解呪

とにかくゴールが決まらない。
鳥栖に勝てていないこと、今季ＦＷ以外得点獲っていないこと。
そういった事実が、ジンクスとなり、呪いに変わって、鹿島のゴールを阻んでいるかのようだった。

そもそも、相手はレギュラー全員外し、ベンチも４人しか入れていない鳥栖。
尹晶煥監督自身も、リーグ戦に比重を置いて、この試合はチーム全員のコンディション確認に使ったと言うような相手。
対する鹿島は、左サイドのジュニーニョ、中田に代えて、期待の新戦力中村、前野を先発に起用したメンバー。
大迫は欠くものの、これが今季のベストメンバーと言えるようにしていくべきメンバー構成。
だからこそ、本気で勝ちにきていないチームに対しては、力の差を魅せつけていかないといけない。

なのに、ポゼッションは高いものの、内容は良くない。
選手間の距離が悪く、効果的な仕掛け、崩しがあまり見られない。
西も、前野も積極的に高い位置取りで攻撃を活性化させようとするが、なかなか決定機には結びつかない。
頼みのダヴィのシュートもＧＫの正面を突くなど、得点も生まれない。
時間が経つにつれ、疲労の影が見え始め、どんどん内容が悪くなっていく。
相手のレベルに合わせるかのように、判断が遅くなり、技術的なミスも増えだしてくる。
むしろ、運動量で下回っている分、ピンチを迎える場面も増えてくる。
せっかくボールを保持しても、相手のブロックの外で回すばかりで、攻撃に怖さが足りない。
セットプレーや、独力突破などから生まれる限られたチャンスもゴールの枠を外れてしまう。

それでも、後半ロスタイム、頼れる１０番が、そんな呪いをかけられたかのような苦しい状況を撃ち破った！
野沢のＣＫを、岩政、ダヴィが競ったこぼれ球を、ゴール右、角度のないところから豪快に蹴り込み、ネットに突き刺す！！
最後の最後の最後にようやく奪った先制点！！！
今季最低の試合になりかけたところを、土壇場で劇的な勝利に変えてくれた！


ホント良くも悪くも興奮した疲れた試合。
野沢は疲れのせいかいつものようなボールタッチの冴えがあまり見られず。

岩政は守備の対応が雑で、マークする相手を押し倒すような危なっかしいプレーが散見された。

期待の中村はチャンスに絡んだものの、ボールの引き出し方、プレスの掛け方に課題が残った。
チーム全体として、スムーズな連係、相手を押し込むような攻撃をあまり魅せられず、内容は酷かった。
収穫は、球際の強さや攻撃参加の積極性を魅せ、レギュラー起用の目処が立ちそうな前野の活躍ぐらいだろうか。

それでも、拾えたこの勝利。
内容が悪くとも結果を積み重ねて、強さに変えていくのが鹿島。
内容を少しずつ改善しながら、しぶとく結果を拾っていくしかない！

ナビスコも、リーグも、いつまでも足踏みはしていられない。
とにかく目の前の勝利のために、全力尽くして戦っていくぞ！
次の試合も絶対に勝つ！！！