俺から見たバルセロナ対セルタ

リーガ・エスパニョーラ第32節、バルセロナ対セルタです。

 

バルサはヤマルがベンチスタート。右WGにラフィーニャ、左WGにフェラン・トーレスを起用しました。

 

前半

1分、バルサが素早いパス回しから、左ハーフスペースのペドリがボールを受けてセルタの中盤を引き付けてから右サイドに展開。クンデが受けてワイドに開いたラフィーニャへ縦パス。ラフィーニャは右ハーフスペースに入ってきたフェルミン・ロペスにパスを出して中へ。フェルミン・ロペスは縦に持ち出しマイナス気味のクロス。ニアのラフィーニャは触れず、ファーサイドからフリーで中に入ってきたレバンドフスキがダイレクトシュート。枠の右に外れます。

 

セルタは5-4-1の守備ブロックを作りつつ、セットできたらハイラインを維持しつつ、素早い寄せでバルサのパス回しを遮断し、高い位置でボールを奪いに来ます。

 

バルサは、セルタの早いプレスを回避するべくいつも以上に早いパス回しを見せます。

 

11分、イニゴ・マルティネスが左ハーフスペースに楔を入れます。フェラン・トーレスが受けてバイタルエリアに進入。マルコス・アロンソが対応に出ますが、フェラン・トーレスはスピードで振り切り、右へ抜けてミドルシュート。ゴール左下に決めます。

 

フェラン・トーレスのゴラッソでバルサが先制します。

 

セルタは最終ラインでのビルドアップが秀逸。サイドでボールをキープしてバルサのハイプレスが始まると、GKのガイタを加えてバルサの前線+1の人数で逆サイドにパスを回します。逆サイドに来たときはバルサの選手と10mくらいの距離があり、バルサの選手がつめてくる時間にボランチがパスを受けに行き、完全にプレスを回避。

 

バルサ対策をしっかりしている印象を受けます。試合の流れがセルタに傾いていきます。

 

14分、セルタのカウンター。バルサのカウンターをラゴがはじき返し、マルコス・アロンソがボールを拾って右サイドに展開。ドゥランが走り込みダイレクトでGKとDFの間に最高のクロス。クバルシのプレスバックはわずかに間に合わず、飛び出したシュチェスニーの伸ばした手はわずかにボールに届かず。ファーサイドに走り込んだイグレシアスが余裕をもってゴールに蹴り込みます。

 

ドゥランのスーパープレーでセルタが同点に追いつきます。

 

22分、バルサのプレスを回避し、右ハーフスペースでイライシュがボールを受けて流れるような動きで右へスルーパス。ドゥランがトラップで縦に抜け出しGKとDFの間に鋭いクロス。走り込んだイグレシアスが合わせますが上手く距離をつめたシュチェスニーが右足でファインセーブ。こぼれ球をクンデがクリアしようとしますが空振りに近いキックミス。慌ててシュチェスニーが抑えます。

 

セルタの同点ゴールの再現を見ているかのプレーでしたが、シュチェスニーがしっかり修正して得点を許しません。ドゥラン、イグレシアス、シュチェスニーの高度な駆け引きでした。

 

26分、セルタ陣内左ハーフスペースでペドリがプレスをかけて前を塞ぎ、加勢したフェラン・トーレスがボールを奪います。フェラン・トーレスはドリブルから中央のラフィーニャへパス。ラフィーニャはダイレクトでミドルシュートを放ちますが蹴り損ねてしまい、ガイタが余裕をもって正面でキャッチ。

 

バルサがペドリを中心に押し返し始めます。

 

28分、ペドリが右ハーフスペースのラフィーニャへ楔を入れて、ラフィーニャは中央のフェラン・トーレスにパス。フェラン・トーレスはトラップからミドルシュートも枠の右。

 

42分、右サイドにフィードされ流れたボールをイライシュがクバルシに競り勝ちそのままドリブルで持ち上がります。イニゴ・マルティネスがカバーに入りますがイライシュは右45度からシュート。シュチェスニーがセーブ。跳ね返りをロサーダがダイレクトシュートも再びシュチェスニーがファインセーブ。

 

44分、セルタを押し込んだバルサは左ハーフスペースからイニゴ・マルティネスが前方のフェラン・トーレスに楔を入れます。フェラン・トーレスは左にいたデ・ヨングに落とし、すぐにリターンパスを受けてトラップからミドルシュート。枠の右に外れます。

