俺から見たレアル・マドリード対バルセロナ(スーペル・コパ決勝)
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ゆーすけ
2025年01月13日 20:45 visibility97
スーペル・コパ決勝、レアル・マドリード対バルセロナのクラシコです。
バルサは準決勝と同じスタメンで臨みました。
前半
レアルは4-4-2の守備ブロックを作り、自陣に引きこもります。バルサはボール保持。レアルは前回の対戦でオフサイドの山を築いたのを考慮してなのかロングカウンターを狙っていきます。ただ、楔のボールに対して寄せが非常に遅い印象を受けます。
1分、バルサの速攻。左ハーフスペースをバルデが持ち上がり、左に開いたラフィーニャに展開。ラフィーニャは右サイドへ鋭いパス。ヤマルが受けて中に持ち出しファーサイドに左足のミドルシュート。クルトワがファインセーブ。
3分、右サイドのヤマルがポケットにパス。クンデがアンダーラップしクロス。ルカス・バスケスの内側に入り込んだラフィーニャがヘッドで合わせますがこちらもクルトワがファインセーブ。
直後のコーナーキック。レアルはクロスをはね返し、ペナルティエリアの外でカサドがボールを拾いますがヴィニシウスが強引にカットし、レアルのロングカウンター。ヴィニシウスは持ち上がって右ハーフスペースへスルーパス。エムバペが走り込みバルデ相手にシザーズを入れて翻弄して縦に持ち出し、角度のないところからシュート。ファーサイドに決めます。
レアルがファーストチャンスを活かして先制します。
8分、左サイドをバルデがドリブルで持ち上がりクロス。ニアで受けたラフィーニャが縦に持ち出し角度のないところからシュートも枠の右に外れます。
バルサはラフィーニャが左ハーフスペースと左サイドでポジションをずらし、ルカス・バスケスが対応に追われ、その隙をバルデが上手く突いてチャンスを作ります。右SHのロドリゴは守備意識が低く、ルカス・バスケス1人でラフィーニャとバルデに対応することを強いられます。
17分、左ハーフスペースのイニゴ・マルティネスが鋭い縦パス。ラフィーニャがフリックして走り込んだペドリが抜け出してシュートもDFがブロック。
21分、右サイドのクンデが鋭い楔を中央に入れます。リュディガーのマークを外したレバンドフスキが余裕をもってフリック。中途半端にポジションを上げていたリュディガーの裏、右ハーフスペースにヤマルが走り込みます。ヤマルはカバーに入ったチュアメニをカットインでかわして、右サイドネットに軽くシュート。試合開始直後のミドルシュートの残像があったのかクルトワの反応がわずかに遅れ、ボールはサイドネットに転がり込みます。
ヤマルの全てをコントロールしたかのようなゴラッソでバルサが同点に追いつきます。
23分、レアルの右コーナーキック。中央でチュアメニがヘッド。シュチェスニーは正面でバウンドしたボールを何とかブロック。
28分、バルサにアクシデント。イニゴ・マルティネスが負傷し、アラウホが投入されます。
35分、ペナルティエリアの中でガビがカマヴィンガと接触して倒れます。しばらくプレーが続きましたがVARが介入し、オンフィールドレビューを経てバルサがP.K.獲得。レバンドフスキがいつもの独特なステップは封印してスムーズにゴール右に蹴り込みます。
バルサが逆転します。
38分、クンデが珍しくかなり後方からアーリークロス。ファーサイドに走り込んだラフィーニャがヘッドで叩き込みます。
バルサがあっという間に3-1とリードを広げます。
42分、左のバルデが縦パス。ラフィーニャがアンダーラップしてクロス。ニアでレバンドフスキがリュディガーに体を寄せられながらヘッドも枠の上。
49分、レアルは速攻を仕掛けますがバルサにディレイされます。しかし、右サイドにボールを展開してポケットに進入。ルカス・バスケスがヒールパスを試みますがバルデがカットし慌ててクリア。ボールは中央に上がりエムバペが2人と競り合いますが、ボールはガビに当たりシュチェスニーの前にいたロドリゴのもとへ。ロドリゴはつめようとしますが合わせられず、シュチェスニーがキャッチ。
51分、右のヤマルがタメて中央のペドリにパス。ペドリは左ハーフスペースへスルーパス。バルデが走り込み、縦に持ち出しシュート。クルトワがファインセーブ。
54分、レアルの左ショートコーナー。中央右のバルベルデに展開しようとしますがヤマルがカットし、バルサのロングカウンター。ヤマルはドリブルで持ち上がり、右ハーフスペースを駆け上がるラフィーニャへスルーパス。ラフィーニャは追いかけてきたバルベルデをバックヒールの切り返しでかわし、後方から上がってきたバルデにパス。バルデは縦に持ち出し、飛び出してきたクルトワの右を抜くシュート。
バルサが4-1とリードを3点に広げて前半を終了します。
後半
レアルはカマヴィンガに代えてセバージョスを投入します。また、3点を追いかけるためにプレスの位置が少し前になります。
47分、左サイドからヴィニシウスがドリブルで仕掛けてクロス。ファーサイドでフリーになったロドリゴが強烈なダイレクトボレー。しかし、枠の左上に嫌われます。
