俺から見たバレンシア対バルセロナ

リーガ・エスパニョーラ第1節、バレンシア対バルセロナです。

 

バルサはプレシーズンで評価を高めたマルク・ベルナル、カサードをスタメンに抜擢。ラフィーニャも中盤で起用しました。

 

前半

序盤はバルサがボールを保持。昨シーズンに比べて勇気をもって縦パスを入れていく印象を受けます。

 

バレンシアは4－4－2の守備ブロックを作り、リトリートしてカウンター狙いです。

 

バルサが押し気味に試合を進めます。

 

11分、中央でボールを受けたラファ・ミルが左のウーゴ・ドゥーロに展開。ウーゴ・ドゥーロはＤＦとＧＫの間に鋭いクロス。ラファ・ミルが飛び込みますがわずかに合わず。

 

13分、バレンシアは速攻から右のアウメイダがカサードを振り切り、サイドをえぐってクロス。ニアでクバルシが何とかクリア。

 

直後のコーナーキック。中央でフリーになったウーゴ・ドゥーロがヘッドも枠の上。

 

バレンシアが立て続けに速攻を繰り出し、押し返します。

 

18分、バルサはパスを回して右のヤマルが右ハーフスペースのラフィーニャにパス。ラフィーニャは中に持ち出し無回転ミドルシュート。ママルダシュビリがセーブ。

 

21分、左からディエゴ・ロペスがサイドをえぐってマイナスクロス。ニアのクバルシに当たり、ボールはゴールへ。一瞬逆を突かれたテア・シュテーゲンでしたが右手でかき出します。

 

43分、バレンシアの速攻。左サイドでディエゴ・ロペスがクンデ相手に1対1を仕掛け、マタギから右足に持ち出しアーリークロス。ファーサイドに流れてマークを外したウーゴ・ドゥーロがヘッドで合わせ、バレンシアが先制します。

 

46分、バルサはパスを回してバレンシアのＤＦを揺さぶり、左ハーフスペースのマルク・ベルナルが中央のフェラン・トーレスに楔を入れてバイタルエリアに進入し、リターンパスを受けます。マルク・ベルナルは中央のレバンドフスキにパス。レバンドフスキはタメて左のバルデに展開。バルデはマイナスクロス。走り込んだカサードがシュート。ゴールにカバーに入ったガシオロウスキがクリア。

 

 

47分、押し込まれた状態でテア・シュテーゲンが右のクンデにパス。ディエゴ・ロペスがすかさずカットしニアへクロス。ウーゴ・ドゥーロが合わせファーサイドに流し込みますがゴールにカバーに入ったクバルシが何とかクリア。

 

バレンシアは絶好機を逃します。

 

バルサはパスを回してバレンシアのＤＦを揺さぶり中央に集めて、ラフィーニャが左のバルデに展開。バルデはファーサイドにクロス。走り込んだヤマルがダイレクトボレーシュート。ファーサイドでレバンドフスキがつめてゴール。

 

バルサが同点に追いつき前半を折り返します。

 

後半

45分、左サイドからバルデがアーリークロス。中央でラフィーニャが触り、中に走り込んだヤマルが受けてシュートも当たり損ねて力なくママルダシュビリがキャッチ。

 

46分、テア・シュテーゲンからのフィードを受けたフェラン・トーレスが左サイドでボールキープし、ペナルティエリアニアサイドに鋭い楔を入れます。ラフィーニャが中央から走り込みモスケラの前に足を入れます。死角から入り込まれたモスケラがラフィーニャの足を蹴り、バルサがＰ．Ｋ．を得ます。レバンドフスキが昨シーズンまでとは違った助走で一瞬止まってからシュート。ゴール右上隅に豪快に決めます。

 

バルサが2－1と逆転に成功します。

 

56分、バルサの速攻。自陣右サイドでテア・シュテーゲンからボールを受けたヤマルがルーレットで1人かわして左ハーフスペースへロングスルーパス。フェラン・トーレスが走り込みママルダシュビリと1対1になりシュートもママルダシュビリが完全に読み切りファインセーブ。

 

両チームに疲れが見えはじめ、中盤にスペースが空き始めます。バルサが試合をコントロールし始めます。

 

69分、バレンシア陣内中央でボールをマルク・ベルナルがボールを奪い、カサードが右サイドのヤマルに展開。カサードはそのまま右ハーフスペースのポケットに走り出します。ヤマルはドリブルしながらタメて、カサードへスルーパス。カサードはダイレクトで中央に折り返します。レバンドフスキが自陣方向を向いて受けて反転からシュートもモスケラがブロック。

