タフな試合に勝ちきる強さこそ王者の証☆

東京ヴェルディとの３年ぶりの試合。戦前予想していたとおりの非常にタフな試合になった。昨シーズン途中までの鹿島だったら、勝つことは出来なかったかもしれない。しかし、現在の鹿島は王者としての自信と誇りを得ている。苦しい試合でも勝利を目指して戦い抜くたくましさを身につけていた。そして、しっかりと結果を残す。本当に強い、頼もしいチームになったのだなと実感した試合になった。

 

前半、鹿島は、疲れを考慮してか抑え目のペースで試合に入る。いつもの積極果敢なプレッシングを抑えて、前の２試合の相手よりも、しっかりとしたボール回しをしてくる東京Ｖに対し、ボールの奪いどころを見定めていた。

ペースを上げてきたのは前半の半ばぐらいから。猛然とボールを奪いに行くプレイが増え、いつものリズムを出してきたように感じられた。そして、守備に呼応して攻撃も変化させる。田代をターゲットにしたようなロングボールの展開から、しっかりとパスを繋いで空いたところを突いていく攻めへと狙いが変わってきた。

鹿島のボールキープの時間が長くなり、お互いの特長を熟知した組織ならではの自在なパスワークでチャンスを築き上げていくが、ゴールまで結びつけることができないまま、前半は終了。

 

後半も、鹿島は、前半途中からのリズムを引き継いでいた。

東京Ｖは、足元へのパスが多く、しっかりと集中して対応すれば、あまりやられるような気はしていなかった。となれば、１点先制することができれば、勝てる！そう感じてはいたが、チャンスは創るもののなかなかゴールが奪えないもどかしい展開が続いていた。

すると、やはり水曜日に灼熱のバンコクで試合を行った疲れが効いてきたのだろう、後半も半ばに差し掛かってきたところで、鹿島の選手の動きが重くなってきた。次第に東京Ｖに回されるシーンが多くなってくる。危険な展開になってきたかと思った矢先、ゴール前を崩され、放たれたシュートがポスト直撃！危ない場面だったが、決められていない。勝ち運は、まだ、鹿島にあると確信した。

すると、オリヴェイラ監督はダニーロを投入。そして、このダニーロが起点となり、待望の先制点が生み出される！中盤でボールを受けたダニーロが、ゴール前のスペースへマルキーニョスを走らせるスルーパスを出す。ゴール右で受けたマルキーニョスは、落ち着いてＧＫをかわし、ゴールへ流し込み、ようやく先制点を奪い獲る！

苦しんだ末に奪い獲った先制点。これを見てオリヴェイラ監督は、投入寸前だった興梠をベンチに戻し、中後、そして続けて伊野波を投入し、逃げ切りを図る。この交代により、中盤の守備を手厚くし、ピンチの芽を丹念に摘んでいく。刻一刻と勝利へ向け時間を進めていった。

そして、後半４１分。勝利を決定付ける２点目を奪い獲る！ダニーロ、内田と繋いで、最後はフリーのマルキーニョスがしっかりと内田のグラウンダーのクロスを受けてゴールに蹴りこみ、東京Ｖを突き放す。そして、東京Ｖの反撃もシャットアウトし、そのまま、無失点でタイムアップ。

 

これでリーグ１１連勝！そして５試合連続の無失点！

水曜のバンコクでの疲れが残っているにもかかわらず、勝ちに行く姿勢を魅せ続け、結果を残した選手たち。自らそして相手の状況に応じた戦い方を選択し、勝利に向けて実行できるのが、今の鹿島の強みだろう。本当に頼もしい限りだ。

中２日空けて、水曜日にホームでＡＣＬの試合があるが、ここでもしっかりとした戦いで結果を残してくれるだろう！ 

【Pick Up Players】

☆小笠原☆

全力でボールを奪いに行く姿勢を魅せ続けた。安定感のあるボールキープ、チャンスとみるや猛ダッシュで駆け上がってのチャンスメイクも魅せ、まさに獅子奮迅の働き。戦う姿勢をプレイで示し、ほかの選手を牽引し続けた。闘将と呼ぶに相応しい頼れるキャプテン。

 

☆曽ケ端☆

前半に見せたパスミスにはヒヤッとした。前日の都築の再現かと思ったが、自らの飛び出しでセーブし事なきを得る。それ以降は安定し、完封勝利に貢献。

 

☆ダニーロ☆

監督の狙いどおりに２得点の起点となってチームを勝利に導く大活躍☆ゴールへとドリブルで突っ込み、いよいよJ初ゴールかと思わせるシーンもあった。今シーズンこそはコンスタントな活躍を期待したい。

 

☆マルキーニョス☆

先制点の場面はきれいにゴールキーパーをかわしていた。水曜日に同じように何回もGKをかわすプレイをしていたし、良いイメージができていたのか？疲れを見せないハードワークもしていたし、本当に頼れるエース☆

 

☆田代☆

一番疲れが見えていた選手かもしれない。空中戦でいつものような勝率を残せず、チャンスで足を滑らす場面もあった。代表でもタフなゲームを続けていたし、無理もない。水曜日は休ませても良いのでは。