決勝戦を振り返る…(甲子園15日目)

 第91回全国高校野球選手権大会は、愛知県代表中京大中京が43年ぶり7回目の頂点に立った。


 仕事で直接はあまり見れなかったが、何と凄い試合だったのか…


 よく最後まで試合を諦めない、とは言うが、日本文理のこの打線には、『諦め』とかそういう問題ではなく、ただただ打つ、という逆目線で考えると『シンプル』な攻撃を見せてくれた。


 ではこの激戦の決勝戦を振り返ってみよう…



決勝戦

日本文理(新潟)−中京大中京(愛知)


日本文理
0:0
 :
中京大中京

 まずは1回裏、中京大中京の攻撃から。

 1番山中選手がセンター前ヒット、2番国友選手送って、3番河合選手はフライで倒れ、2アウトランナー2塁。

 ここで4番でエースの堂林選手が打席に。彼のバッティングの特徴は左手をうまくたたむ。それであの飛距離だからかなり遠くへ飛ばすテクニックを持っている。

 話は変わるが、先日ソフトバンク−西武の試合を観戦した。西武4番中村選手の遠くへ飛ばす技術は芸術品である。

 打った瞬間ボールが『ス〜〜〜〜ッ』と浮き上がるのだ。レフトの頭を越えてからやっとボールが落ちてくる。

 あれはボールの下側を叩き、バックスピンを強くかけた打球でないとあんなボールの軌道はしない。

 ほんとに驚いた…そんな技術を堂林選手も持っているのか?

 話がそれたが、1−3からの5球目、高めに浮いたスライダー(私はカーブではないかと思うが…)を右中間にツーランホームラン。

 あの当たりでホームランなのだから先に挙げたテクニックを彼は持っているようだ。


日本文理
0 :0
2 :2
中京大中京

 日本文理の2回表、4番吉田選手が2塁打を放った後、5番当たっている高橋義人選手が高めに浮いたカットボールを見事に右中間へ2塁打。

 高橋義人選手はうまく後方へ重心を乗せて打てるバッター。阪神の鳥谷選手、西武の栗山選手を彷彿させる。

 これで1点差。


日本文理
01 :1
20 :2
中京大中京

 3回表、2アウトランナーなしからの2球目。今度は低めに決まったかと見えた127キロのカットボール…これを日本文理2番高橋隼之介選手が巧くすくう。

 ボールはレフトスタンド前列へ…これで同点。


日本文理
01100:2
2000 :2
中京大中京

 5回裏中京大中京の攻撃。ノーアウト2・3塁のチャンスに5番磯村選手空振り三振。6番伊藤選手も空振り三振。7番柴田選手をショートゴロと日本文理の伊藤投手が粘りの投球をみせる。


日本文理
011000:2
20000 :2
中京大中京

 6回裏、中京大中京はまたもやチャンス、2アウト満塁から1打席目ホームランの4番堂林選手。

 ここで堂林選手は2球目のど真ん中に入ってきたスライダーをこれまたうまく左腕をたたみながらレフト前へ。2点追加して4−2。

 その後も7番柴田選手が5回の凡退を挽回するレフトオーバーの2塁打。走者一掃で7−2とする。


日本文理
01100011 :4
20000620 :10
中京大中京

 10−4中京大中京リードで迎えた9回裏。ここから壮絶な攻撃が始まる。

 2アウトランナー無し。スタンドを見守る誰もが、もう中京大中京の優勝を確実視していただろう…

 まずは1番切手選手が四球。盗塁成功で2番高橋隼之介選手が2塁打で1点返す。10−5。

 続く3番武石選手はこの日ノーヒット。ファールで粘った7球目低めのスライダーをうまくライト線へ…1点追加の3塁打。10−6。

 しかしまだ続くとは…

 4番吉田選手は四球、5番高橋義人選手は粘って8球目を四球。

 2アウト満塁で6番ここまで1人で投げ抜いた伊藤選手。代わった森本投手が投じた136キロのストレートをレフト前へ…

 10−8…2点差…しかも2アウトながらランナー1・2塁。1塁ランナー伊藤選手が帰れば同点のチャンス…しかし1つでもアウトになればその場で試合終了、この夏は終わるのである…

 打席には7番代打の石塚選手。森本投手は初球をカーブでストライクを取りにいった。初球は見てくると読んだのか…

 しかし日本文打線はアウトで終わり、なんて思っていない。ただ来た球を打つだけ…

 石塚選手はその甘い94キロの真ん中に入ってきたカーブをジャストミート。レフト前に1点差となるタイムリーヒットを放つ…

 10−9、どうなっているのか?この日本文理打線は…これぞマシンガン…

 打席には若林選手。マウンドの森本投手は石塚選手にカーブを打たれたからか、今度はストレートで押す。

 2球続けたストレート、その2球目若林選手はジャストミート!!!同点か…と思った瞬間、打球はサード河合選手のグローブに…


 試合終了。


日本文理
011000115:9
20000620×:10
中京大中京


 しかし、本当に凄い、漫画でも見ているかのようだった…

 10−4からツーアウトランナーなしからの1点差ゲーム。

 心から日本文理に拍手を贈りたい…

 心から中京大中京におめでとうと言う言葉をかけたい…


 高校野球の頂点…この対決には全国で2校だけ。

 こんなに熱い、熱い高校野球。


 本当に心から高校野球が大好きだ…

 ありがとう高校球児、ありがとう甲子園。


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