お上りさんが行く! 前半

  • mw
    2008年11月07日 02:52 visibility74


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や〜、つかれました。遊び歩いたツケを払ったここ二日間。

 

やはり「ご利用は計画的に」ですね。

 

ま、傍目には遊んでるように見えたかもしれませんが、本人は全く遊んでいたつもりはないんですよ、今回の関東ツアー(反省したと見せかけて、いきなり開き直る)

J1昇格を決めたものの、一体全体、本当に皆がいうほど「J2ダントツ」「実力はJ1」のサンフレッチェなのか、ちゃんとこの目でみておかないと、心配で田舎でのんびり隠居することも出来ませんから、、、

 

飛行機も朝早い便だと新幹線より早いことを知り、5時起きで出かけました。早朝の広島空港ですが、羽田行きの搭乗待ちの中にはぽつりぽつりと紫な方が、、、お上りさんの私、俄然心強くなっちゃいます。それどころか、下りるとき後ろの列の方から「サンフレッチェですか?」と声をかけられてしまいました。

 

えっ!どうしてわかったの?なんにも紫のものは身につけてないのに。

 

顔に「心配でいても立ってもいられないので、西が丘に向かってます」って書いてあります?

(後で気がつきましたが、私はサンフレッチェのロゴの入った帽子を被っていました。機内もず〜っと、、、。舞い上がってるとしか言いようがありません)

 

その男性は私のどよめきを軽くスルーして

「勝ちたいですねえ」

「そうですねえ。今週の練習もかなり気合い入っていたみたいですから(と、とりあえず携帯サイトの受け売りを口にしてみる私)」

「気合い入りすぎて、空回りせんかな〜、ははは。」(あっ!そんな!私の最も心配してることをさらっと言っちゃって、、、)

 

「ま、勝って帰りましょう!」

 

ほんとです〜。ああ、緊張して来た。

 

天皇杯の試合は「食べ物」があるかどうか分からないから、途中の駅で昼ご飯を仕入れて行きます。こういう時は当然(?)カツ!チームの心臓、森崎和幸選手にちなんで「和幸」(読み方違うけどね)のヒレカツ弁当です。勝利をこの手に、この胃袋に!

 

 

サンフレッチェは、予想通り今季の基本形です。

−−−寿人−−−−

−−柏木−−浩司−−

服部−−−−−−−李

−−カズ−−青山−−

槙野−ストヤノフ−森脇

−−−−昭大−−−−

 

試合が開始しました。中盤の攻防、やはり、J2でのように自由にパス交換、速いパス回しというわけにはいきません。寄せも早く,今まで持てていたボールを奪われ,今まで通ったパスが通らない、、、西が丘は噂に聞いた通り,スタンドとピッチが大変近いので、選手の「あ!」「え?」っていう空気が伝わってくる気がしました。

 

や〜ん、やっぱり、うちの僕ちゃんたちまだまだ修行が足りなかったかな〜と思ってハラハラしてました。

 

J1の早さ、そして個の強さの前に「しゅん太郎」になってしまったら、「ダントツ一位って言ったって所詮J2」って言われちゃう。そんな恥ずかしい真似はともに闘って来たJ2の皆様方の為にも絶対許せません。そんな子はうちの子じゃないから、いくら帰って来たって家にはいれません!!!

と、一人息巻いてるうちに少しずつボールが回るようになって来ました。とにかく、皆、走ってスペースを作ろうとしています。ただ、ヴェルディの皆さんも「絶対にお前には負けない」って感じです。これが1対1の強さということなんでしょうか。サンフレッチェも怯まず、あきらめず、アタックを続けますが肝心なところでボールが足につきません。何故?

 

例えば、左の服部選手、ラインアウトかと思われるようなボールを残し、その深いところからクロスをあげる、、、、

 

けど、そのラストパスの精度がイマイチ。

 

2シャドウの片割れ、柏木選手、華麗な足技で相手を2人も3人も引きつけておいて、出したパスが、

 

え〜?何故?

