もつべきものは、、、、その6

  • mw
    2008年10月21日 23:22 visibility47


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整理券の順番は、とうとう、さっき「ここまででもらえんかったら、、」と聞いていたお父さんと子供まで回って来ました。「よかったね〜」と喜ぶ、その子の顔、、、どっかで、、、???

 

あ〜っ!この親子さんは、J2リーグ優勝のかかったセレッソ大阪戦、広島市内で行われたパブリックビューイングの整理券列で私のすぐ後ろに待っていたあの方々!!!

なんか、この瞬間、私は「盛田ラーメン」整理券貰ったああああっと確信しました。

 

親子の次の若い男性、その次のカップル、、、「はい、どうぞ、はい、はい、どうぞ」

ちょうど、カジノのディーラーのような手つきで、2枚、1枚、とさばいておられるスタッフさん。

 

「はい、どうぞ」

 

私の手に2枚の整理券が渡された時、その反対の手には残り4枚だったと思います。

ギリセーフ。ビリヤードの玉のように列から飛び出すと、背後で「はい、はい、はいっ、、終了、、、です。」

 

その瞬間、どよめきともため息とも取れない声が列から上がり、、、

しばらく、皆さん、思い切れないように立っておられましたが、次第に列が緩まってゆきました。

 

安堵と気疲れでぼーっとしていると、視界の隅を動くものが、、、

気がつくと案内と書かれたテントから、列が始まっていました。イベントで選手と一緒に遊んだり、運動会参加するための抽選券のようです。これも、盛田ラーメンと同様11時から配布らしく、既に列が動き始めていたのです。

 

「わわわ〜、◯◯!あれ、あれ並ばんと!」

「なん?」

「だって、あれもらわんとイベント出られないんだってよ」

「マジ、出る気?」

んま〜、そんな目ン玉ひんむいて見るほどのこと?なに?その「白い目」は。

 

「貰ったって、出られるわけじゃないんだよ。貰って抽選に当たった人だけがでられるんだよ。だいたいね〜、くじ運のない私がそんなん当たる訳ないじゃん。でも、あの券貰わないと最後の選手会からのプレゼントの抽選資格がないんだよ。あんた、くじ運良いから何かお宝グッズ当たるかもよ。この間の福引きだって家族で一番いいの当たったし。きっと、サイン入りスパイクとかだよ。」

 

サイン入りスパイク、と聞いてちょっと表情が緩んだ気がします。いつも安物ばかり履いていますから、選手の履くようなスパイクってどんなんだろうと思うのは当然です。

 

しかし、、、、これは、凄い長蛇です。ビッグアーチ横の球技場前から始まって坂を下り、メインエントランス前の並木まで続いています。あそこまで降りて行って、また上ると、

たとえ抽選に当たっても(←既にその気)

選手と一緒に飛んだり走ったりなんて(誰がそんなことをしろと言ったの?)

できそうもありません(←って、やる気満々じゃん)

 

「◯◯ちゃ〜ん」

 

おや、長蛇の三分の一辺りからうちの子の名を呼ぶ可愛い声が、、、なんと、さきほど「サンフレッチェ湯のみ」列で仲良くなった心がけの良いご家族五人組。子供が手なづけた3人兄弟がくりくり坊主の頭を並べてニコニコこっちに手を振っています。近寄ってみると、お父さん、お母さん(どう見ても私より一回りは若い)が、どうぞどうぞと場所を空けてくれます。

 

「いえ、そんな、せっかく並んでおられるのに悪いですよ。後ろの方もいらっしゃるし、、、」

 

「いいえ、いいえ、どうぞどうぞ、この辺皆、私んところの連れなんです。」

 

えええ〜?指し示された方々も皆ニコニコ。しかし、連れと言っても軽く4、5家族20数名のご一団様です。その全員が、皆、ニコニコ「どうぞどうぞ」

これを断って最終尾に並ぶのも、結構勇気が、、、20数人を敵にまわすようで、、、、

 

お言葉に甘えてしまいました。この抽選券は、他の限定ものとちがって、来場者全員に配布されるのもあって、そこかしこでお友達の輪がくっついたり離れたりしてました。まあ、そのくらい、広島って狭い田舎なんでしょうね。特にサッカー関係者は縦も横も連携強いですから、、、どうやら、このご一団さんもご長男君のサッカークラブつながりらしい、、、

 

列もどんどん動いています。後で聞くと全部で3000人くらい来られていたようです。あっという間に私たちの番が来て、ゲームラリーでスタンプを押してもらう欄の他に抽選番号二つ書いてある紙を頂きました。見るからに、当たりそうにない番号、、、、がっくり。