 

前半は1-1で折り返します。

 

後半

セルタはロサーダに代えてミンゲサを投入します。

 

49分、セルタの速攻。自陣からの縦パスを2列目で受けたドゥランが左ハーフスペースを抜け出しますが、イニゴ・マルティネスが追いつきます。ドゥランはイニゴ・マルティネスと1対1になり、カットインからの切り返しで縦に抜けて鋭いクロス。シュチェスニーが触り、イグレシアスは合わせられず、ボールはファーへ抜けます。

 

シュチェスニーの好プレーでした。

 

51分、バルサはハイプレスを仕掛けて左ハーフスペースでボールを奪ったフェルミン・ロペスがカットインから強烈なシュート。ガイタが正面でキャッチ。

 

同じく51分、ガイタが右ハーフスペースへフィード。ライナー性のボールに対して、イニゴ・マルティネスとデ・ヨングが落下点に向かい、お互いに一瞬躊躇。デ・ヨングがボールコントロールをミスして後逸。イグレシアスが右ハーフスペースを抜け出し、フリーで地を這う強烈なシュート。左サイドネットに突き刺さります。

 

セルタがバルサのミスを突いて逆転に成功します。

 

58分、セルタ陣内右ハーフスペースでペドリがボールキープし目の前のイライシュをかわそうとしますが、イライシュが入れ替わるようにカットしセルタのカウンター。イライシュはそのままドリブルで持ち上がり、左ハーフスペースへ抜け出そうとするイグレシアスにスルーパス。イグレシアスは抜け出しますが、デ・ヨング。クバルシに追いつかれ二人の間を抜くシュート。シュチェスニーがほぼ正面でセーブ。こぼれ球をクンデがクリアしようとしますがしきれず、イライシュがダイレクトシュートを放ちますが枠の上。

 

61分、セルタ陣内左ハーフスペースでヤマルとダニ・オルモがワン・ツーを狙いますが息が合わず、セルタがカットしロングカウンター。前掛かりになり、クバルシとイニゴ・マルティネスはセルタ陣内に入っており、クリアボールに素早く反応したイグレシアスが独走。イグレシアスはシュチェスニーと1対1になりチップキックでシュチェスニーの左を抜いてゴール。

 

イグレシアスのハットトリックでセルタが3-1とリードを広げます。

 

64分、2列目のダニ・オルモがセルタDFライン右ハーフスペースの裏を狙って走り出します。マルコス・アロンソが対応すべくダニ・オルモについていきます。バイタルエリアが空き、レバンドフスキがすかさずダウン。その動きに合わせて右からクンデが楔を入れます。レバンドフスキはトラップで前を向き左前方のラフィーニャへパス。ラフィーニャはトラップから流れるような動きで左アウトサイドスルーパス。右ハーフスペースに走り込んでいたダニ・オルモがそのスペースに走り込み倒れながらもファーサイドに流し込みます。

 

バルサが見事な連携で1点を返します。

 

67分、バルサは高い位置でボールを奪い、右ハーフスペースでペドリがタメを作って右のクンデ、ヤマルと展開。ヤマルは中に持ち出しファーサイドへアーリークロス。中央に入っていたラフィーニャがラゴの裏を取り、ヘッドで右サイドに叩き込みます。

 

バルサが同点に追いつきます。

 

70分、セルタのカウンター。左サイドのアルフォンソ・ゴンサレスが中央にスルーパス。ドゥランが走り込み抜け出しかけますが、イニゴ・マルティネスが一瞬ドゥランに手をかけて放し、ドゥランは一瞬減速&ボールから離れます。イニゴ・マルティネスは足先でシュチェスニーにバックパス。シュチェスニーは右サイドへクリア。

 

ファールになるかならないかぎりぎりのところでイニゴ・マルティネスの狡猾なファインプレーでバルサはピンチをしのぎます。

 

バルサが攻勢に出ます。

 

72分、セルタを押し込み、左ハーフスペースからイニゴ・マルティネスがニアへアーリークロス。ダニ・オルモが胸トラップで前に抜け出し右アウトサイドシュート。枠の右に外れます。

 

78分、バルサにアクシデント発生。レバンドフスキがボールを奪いに行った際に左足のハムストリングスを負傷。ガビが投入されます。

 

