「愛情を少しでもわけてあげたい」 70過ぎの母のチャレンジ

お昼、ちょっと実家に寄った。

「あの駅に行くにはどう行ったらいい?」

何しに行くの?と聞いたら

「ちょっとねw」


ん?


「実は里親制度に登録してみようかと思ってさ。1回目の説明会にはもう行ってきたんだわ」


5年前くらい前だったと思う。

実家に帰った時、そんな話をしていた事は覚えている。

当時、親父にも相談したそうだが、それは無理だと却下された。

しかし、親父がこの世を去って秋で3年。

自由がきいて、気ままな毎日、体がまだ丈夫で無理がきく内に、愛情に飢えている子供達のために、自分ができる事がしたいと。

新聞の片隅にあった「里親募集」という広告に目がとまり、切り抜き、大切に保管していたそうだ。


夏休み、冬休みの等の長期休暇の間だけだけど、一緒に料理したり、話をしたりし、遊んだりして、その子の心を豊かにしてあげたい、家庭を体験させてあげたいと。


母は教育者でもなんでもない、ただミシンを踏んでた人。

学も全くない。

だから勉強は教えてあげられない。

だけど自分ができるのは「愛情」ならいくらでも。


施設には 虐待された子、育児放棄された子、親が入院して行くところがなく入所した子、貧困のためしかたなく入所した子など、あらゆる理由・事情の子がいるそうだ。

心に深い傷を負った子は施設の中でも閉じこもって みんなの前には出てこない、出てこられないそうだ。


「役所の人間なんて、いいことしか言わないんじゃないの?」


それが違うらしい。厳しい現実のみを言うだけで、相当な覚悟が必要だと説明するそうだ。

里親の審査も厳しく、身辺調査が長い時間かけて行われるそう。


「やってみなきゃわかんないからさ。まだ正式に登録したわけでもないし、途中で気が変わるかもしれない。でも、今はやってみよう思っている。子供と気が合わないかもしれないし、こんなババアの家に二度と行きたくないと思われるかもしれないけどさw」


たぶんあの人はやると思う。

生き甲斐を探している。

その生き甲斐が人のためになるならと。


70過ぎのババアのチャレンジが今始まりました。

 



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