 

84分、バイタルエリアでボールを受けたペドリがミドルシュート。わずかに枠の左へ外れます。

 

90分、バルサの速攻。自陣右サイドでカサードがワン・ツーで抜け出し、中央のレバンドフスキ、左のジェラール・マルティンへ展開し、ジェラール・マルティンがクロス。中央に走り込んだカサードが合わせますが当てきれず、枠の右に外します。

 

93分、左サイドでパウ・ビクトルがボールをカットし左サイドを独走し、中央のレバンドフスキにパス。レバンドフスキはトラップからシュートも枠の上。

 

2－1でバルサが勝利しました。

 

気になったプレーヤー

バレンシア

＃11ラファ・ミル

セビージャ時代は短い時間でも結果を残していた印象だがこの試合ではノーインパクト。周囲との連携を深める必要がある。

 

＃9ウーゴ・ドゥーロ

先制点はお見事。上背がないけどゴール前での動き出しの質がいいのでフリーになれる。ＦＷの動きの勉強になる。

 

＃16ディエゴ・ロペス

バレンシアのチャンスメーカー。ウーゴ・ドゥーロとのコンビネーションを高めていきたい。

 

＃25ママルダシュビリ

2失点も安定の守備力。移籍のうわさが絶えないが、バレンシアに在籍中は守護神の変更はあり得ないと思うパフォーマンスを披露。

 

バルセロナ

＃28マルク・ベルナル

今シーズンのサプライズ選手になる可能性が高い。守備力が高く、楔のパスも上手い。ブスケツの後継者と言っていいくらいのポテンシャルを秘めている。同じタイプの選手がいないので今後にスタメンを確保し続けても驚きはない。

 

＃17カサード

昨シーズンまで交代で少しだけ出場するのを見ていたが、先発起用に応えたパフォーマンスを披露。中盤で体を張れるし、フリーランニングでチャンスメイクもできる。タイプ的にはフェルミン・ロペスやガビに近いが、こちらも十分戦力にカウントできる。

 

＃24エリック・ガルシア

ジローナでの経験、オリンピック優勝も含めて経験を積んでフィジカルで負ける危うさが薄れた感じがする。ただ、長時間プレーを見ないと何とも言えない。

 

＃3バルデ

プレシーズンから復帰してきたが、調子の良さを感じた。ただ、またして負傷交代したので、大怪我でないことを祈るばかり。

 

＃2クバルシ

オリンピックでは酷評されることもあったが、この試合ではゴールをカバーするファインプレーがあり、やられた感じはしなかった。コンディションを整え、経験を積んでいければいい。

 

＃35ジェラール・マルティン

短時間だったが好印象。今シーズンはバルデのバックアッパーを任せてもいいと思う。

 

＃19ヤマル

父親の事件があっての公式戦。得点はなかったもののアシストがあり、チャンスメイクもした。メンタル、フィジカルに気を付けながら起用したい。

 

＃9レバンドフスキ

昨シーズンに比べてボールが入るようになり、プレーのリズムを取りやすくなった感じを受けた。

 

＃8ペドリ

怪我から復帰戦。中盤にスペースがある状態だったので上手くスペースでボールを受けてさばいた。その影響でカサードの動きが良くなった。

 

総括

バレンシア

4－4－2の守備ブロックはある程度機能するもボールの取りどころ、カウンターへの道筋が見えない。ディエゴ・ロペス、ウーゴ・ドゥーロの連携に加えてラファ・ミルをはじめとする周りの選手との連携を深める必要がある。

 

バルセロナ

前半終了間際に少し危ない時間帯があったものの試合をコントロールし、しっかり勝利を収めた。そして収穫の多い試合だった。カンテラの選手が躍動しているのを見ると無理に選手補強する必要を感じない。中盤はマルク・ベルナル、カサード、ペドリ、ガビ、フェルミン・ロペスのカンテラ出身者にデ・ヨング、ギュンドアンがいて選手層は厚くなった。ＳＢもジェラール・マルティンやフォントが経験を積めば何とかなりそう。同じくＦＷもパウ・ビクトルが台頭してきており、ダニ・オルモも復帰。サッカー界自体が試合数の増加している現状を考えれば、むやみに外部から補強をするよりカンテラから選手を引き上げて経験を積ませて戦力にしていくほうがいいと思う。今シーズンはかなり期待できそうな開幕戦だった。