83分、バルサの右コーナーキック。ニアでガビが戻りながらのヘッドも枠の右。

 

89分、セルタは右ハーフスペースでダニ・オルモにハイプレスをかけて奪い返し、中央のソテーロに展開。ソテーロは左ハーフスペースのアルフォンソ・ゴンサレスにパス。アルフォンソ・ゴンサレスはドリブルで仕掛けてニアへスルーパス。フェル・ロペスが抜け出し、シュチェスニーが飛び出しを左にかわしてクロス。シュチェスニーが触り、抜けたボールをニアに入り込んだミンゲサがヘッド。枠の右に外してしまいます。

 

95分、VARからの連絡を受けて主審がオンフィールドレビュー。ダニ・オルモがポケットを取り倒された際に、後方からチャージを仕掛けたラゴの足がダニ・オルモを蹴って倒していたため、バルサにP.K.が与えられます。緊迫のシーンでしたが、ラフィーニャがゴール右に豪快に決めます。

 

バルサが土壇場で逆転し試合終了。バルサが4-3で勝利しました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#25シュチェスニー

3失点も相手のシュートやクロスを称えたくなるようなシーンばかり。一方でファインセーブも数多く見せて勝利に大きく貢献。

 

#5イニゴ・マルティネス&#2クバルシ

3失点目のリスク管理は今後の課題。攻め込んでいるからこそ、あのようなカウンターには注意したい。

 

#8ペドリ

一人で試合の流れをコントロールできる存在で、試合を重ねるごとに存在感が増してきた。

 

#9レバンドフスキ

得点はなかったものの反撃の狼煙を上げる得点で上手いポストプレーで関与。報道によると全治3週間で、コパ・デル・レイ決勝、チャンピオンズリーグには間に合いそうにない。フェラン・トーレスがいるとはいえ、大きな戦力ダウンです。

 

#11ラフィーニャ

2ゴール1アシストと大活躍。ヤマル、ダニ・オルモとのコンビネーションは熟成され、阿吽の呼吸でゴールが生まれている。

 

#35ジェラール・マルティン

左サイドでおどおどとプレーしているように見え、自信を喪失しているように見えた。バルデと同じことをしようとは考えず、自分のできることから取り組んでいけばよい。メンタル面の改善が必要。

 

#20ダニ・オルモ

途中出場で2ゴールに関与。流れを変えたいときのジョーカーとして今後も活躍してほしい。

 

#7フェラン・トーレス

先制点は素晴らしかった。好調も維持しており、レバンドフスキの代役もこなせると思うが自分らしさを出してチームに貢献してほしい。

 

セルタ

#18ドゥラン

スピード豊かなアタッカーで右からDFとGKの間に入れるクロスが絶品。同点ゴールは一見の価値ありの完璧なクロスでした。

 

#9イグレシアス

リーガで数多くの得点を奪っている印象だったが、初めてのハットトリックだったらしい。2・3点目の得点は同じFWとして見習いたい。

 

#12アルフォンソ・ゴンサレス

後半途中から出てきてチャンスに絡む。

 

総括

バルセロナ

2試合連続ハットトリック(ギラシ、イグレシアス)を奪われるのはいただけない。連戦による疲れで守備の強度が落ちているが、年末ほどひどくはないのが救い。一方で、2点差を逆転できたことはメンタル面で非常に大きい。レバンドフスキの離脱でフェラン・トーレスをジョーカー起用ができなくなるが、ダニ・オルモがいるし、ガビ、フェルミン・ロペスが上手く出場機会を活かして得点を奪いたい。また、ヤマルの出場時間を40分程度に抑えられたのは良かった。明日、レアル・マドリードがアスレティック・ビルバオ(最近はアスレティック・クルブと表記されることもある)に勝ち点を落とせば、火曜日のマジョルカ戦に大きなターンオーバーを入れて、来週末のコパ・デル・レイ決勝に備えてももいいと思う。

 

セルタ

バルサ対策はしてきて一時は3-1とリードすることができたが、上手く試合をコントロールできなかった。ダニ・オルモがバイタルエリアでボールを受けるのに対してうまく対応できなかったことが要因。「たら・れば」だが2点リードした段階で中央を固めてバイタルエリアを空けないようにしていれば結果は違ったものになったかもしれない。好試合を演じるだけの底力はあり、良いチームだと思いました。

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