勝ち上がったことがすべて

ひさびさに、ナビスコ決勝へ!
ナビスコは、たった2試合、しかもたったの5日間の出来事でしかないけど、
延長までフルに120分ずつ戦って、苦労した分、ようやくたどり着いた感が強くなった。
20周年のメモリアルイヤーだけに、いつも以上にタイトルへの欲は深いからね!


ホント、名古屋に勝てて良かった!
延長までもつれこんでしまった分、喜びも倍増♪
でも、内容としては、リーグ戦と同様、鹿島が圧倒し、優位に進めていた試合。

敵将ストイコビッチが、試合後のコメントですべてを言い表している。
『最初の60分間は我々の方が鹿島のプレーを見ていたような印象で、チームとして成り立っていませんでした。・・・ただ、今日のベストプレーヤーは楢崎です。我々をたくさんの場面で救ってくれました。ミラクルなシーンが多くあり、3点、4点、5点、6点、7点入ってもおかしくなかったと思います。ハンドボールのようなゲームでした。今日は我々の方がスパーリンクパートナーを務めたようでした。
しかし、最後の30分である程度状況を変えることが出来たと思います。・・・ただ、前線のところで我々の力に限界が見えてしまいました。60分を過ぎたところまで勝つという十分なプレーが出来ていなかったと思います。細かな部分でうまくいっていませんでした。我々は追いつきましたが、延長でプレッシャーも掛かっていない場面でミスを犯してしまったり、延長の後半で阿部が鹿島・柴崎にかわされてやられてしまいました。』

ホントそのとおり。
60分までは、圧倒的に鹿島の試合だった。
鹿島13対名古屋4という、60分までのシュート数がそれを的確に表している。
中盤でのプレスが機能し、セカンドボールをほとんどモノにする。
名古屋守備陣のギャップをつくボール回しで攻め込み、ゴールへ襲いかかる。
いつも嫌なところに顔を出してくるダニルソンがいないと、こうまで違うのか?と思うぐらい、中盤で好き放題できていた。


後は、ゴールを奪って、勝利を確実にするだけ。
そして、10分と早い時間に幸先良く先制点を奪い獲る。
吉村へ猛然とプレスをかけ、ボールを奪い獲った小笠原がスルーパス。
闘莉王の背後のスペースに走り込んだ大迫がしっかりボールをコントロール。
飛び出してくる楢崎を前にしても、落ち着いて右足を振り抜き、2試合連続ゴール。

リーグ戦で、再三のチャンスをことごとくつぶされてしまった楢崎の壁をいきなりぶち破ることに成功!
今度こそ、得点を重ねられるかと思ったのだが、ピクシーが語るとおり、楢崎がベストプレーヤーになってしまった。
大迫の折り返しに走り込み、楢崎と1対1となった興梠のシュートも。
野沢の強烈なミドルシュートも。
大迫のクロスからの興梠の胸トラ反転シュートも。
野沢のやわらかなFKに飛び込んだ興梠のヘディングシュートも。
CKのこぼれ球に合わせた遠藤の豪快なミドルシュートも。
ファーサイドフリーで合わせた遠藤のヘディングシュートも。
カウンターで抜け出した興梠のシュートも。
ゴール正面でパスを受けた遠藤のワントラップシュートも。
どうすれば決まるのか分からなくなるぐらい、ことごとく楢崎のスーパーセーブを前にゴールを阻まれてしまった。

おまけに、楢崎の壁を越えた興梠の反転シュートは、ゴールラインぎりぎりで闘莉王に阻まれ。
難しい体制ながら、巧くボレーで合わせた大迫のシュートは、楢崎を抜けたが、惜しくもゴール右へ。
ピクシーの言うとおり、うまくいけば、5点、6点、7点と決まってもおかしくなかったのに。
リーグ戦同様、楢崎、闘莉王を前に追加点を奪えない。


すると、後半途中から足が止まってきて、これまでどおりに攻め込む展開にはできず。
それでも、中田、青木、新井場を中心に身体を張った守備でゴールを死守。
特に、前半に左肩を負傷した中田、急きょCBに入った青木という、Wボランチを組んでもおかしくない急増CBコンビも、ほころびを見せずに良くやっていた。

