真理をついてるんだけどな。

  • DIME
    2008年03月29日 10:10 visibility256

星野代表監督の発言。

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★星野代表監督「だから野球は面白いんや」

北京五輪の野球日本代表・星野仙一監督(61)が、ヤクルト−巨人戦をフジテレビの中継で解説した。下馬評を覆す結果に「だから野球は面白いんや。ヤクルトの選手がスキを突いて走れるところを見せた。相手を慌てさせ、足でおびえさせる(こと)をアピールしたね。(広くなった)新球場を生かした野球や」。試合後はクラブハウスを訪れ、明大の1年先輩、高田監督とガッチリ握手。代表候補の宮本、青木らにも声をかけていた。
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そう、「だから面白い」んだよね、野球ってのは。
他のスポーツと比べたときに、戦力差がそのまま勝敗に結びつく確率が異常に低い。
だったら、「戦力均衡」っていうのはその面白さを減じさせるって事に何故気付かない?
巨人が、これだけ「強くなる努力」をした結果として、そういう「面白さ」が生まれる状況を作ることができたんでしょ。

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本当は一々試合について書くつもりはないんですけど、あまりにも解説が必要な事が多すぎたんでまぁサービスって事で。
別にこういう細かいこと勉強してないわけでもないんで、語れと言われれば人並み程度には語れるんですが、根本的にそういうミクロの重要性が微妙なんで面倒に思えちゃうんですよねぇ。

まず上記の星野氏(そして他の解説者も)の言う、巨人を慌てるとか怯えさせるとか言うのは間違ってます、別に巨人が守備のために選手を変えたわけでもないし、何も変わってない。
スポーツニッポンでそれぞれのシーンを抜き出していた記事があったので拝借。

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シーン(1) 2回2死一、三塁。田中の左前打で一走・川島慶が迷わず三塁へ。「そのためにシートノックも見ているし、弱いところを突いていかないと」と川島慶。
シーン(2) 4回2死二塁。田中が左翼線寄りの当たりで一気に二塁へ。「走らせれば向こうも慌てるからね」と馬場三塁コーチ。
シーン(3) 5回2死二塁。宮本が二塁から浅い左前打で一気に生還。「一緒にやっていた時もいつもグルグル回されていたしね」と宮本。
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これらの中で、本当にラミレスの守備に問題があったのは(2)だけです。
一気に二塁に走られたのは、ラミレスが本塁への返球をカットマンがカットできるような軌道で投げなかった、そこは明らかに彼のミスです、ここは基本中の基本、弁解の余地はないですね。ただし、状況として事前にチーム側から「次の1点」を優先するように指示が出ていた可能性があります、この場合はカットできる球であるよりも本塁への送球が優先されますのでミスではないです、私が思うにこの段階でそういう指示が出ていたとは思いませんが。
その他の(1)と(3)、それにもう1つ付け加えるとすれば(3)の直前、宮本の二塁打もですが、この3つは新人工芝への対応が遅れていることが本当の問題ですね。
あの位置に球が落ちて、あれだけ球の勢いが死ぬとなると、あのラミレスの守備位置(去年までと同じ位置だったと推測されます)ではそれぞれ進塁されて当然でしょう、谷佳知でも進塁されてただろうし、守備固めの選手であろうとも進塁されてた。
だからあれの対策をするのであれば、守備位置の微調整がその正しい対策、結局新球場に慣れていたホームチームと、慣れていなかったロードチームの差が出たって事でしょう、何度かはそれで許されますけどそれが続くようなら問題ですよ、巨人も。

あと、(3)の場面、確か打者走者の飯原が三塁まで行っている筈です。これは本塁への返球が逸れたにも関わらず越智がバックアップをできなかった事によるミスです、中継でも触れていたと思いますが。この時も送球がカットできるようなものではなかったのですが、ここは間違いなく「次の1点」を優先するべき状況ですのでその点の問題はないです。
だから全部で5つはあったんですよね、相手の走塁に関するミスが。このうち本当の意味でミスといえるのは2つ、(2)と越智のは弁解の余地はないです、すぐに修正されてなければいけません。
しかし他の3つは実際のところは安易にミスと断定してはいけない、そちらへの対応が結果的に他との整合性を崩す恐れがあります。その他3つは球場特性を把握してある程度諦めるか、逆に左中間を諦めるかしかないですね。
確か木村拓也のかな、左中間のあたりを飯原が追いつけなかったでしょう、最後ちょっとトンネル気味でしたけど。あの打球速度と飯原の足であれぐらいになるって事は守備位置が通常とは違ってるはず、野球中継は大事なところを映してくれないので断言できませんけど。
ちなみに守備のミスって拡げればもうちょっとあったはず、坂本とか。こっちは面倒なんで触れません。

