペドリが拾って、起き上がったフェラン・トーレスにパス。フェラン・トーレスはハーフボレー。バーに嫌われ、左ハーフスペースにこぼれたボールをレバンドフスキが拾ってトラップからシュート。ルニンがファインセーブ。
20分、バルサのカウンター。フェラン・トーレスが右ハーフスペースを抜け出しシュート。枠の左に外します。
27分、中盤の左ハーフスペースでペドリがロングスルーパス。フェラン・トーレスが抜け出し角度のないところからシュート。ルニンがしっかりとコースを消してセーブ。
32分、珍しくバルサがレアルを押し込み波状攻撃。ギュンドアンが左のバルデに展開。バルデはクロスを送りますがメンディがヘッドでクリア。ペナルティエリアの外中央にいたレバンドフスキが強烈なダイレクトボレー。ルニンが触りますがゴール。
バルサが1点を返します。
36分、レアルがボールを回して右からチュアメニがアーリークロス。ヴィニシウスがアラウホの前に飛び込みます。アラウホはヴィニシウスの肩に手をかけて阻止しようとし、ヴィニシウスも無理なく倒れます。主審の判定はP.K.ヴィニシウスがゴール左に蹴り込みハットトリック達成。
レアルが3-1とリードを広げます。ヴィニシウスの倒れ方は巧かった。無理に踏ん張ると怪我する危険があるので、アラウホの手がかかって無理やり引きずられる前に倒れていました。マリーシアとは違い、自分の身を守る防衛本能で倒れた感じがします。
49分、バルサの左コーナーキック。クリアされますが、ペナルティエリアの外にいたペドリがトラップからシュート。わずかに枠の右に外れます。
前半はレアルが3-1とリードして折り返します。
後半
バルサはセルジ・ロベルトを右CH、ペドリを左CHにしてポジションチェンジ。攻撃時は左WGの位置にバルデを上げて3-2-5のような布陣で臨みますが、試合の流れは変わらず。レアルが試合をコントロールします。
63分、レアルは右サイドの高い位置でバルベルデがクロス。ファーサイドでヴィニシウスが受けてドリブルで仕掛けてすぐにグラウンダーのクロス。ベリンガムの前でクンデがカットもこぼれ球をロドリゴが冷静に蹴り込みます。
レアルが4-1とリードを広げます。
その後アラウホが2枚目のイエローカードで退場。
79分、左ハーフスペースでジョアン・フェリックスがペナルティエリアの外にいるギュンドアンに縦パスを入れ中央に走り込みます。ギュンドアンはフリックして中のフェルミン・ロペスへパス。フェルミン・ロペスは走り込んできたジョアン・フェリックスにパスするも後ろにズレます。ジョアン・フェリックスはヒールリフトのようにボールを前に持ち出しシュート。ルニンがファインセーブ。
決まっていれば、きれいなゴールでした。
最後までレアルが主導権を握り、4-1で勝利しました。
気になったプレーヤー
レアル・マドリード
#7ヴィニシウス
ドリブラーではなく、ドリブルがすごく得意でスペースに走り込めるFWに成長しました。1点目も2点目もアラウホに対してポジショニングで勝てたからこそ得点を奪えました。P.K.獲得も同様。ドリブルで抜きに行くからこそ、アラウホに止められてしまった過去の経験をしっかり生かして成長しています。素晴らしい選手です。
#11ロドリゴ
こちらは裏へ飛び出してアシストを記録。カウンター、速攻だと特徴が活きる。
#2カルバハル
2点目のロングスルーパスは一見の価値あり。
#5ベリンガム
自由に動いて試合をコントロールできる。周りとも連携が取れているので浮かない。前回のクラシコよりも全体がスムーズだった。
#8クロース&#18チュアメニ
中盤のフィルター役をしっかりこなしつつ、ベリンガムをサポート。
#13ルニン
安定感が素晴らしい。落ち着いて仕事ができている。与えられたチャンスを活かして経験を積んできたものがしっかりと出せた。
バルセロナ
#9レバンドフスキ
得点はゴラッソ。最近は動きの幅が出てきてコンディションが良くなってきた気がする。
#8ペドリ
前半終了間際のゴールが決まっていれば良かった。劣勢のゲームの中でも輝きを魅せる。過密日程で負傷しないか心配。
#7フェラン・トーレス
フェラン・トーレスの献身が今のバルサには一番大事。
#13ペーニャ
いきなりDFラインを高く設定されて「守れ」も言われても無理でしょう。前半の3失点はしょうがない。
#4アラウホ
1対1はめっぽう強いがそれ以外の弱さが明るみに出た感じがする。シャビからヴィニシウスを抑えろと言われているのなら、ヴィニシウスが中央にポジションをずらしたら付いていくべきだし、それがしっかりできていたら3失点とも防ぐチャンスがあったかもしれない。ポジショニングの悪さが出てしまった。
#23クンデ
様々な人が言っているが、バルサでCBをするにはミスが多すぎる。起用するなら右SB一択です。
#20セルジ・ロベルト
シャビはガビの代役で、セルジ・ロベルトを偽左WGで起用したのだろうけど、無理がある。守備時、ガビは後ろを気にせず、自分のところで止めてやるというスタンス。セルジ・ロベルトは気の利いたプレーのほうが得意で周囲と連動を得意とするタイプで対人守備は苦手。2失点目はガビならもっとカルバハルにプレッシャーを与えることができたので、あの縦パスは何とかできたかもしれない。セルジ・ロベルトとしてはかわいそうな起用だった。
総括
試合を観ながら2チームを対比してみました。
クルトワ、ミリトン、アラバと守備の主力が軒並み長期離脱の中、今いる選手でベストの布陣を探しながらクラシコにたどり着いたレアル・マドリード。
料理で例えるなら、フルコースの料理を作りたいけど、最高の食材は手に入らなかった。けれども、牛肉は手に入らず鶏肉、牛乳は手に入らずに豆乳になりましたが、コース内容を変更して今出せる最高の料理を出しました。
一方、バルサはないものねだりをしながら、手に入りそうな選手を手に入れて試行錯誤の上にたどり着いたクラシコ。
料理で例えるなら、フルコースを作りたいけど、最高の食材は手に入らなかった。コースの内容は変えずに牛肉を鶏肉に、牛乳を豆乳に変更して料理を出しました。
上手く伝わるか不安ですが、起用できない戦力は一切忘れて現有戦力で最善を尽くしてきたレアルと、戦力が足りないと言って他から持ってきては「違う」となり、起用できない戦力がいても、「最高の結果を得た方法」に固執して「2匹目のどじょう」を狙うバルサ。
スタメンが発表された時点で勝敗は決していたと言っても過言ではありません。
これは全て監督の資質の差が大きく出た試合と言っていいでしょう。
「冬の移籍市場ではCBはとらない」と言って現有戦力に信頼を置くアンチェロッティ。
「お金がないから補強はできない。(けど、あるならしたい)」と言って現有戦力に満足しないシャビ。
バルセロニスタを名乗るものですが、現在のシャビは「名選手、名監督にあらず」です。
けが人が戻ってきたとしても、現時点では今シーズンタイトルを獲ることは不可能でしょう。
シャビが自らその職務を退くことは考えにくいし、バルサが満を持して指揮官に招聘したシャビをシーズン途中で解任するとは思えません。
バルサ首脳陣が、シーズン終了後に新たな選択をしてくれることを願っています。
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