同じく47分、ボールはバルサ陣内左サイド。ペドリがボールを受けに左ハーフスペースにポジションを取ります。すると右ボランチの位置にいたカサドがするするとペドリの前のスペースに走りだします。その動きに合わせてバルデがカサドにパス。カサドはダイレクトで左ハーフスペースにロングスルーパス。自陣左サイドからラフィーニャが走り込みゴールに向かってドリブル。追いすがるチュアメニを左足の鋭い切り返しでかわして左足でファーサイドに蹴り込みます。
5-1とバルサが試合を決定づけます。
58分、DFラインの裏を取ったエムバペがペナルティエリアの外でシュチェスニーと1対1になり左にかわします。しかし、シュチェスニーの足がかかって転倒。VARの結果、シュチェスニーは退場。バルサはヤマル、ガビに代えてダニ・オルモとペーニャを投入します。
59分、先ほど得たフリーキック。ロドリゴがGKサイドのゴール右に直接シュート。ペーニャは一瞬反応が遅れ、触りはするもののゴール。
レアルが1点を返します。
その後、数的優位のレアルがポゼッションを高めて攻め込みますが、決定機は作れず。散発的にシュートを放ちますが枠を捉えられません。一方、バルサは3点差があるので時間を稼ぎつつ、守備を基準に試合をコントロールします。
90分、左45度の位置でエムバペがルーレットターンでクンデをかわして前を向きドリブルで仕掛けてヒールパス。ベリンガムが走り込みますが、先ほどかわされたクンデがスライディングでボールをつつきにいき、慌てたベリンガムはキックミス。ペーニャがキャッチします。
95分、エムバペが左サイドでボールを受けてファーストタッチでクンデをかわしてカットイン。アラウホをかわしてファーサイドへシュート。ペーニャがファインセーブ。
5-2でバルサがスーペル・コパを制しました。
気になったプレーヤー
レアル・マドリード
#9エムバペ
動きにキレが戻ってきたが、芝に足を取られて足首を痛める。フル出場したものの怪我が心配。周囲との連携は良くなったと言われるが、ヴィニシウスとの共存は未だ難しい気がする。エムバペが活躍したシーンは先制点の場面はカウンターで中央だったが、その後は鳴かず飛ばず。ヴィニシウスが交代で下がってから左サイドを中心にチャンスができた。これではお互いの良さが消えてしまうので、アンチェロッティ監督も頭を悩ませ続けていると思う。
#11ロドリゴ
この試合でレアル最大のウィークポイント。右サイドの守備を放棄して、中央に入ったり、前に残ったりでバルデに好き放題やらせてしまった。ルカス・バスケスの守備について酷評するメディアもあったが、どんなSBでも1人でラフィーニャとバルデに対応するのは至難の業。
#1クルトワ
ファインセーブを見せるも、守備にあれだけの穴があると防ぎきれない。5失点したもののクルトワの責任はそれほど大きくないと思う。
バルセロナ
#19ヤマル
同点ゴールはゴラッソ。クラシコであれだけ落ち着いてシュートを決められるなんて信じられません。必見です。シュチェスニーの退場でピッチを退きましたが、ヤマルのコンディション調整を考えるとちょうどいい。こちらは怪我の功名です。
#17カサド
5点目のアシストが素晴らしい。状況判断、ポジション取り、パススピード全てが最高でした。
#8ペドリ
ライン間で上手くボールを引き出し、チャンスを演出。
#3バルデ
この試合の陰のMOM。バルデがとラフィーニャで左サイドを押し込めたことが最大の勝因。
#11ラフィーニャ
最近シュートチャンスを逃し続けてきたがクラシコの大一番で2ゴール1アシスト。チャンスには顔を出していたので心配はしていなかったけど、この結果が次に繋がります。
#4アラウホ
移籍報道が過熱していたが、イニゴ・マルティネスが5週間ほど離脱するらしいので、重要性が一気に上がる。元々、イニゴ・マルティネスとクバルシがフル稼働状態だったのでCBの層は薄い。まずはこのチャンスを活かしてスタメン復帰を狙いたい。チームとしてもクバルシ、イニゴ・マルティネス、アラウホ、クリステンセン(もうすぐ復帰予定)の4人でローテーションが組めたら一番いい。
#9レバンドフスキ
同点ゴールにつながるフリックは素晴らしい。P.K.による1点だけだったがレアルのCB2人と常に駆け引きをしてピン止めした貢献度は大きい。
#13ペーニャ
遅刻が理由でスタメンをはく奪されていたが途中出場から安定感を見せて勝利に貢献。クレとしては「遅刻厳禁」と言いたい。
総括
レアル・マドリード
戦い方を間違えた。最近バルサに勝っているチームは球際を激しくいくこと、2列目からの飛び出しを有効活用してチャンスを作るという共通点が見られたが、今回のレアル・マドリードは相手を自陣に引き込んでエムバペやヴィニシウス、ロドリゴのカウンターを選択。「引き込む=ボールへの寄せをゆっくり行く」になってしまい、バルサの中盤に溶融を与えて、バイタルエリア、右サイドを有効活用されてしまった。先制点は奪えたが、開始2分でシュートチャンスを2回与えている時点で、戦術プランが崩壊しているのが明らかだった。この試合はしばらく忘れて次の試合に臨みたい。
バルセロナ
レアル・マドリードの戦術ミスを逃さずに大勝。年末のアトレティコ・マドリード戦、アスレティック・ビルバオ戦と試合内容は良かったので、今回のクラシコも継続できた上で勝利を収めたことは、若手の多い現在のバルサにはとても価値がある。すぐにコパ・デル・レイのベティス戦が控えているので、コンディションを整えて臨みたい。
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