 

一団の皆さんにお礼を言って、さて、どうするかと考えます。球技場の前にはもうよい座席を取ろうと思う皆さんの列が出来ている模様です。貰った紙にあるスケジュールを見ると、13時から開会セレモニー、13時半からイベント開始、となっています。どうせ、選手と一緒に、なんてヤツには当たりっこないんだから、セレモニーくらい最初から見たいよね〜。ラーメンは11時から配った整理券を元に、12時から購入可能だそうです。

 

「ラーメン食べてから入ろうや」

もとより、朝ご飯の後はチヂミしか食べていない子供に異論のあろうはずもなく、無言です。(了解のときは無言、それ以外には大抵「二語語」をしゃべる子供です。)

 

すでに、ラーメンテントの前にはシートが2枚貼られ、その後に眼鏡をかけた女性が立って待っておられました。その後ろに並ばせてもらって、ふ〜。

何となく、その女性と目が合います。にこ。とりあえず、親だけでも世間様に愛想よくしとかなきゃ。

そのときちょうど、ぎりぎりのところでバランスを取っていた黒雲からバラバラバラっと大粒の雨が、、、続けて振る訳ではなく、ばらばら、、、し〜ん、、、、、、、ばら、、、ばらばらばら、、、みたいな変な降り方。サンフレッチェレインポンチョを出そうか出すまいか、リュックの中を覗き込みます。出すと入れるのが面倒だしな〜。も少し頑張るか〜、と前を向き直った時、

 

その女性が着ていらっしゃるパーカーが目に留まりました。

胸に燦然と紫のエンブレム。おお、これは、さっきグッズショップに売っていたアレ!

あそこのハンガーにかけてあったら、地味〜でしたが、この女性が着られるとなんかおしゃれ!!

 

私の視線に気がついた彼女は

「これ、さっき、買ったんですよ。あそこで」

「私も見ました〜。着ておられるとかっこいいですね。かかってるときはたいしたことないと思ったけど。」

「私のじゃないんです。旦那のだから大っきくて。」

確かに、小柄な彼女には裾も腰をすっぽり隠すほど。

「Lですか?」

「XLなんですよ。うちの、でかいんで。ほら、あそこ」

指し示された方を見ると、ああ、確かに。中学生くらいの男の子達とボールで遊んでいる恰幅のよい男性が、、、

 

「いいですね〜」

「そう、ちょっと耐水だし」

「ええ?耐水なんですか?」 

「多分。それに、安いでしょ、今日。3割引きだから3000いくらだったよ。」

 

えっ!あ、そうか、定価が5800円くらいだったと思うけど、ええ〜そうか、3割引だと3000円台なんだ(←割引という言葉に過敏な割に計算が弱い人間)

 

「私も買って来ようかなあ、、、」

 

彼女はニコニコうなづいてくれました。心強〜い!

 

「今何時ですかね。ラーメン、12時からですよね」時計を見ると、12時5分前。ラーメン買ってから、ドンブリ持って買いに行く訳にはいかないしなあ、、、

 

子供に「あんた、買って来て」

「なに」

「この、ジャケットよ〜」

「やだ」

「なんで」

「やだから」

 

ん、まあ〜っかわいくないっ!!

 

 

「良いですよ」

「は?」

「ここ、順番見ときますから、いってらっしゃい」

 

ええ〜、そんなによくしてもらっていいのかしら。

 

「どうぞ、どうぞ、大丈夫ですよ」

 

お言葉に甘えて、行っちゃいました、お財布の紐緩めに。締めるのは大変だけど緩めるのは全然簡単なんですね〜。包んでもらって、ラーメン列に戻るまで5分もかかりませんでした。

 

「どーも、ほんとに、ありがとうございました。無事買えちゃいました〜」

「いえいえ。全然大丈夫でしたよ。よかったですね。これでペアですね、旦那同士」

 

あ?いや、ええ、ああ、そうですね。

 

なんだか、サンフレッチェファンの方って心がけがよい方ばかりで、私なんかがサポ気取っていてはいけない気がして参りました、とほほ。

 

ということで、この長々続いたこの日記のタイトルは

「もつべきものは、、、、シートとほんのちょっとの隣人愛と、、、、

 

と?

 

と??

 

とうとう、歓喜のクライマックスシリーズへと続く、(ええ〜!まだやる気〜??)

 

 

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じゃ〜ん!謎めいた物体の答えはこれで〜す。サンフレパーカー!

 



背中の切替の中にチャックが隠してあって、折り畳んでくルットひっくり返すと、、


こうなっちゃうんで〜す。





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