 

そこまでやって、そこまでいって、、それはないよ〜って感じなんです。

 

もちろん,サンフレッチェはチームとして一人一人が「自分たちのサッカー」を目指していたし、時間が進むにつれ、自分たちの形を作ることができていました。なので,余計に、、、、

 

何故、そこでそうなる?そこまで切り開いて、そこまで展開して、、、

 

一番大事なところで、何で、普通に出来ないの〜?

(朝の飛行機での会話が頭に浮かびます、、、、あの方もこのスタジアムのどこかで同じことを思っておられる気がするよ〜汗) 

 

そうはいっても,ヴェルディさんもどんなに強く出ても、ひるまないサンフレッチェのサッカーにかなりイライラ来てます。このまま、続けていればサンフレッチェの肩の力が抜けた瞬間に点が入るだろう、1点が入ったら随分楽になる、、、前半で一点欲しいよ〜と喉から手が出そうになる頃、

 

 

 

ディエゴ!イリアン!!ぎゃあ!!

 

イリアン(ストヤノフ)が先になんか言ったんです。GK佐藤昭からのスローが中途半端になってしまったところを見逃さずディエゴがカットしようと体を入れたことに対して、何か言ってしまったのはイリアンなんですが、、、

 

ディエゴが絶妙の胸トラップを。

 

だけど、ボールじゃなくてイリアンに。

 

わ〜、乱闘?

 

西が丘って、プロレス観戦には最高かも。スタンドの柵低いし、乱入しやすそう、、、

 

 

って、当然、乱闘にはなりません。うちとこで最もナイスバテーなボランチ青山敏弘が胸板を張ってイリアンを守りました。

 

 

ディエゴ退場で後半のヴェルディはいきなり「チーム」になりました。

 

「引いて守ってカウンター」

 

それだけを、しかし,徹底的にやってました。

 

かたや,サンフレッチェは相手が一人減ってからどんどん打つ手がなくなって行くんです。ここを自力で打開する力、アイディアがないとJ1ではやっぱり苦しい気がします。

 

後半は20分過ぎまでこれといった打開策もなくすぎました。ミドルシュートを打った後、左DF槙野が足をつらせて高萩と交替。森崎和が左SBに下がります。高萩は森崎浩、柏木と3人で流動的に2列目から2列目半という感じでした。高萩が入ったことによって少しリズムが変わるかな、と思っていた30分過ぎ、森崎浩がセンターラインから少しあがったあたりでミドルシュート。キーパーにはじかれます。

その直後、つま先を触っているようだったので、うわ、まさか、と思ったら案の定、ベンチに交替を促すように手で合図しています。

 

後半開始から皆アップしていましたが,やはり,浩司の交替までには数分かかりました。その間にほぼワンボランチ状態だった青山も足がつったらしく、先に、青山→楽山、その後、浩司→高柳と交替します。楽山が右サイドに入り、リハンジェが下がって高柳とボランチに入る形のようです。

 

その後40分を過ぎてからも服部からのクロスに高萩がヘッド、とか天皇杯4回戦でもゴールを決めた森脇のミドルなど、攻めはするものの、今ひとつ、怖さがたりません。

 

うわ、延長か、、、飛ばして来たサンフレッチェに延長は厳しいかも、

 

スタジアムの紫の皆さんは,皆同じ想いだったのでしょう。コール以外にも悲鳴に似た様々な叫びがあがっていました。

 

楽山選手は今季途中で千葉からレンタルしている選手です。リハンジェ選手に変わって右サイドで途中交替出場することが多く、右からのFKもよく蹴っています。BAではバックスタンドに座る私には、右から蹴る楽山は横からしか見えません。遠いから顔は見えなくて、あの黒々としたロンゲと、あんまり力入れて蹴っていないみたいなのにヒュ〜ッとあがるクロスのイメージ。なのでボールを受けた楽山選手の端正な顔立ちを斜め正面から観て、何か不思議、と思っているその一瞬、ボールを見逃しました。

 

クロスがあがって来ると思っていたので、「えっ?」と思った瞬間、ものすごい早い小さいモーションで蹴ったボールはヴェルディ、サンフレッチェの選手が入り交じっているエリア内を這う早いグラウンダー。次の瞬間には斜めに角度なく入って来たボールで左サイドネットが引っ張られたようになっている、、、?は、、、入った?入った、入ったあああああ〜〜〜〜!!