ただ、こうやって書いてきましたけどこの5つのミスにしても前々から言っているとおり、そのミスだけが失点の要因であるかと言えば決してそうではありません。
例えば越智のミスに関してはその後を抑えたので失点していないわけですし。逆に言えばこの5つ(以外にも坂本のあれこれとか)がなかったとしても失点していなかったと言えばそうでない可能性も十分あったわけです。
そういう点で結局これらの1つ1つの要因は、「運が悪い」で終わらせてしまって、下手にそこを追い求めるよりももっと勝敗に関わる影響の多い要因を気にしていた方が長期的に見て勝てるんですよね、星野代表監督も似たようなことを言っていましたが。
巨人にとって一番間違っているのは、この1試合のことだけで「自分たちのスタイル」を見失ってしまうこと、間違った方向に軌道修正してしまうことです、こういう負けはシーズンを通した中で当然発生する負けの1つだと思っていればいい、運が悪かっただけですから。

いずれにしても、ホームの利を差し引いたとしても、ヤクルトの走塁が見事だったと言うのも確か、これは単純に相手を褒めなければいけないでしょう。これだけ見事に「色」を付けてきたのはヤクルトの底力ですかね。
個人的にいえば、川島だけは必ず抑えておいて欲しいと思ったのだけど、完全に抑え切れなかったのは残念。
若くして移籍して抜擢された、そういう選手は最初に叩き潰せるか潰せないかで後が変わってくると思うんでね、残り2試合は負けたとしても彼は潰しておいて欲しい。

あ、走塁ついでに、言おう言おうと思っていたことを思い出した。
この話が出てからずっと気になっていたんだけれど、三塁コーチャーが緒方コーチってのは大丈夫なんだろうか。
2軍でずっと見てきた人間として言わせてもらえれば、「三塁コーチャー、下手」って思ったのは一度や二度ではないです、結構な回数あった覚えがあります。
伊原コーチの教えを緒方コーチがどれだけモノにしたのかはわからないし、伊原氏の次を担うコーチも育てなければ行けないのは重々承知しているんですが、その人選は緒方コーチでよかったのでしょうかねえ。
まぁ杞憂であることを、緒方コーチが伊原コーチの元で成長していることを願いますけど。
まぁ注目して置いてください、たぶんどっかで三塁コーチャーの差がクローズアップされる試合が出てくるでしょう。

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巨人に関して他に言うとなれば、継投策についてかな。
開幕戦と言う事で、捨てるべき試合となっても捨てきれずにしがみついてしまうっていうのは良くあることなのですが、それをしなかったのが好印象です。
越智大祐をロングリリーフとして使ったのがまず、いいですね。何度も書いている通りそこは先発に準じる役割だと思っています。去年はそこにベテランの野口茂樹を配していてそれに疑問を呈しましたが、今年は越智がやっている。
順番からすれば今年もベテランの門倉健が順当ではあったと思います、しかしそこで門倉とせずに若手にやらせた、これは去年から改善されているといっていいと思います。ベテランも若手も使っていい枠と、ベテランにやらせるべき枠と、若手にやらせるべき枠と、これの区別は大事です、野手の方でも。
で、その越智の守備のミスですが、たぶんいっぱいいっぱいだったんでしょうね、見ててわかるぐらい緊張していましたし(笑)。
山口鉄也が良かったので安心しました、1、2球危ない球(外狙って内に入ってしまう変化球)がありましたけど全体的に制球も安定していて球速も出ていた、プレシーズンゲームで良くなかったのでちょっと心配していましたが良かったです。
あと、あのタイミングで西村健太朗をマウンドにあげたと言う事は、勝ち試合の中継ぎはとりあえず、吉武真太郎、豊田清、クルーンって事ですかね、西村はその次と。オープン戦の結果などを見る限りこれも順当だと思います、西村もあれだけ投げられるのであれば負け試合で練習させていくのにも否やはないです。

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あと、ラミレスのブーイング、正直そんなものが発生するとは全く思ってなかったのでびっくりしました。
フジテレビがあぁいう盛り上げ方をするのはわかっていたんですが。
なんですかね、日本人ってのは契約が満了しようとも相手が望むのであれば安い賃金で労働をするべきだとか思ってる人が多いんですかねえ、正直まったく意味がわかりません。
これが、ラミレスの契約期間がまだ残っていたのを奪ってきたとか言うのであればわかるんだけどなぁ、でもそういう事って残念ながらできないしねえ。
いらぬお節介をかかせて頂くなら、ブーイングするべきは、ヤクルトの編成部でしょ?それを見誤っている限りは、外国人選手にしても「ヤクルトは居心地が悪い」って思われ続けるままだと思うなぁ、何故いなくなるのかを正確に見据えられないと正しい対策もできない、だからいつまでたっても改善されない、悪循環だよ。
ま、あんまり失礼になるかもしれないからこの辺でやめておくけど。

フジテレビにしても、結局は放送コンテンツとして視聴率さえ取れればいいと思っているのが見えてるのがどうもなぁ。
負の感情というのは人を惹きつけやすいので、ただ耳目を集める為には非常に有効ではあるのですけど、ただそれは諸刃の剣であって、プロ野球そのものに対するイメージとそういう負のイメージが結びつくことで全体の魅力の低下にもつながりやすい。
結局フジテレビとしては「プロ野球」というコンテンツそのものにどれだけ傷がつこうとも次(MLB)があると思ってるって事でしょうねえ、MLBツアーのプレゼントなんてのも皮肉かと思いましたよ(笑)

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