が、80分に、FKから闘莉王ヘッドで、同点に。
これまた、リーグ戦同様、闘莉王の強さにやられ、90分では決着つかず。


延長になると、両チームともに疲れを見せ、スペースがら空きの攻め合う展開。
ともになかなか決めきれず、苦しい状況を変えたのが、延長後半に満を辞して投入された本山。
投入早々の107分に、さっそく結果を出す。

DFラインの前で、ボールをキープし、意表を突くタイミングで、ラインの背後にやさしいパスを送る。
スルーパスに反応したのが、DFラインの中に入っていた柴崎岳!
やや遅れ気味だったものの、相手守備陣よりは早く反応し、ゴール右に抜け出す。
ただゴールだけを考え、思い切りよく右足を振り抜き、ゴール右上に突き刺す。
ようやく、楢崎の牙城をぶち破っての、決勝点!!!

3列目からするすると上がって、タイミングの良い飛び出しを魅せて、ゴールを奪う!
これこそ、柴崎岳の真骨頂☆
サッカーIQの高さを感じさせるポジショニングの良さからくる効果的なボール奪取。
視野の広さを感じさせる長距離の展開パスや、タイミングの良いワンタッチパス。
この試合でも魅せていたこれらの高い能力とともに、試合を決める働きまで魅せてくれた!
個人的に、U-17W杯の頃から魅了されていた、ゴールを狙う飛び出しを、ようやくプロの部台でも披露。
プロ1年目ながら、期待以上の活躍を魅せて、チームの勝利に貢献するなんて、眩しすぎる才能☆

もちろん、それを引き出した黄金世代の10番本山のパスも見事!
『本山選手というのは本当に宝物、クリスタルのような選手です。・・・残念ながら今季は運動量にしてもパワーにしても90分使える状態ではないのですが、ここ、というところに使っていきたいと考えています。後半に失点してしまって、延長前半は失点をせずにできればと思っていましたが、そこがうまくできたので、残り15分で彼のフレッシュなひらめき、彼が持っている視野の広さ、パスの質を使おうと思いました。そして最後の決勝点というのは、決めたのは柴崎選手かもしれませんが、それを作り出したのは本山選手であって、それができる能力というのは、日本では天下一品、彼が持つ天性の資質ではないかと思います』
と、オリヴェイラ監督が絶賛するとおり。
名古屋守備陣が反応できずに、かつ、受け取りやすい極上のパスだった!


決勝点の後の約15分間。
時が止まったかように時計の針が動いていないように思えるほど、長く感じられる時間だった。
相手に退場者が出ても、油断はできず。
ゴール前に入れられるたびに、ヒヤヒヤ、心臓バクバク。
最後の時間、何とかボールキープで時間使うことができ、今度こそ逃げ切り成功!
延長ではあるが、ようやく名古屋を倒すことができた!

相手の闘莉王が、『今日の試合で勝てたら、サッカーに対して失礼です。』と語るほどの完全に勝利に値する内容。

そう語った闘莉王自体が、内容とは無関係に試合の結果を持って行けちゃう選手。
そんなサッカーの理不尽さを、9月のリーグ戦で嫌というほど味わってしまった。
それだけに、内容関係なく、結果がすべての準決勝で、決勝へ勝ち上がれて良かった!
決勝ゴールの瞬間、勝利が決まった瞬間の興奮、歓喜、気持ち良さは、なんとも言い表せないぐらい最高だった☆


さあ、これで5年ぶりのナビスコ決勝の舞台!
相手は、レッズ。
一発勝負のカップ戦は、リーグ戦の流れとは無関係なだけに、要注意な相手。
タイトルのかかった試合に燃えないわけないし、気合を入れて臨まないと!

タイトルの獲り方は、鹿島が一番よく知っている。
そして、タイトルへの執念も鹿島が一番強い。
それは、これまで積み重ねてきた14冠が物語る。
どんなときでも、タイトルは常に狙い続ける。
20周年の今季だからこそ、なおさらタイトルへの思いは強い。

決勝の舞台でも、負けず嫌いの鹿島の伝統を魅せつけるのみ。
この準決勝で魅せたように、球際強く、ハードワークして、最後まで勝利のために戦い続ける。
目の前の試合に全力尽くして、絶対に勝つ!!!

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