 

誰だった?エリア内には一杯人がいたし、目線が上から下へ動く分、1テンポずつ遅れた私には誰が蹴ったか分かりませんでした。皆がゴール右方向のスタンドへ走ってる、迎えるサポさんと抱き合ってる、あれは

 

高柳一誠!

 

ばたばたした交替で付け刃と思ったサポもいらしたかもしれません。しかし、高柳選手は私が吉田に練習を見に行くときも、ビッグアーチの前日練習でも、必ず最後まで練習をしている選手の一人です。気合いが入っている分(多分)何となく浮き足立っていたサンフレッチェの窮地を救ったのが、どんな時でも、繰り返し同じ練習を続けていた彼だったこと、私は、やっぱり、ピッチにはサッカーの神様がいる!と思わずにいられませんでした。

 

そして、予告編でもお知らせしましたが、この試合、うちの監督の先生でもあるオシム元代表監督がお越しでした。決勝点をアシストした楽山選手はジェフ時代のオシム監督子飼いの選手だったと聞きました。オシム監督の前で、今季初アシストを決めた気持ちはどれほどだったでしょう。

 

ロスタイムは4分でした。

 

うちの監督もベンチから出て叫んでいるのを5分に一回くらいは審判にチェック入れられていましたが、その三分の一くらいの頻度で同様に下がるよういわれていた柱谷監督は後半終了間際に船越選手を投入されました。

 

西が丘で観る船越選手はジャイアント馬場どころの騒ぎではありませんでした。

 

うちは高さで勝負出来る盛田選手を怪我で欠き、ヘッドが得意な槙野選手も交替、

180cmを越えるのはストヤノフと、自ら『ヘディングは余り得意でない』という高萩選手くらいです。

 

最後のセットプレ−、この1プレ−さえ凌げば、、、、

 

 

ホイッスルが鳴ったとき、私は酸欠で倒れるかと思うくらい叫んでいました。

 

とにもかくにも勝ちました。

 

 

お友達の旦那様は声変わりした私を「大丈夫?帰れる?」と心配して下さいました。

 

私はどうしてもサンフレッチェにこの試合を勝ってほしかったんです。J2優勝のサンフレッチェが簡単にJ1に負けてしまったら、世の中の人達はやっぱりJ2のレベルは、って思うでしょう。この一年、ともに闘ったJ2の皆様の為にも、絶対に「J2リーグ1位のサンフレッチェ」としてこの試合を勝たないといけない、それが1位の責任だと思っていました。

 

そして、確かめたかったこともよく分かりました。技術云々というところでの差はないかもしれませんが、サンフレッチェはまだまだJ1.5のチームです。

私なんかよりもきっと、選手はそれを感じていたでしょう。そのことが彼らをもっと強くたくましくしてくれますように。

 

駅に人待ち顔の紫ユニの若い男性がいました。バスの中でも一緒になりました。駅では友達を待っていたらしく、バスの中では3人連れになってました。紫ユニの人だけがサンフレファンで後の二人はサッカー観戦について来ただけのようでした。紫ユニの人がテンパっていてそれを他の二人がからかっていたようです。

 

「本当に楽しみ。(キックオフが)もうすぐだと思うと嬉しくて」

  

J2に降格して、観戦する機会が減ってしまった関東サポの皆さんがたの気持ちを代弁しているような一言だと思いました。降格は私たちのサポートが足りなかったせいかもしれないと、地元サポの一人としてずっと申し訳なく思っていました。ようやく皆が待っている表舞台にもどれたのかな、とちょっと肩の荷が下りた気がします。

 

5回戦は肩の荷を降ろして、肩の力が抜いた「普段着のサンフレッチェ」で闘えますように。

 

そうして、自分たちの力を見極めつつ、次の目標をはっきりと見据えることが出来ますように。

 

私の次なる目標は、、、

5回戦の相手を見据えることです(笑)

 

後半戦へ続く 

 

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入場前


終了後挨拶


お喜びの紫の方々


決勝ゴールを決めた高柳一誠選手、アップ中







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