三浦貴の評価と巨人の現状

一つ書き忘れていたのでずらしました、評価押してくれ方すみません。
ちょっと一足遅いですが、福地を出さざるを得なかった西武が三浦貴を獲得したそうですね。あぁでも昨日恒例の某番組を流していたからある意味タイミングよいのか？

これについて、「そんなことするぐらいなら最初から福地をプロテクトしてろよ」とかいう声もあるようですが、私は逆にその場合は三浦という選択肢もあるところまで考えて福地を外していたのではないかなと思います。２８人枠ってのはほんとに狭いですから。

で、その三浦貴ですが、渡辺監督のコメントとしてこんなものが報道されていました。

***************************************
西武、元巨人・三浦貴を獲得 　
西武が今オフ、巨人を自由契約となった三浦貴外野手（２９）を獲得することが２８日、分かった。和田がＦＡで中日、福地がＦＡの石井一獲得の人的補償としてヤクルトに移籍するなど、外野手が流出したことを受けての補強となった。
２軍監督時代、イースタンリーグで対戦した三浦のプレーを見ていた渡辺監督は「打つのは弱いけど、走って、投げて、守るのは平均以上。戦力になると思う」と期待を寄せた。
三浦は埼玉・浦和学院高出身で、高校時代に同級生だった石井義と再びチームメートになる。年明けにも正式に契約する模様だ。
（2007年12月29日06時00分  スポーツ報知）
***************************************

この評には巨人の現状、実像が透けていると思います。

まず、三浦貴については、だいたい、この通りの評価だと思います、実際は。
でもね、この三浦貴が今年の２軍ではずっと４番だったんです、ある程度育成の意向も込みでしょうが、それと同時にかといって三浦から４番を奪えるほどの何か、特に長打力に関してのそれを見せるほどの選手もいなかったというのもまた事実です。
三浦を４番にすることが決して間違っていた、見立てが違っていたとは思いません。
ま、坂本勇人と田中大二郎に関しては別に意図があったので４番に回ることはなかったとしても、それ以外の中堅どころの選手たちの中に三浦を超えるぐらいの４番としてのスケールを持った選手がいないんですよね、強いてあげれば開幕当初４番だった梅田浩か昨年まで４番が多かった吉川元浩ぐらいでしょうか。
１軍半の選手で言えば、亀井義行、小田嶋正邦あたりの名前が上がるぐらいです。

つまり、他球団の関係者の冷静な目から評価されたら、“打つのは弱い”と評されるような選手が、もっともスタメンの４番が多かった、それが今の巨人の２軍の実態です。

何度も書いている通り、こうなった原因は育成が下手だとかいう以前に、そもそも一昨年までの５年間のドラフトで投手偏重のドラフトだったために、手札がないのが原因、批判するなら育成ではなく指名方針です。
まぁそれもここ２年のドラフトで改善の傾向は見せています、その傾向を崩さず、順当に育ってさえくれればしばらくすればよくなってくるでしょう。
ただし、来年、再来年、再々来年ぐらいまでを考えた場合には、その対策はほとんど効果を発揮することが出来ないでしょう。運がよければ１人か２人ぐらい出てくるかもしれませんが、前にも書いたとおり高卒野手は最低５年ぐらいは見ておきたい。

そういう意味で今の巨人って言うのは野手層が薄い、張りぼての野手層でどれだけ表面がよくてもその裏はスカスカだっていうのが実態です。
それをわかっていれば、今年もっとも得点能力があったチームだとしても、それを理由にして野手の強化をしなくても問題ないといえるようなチーム状態ではないと判断できます。
で、その対処をするにしても育てていくという手法で結果を出すには数年かかる、そう考えれば少なくとも「ここ２，３年」を乗り切るための短期的な補強、即戦力の補強が今の巨人には必要なんです。昔と同じように何の成長もなく場当たり的な補強をしているという見立ては大間違いで、今の状況を冷静に判断すれば短期を見た補強が上策だという結論が導かれて当然なんです。
今の状況から、更にまだ補強するのかっていう時点で巨人がしっかり見えていないんですよ。巨人の“今の状況”って言うのは表面的な内容ほど安心できるものではない。
「また巨人は昔のような場当たり的な補強か、昔に戻っているのか」っていうのも全く事実が見えて無いんですね、現在の状況はその「場当たり的な」モノが必要な状況なのですから。結果だけを見ていてその結果が導かれるための道程が見えていない。

それがこの渡辺監督の三浦評からも伺えます。

-------------------------------------
人気blogランキング＞[Category:野球]
-------------------------------------