ちょっとイイ話3 篠塚選手と落ちた帽子
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ながしまや
2011年07月10日 19:44 visibility516
舞台は、1989年の日本シリーズでした。
84勝44敗でセを制した巨人と、猛牛打線の近鉄の対戦。
第1戦は斉藤と阿波野というエース同士の対決で近鉄が逆転勝利。
第2戦は桑田と山崎が投げ合い、最後は桑田が力尽きて近鉄が勝利します。
そして運命の3戦目。
近鉄の先発は前の試合で中継ぎ登板した加藤哲投手。
この日、加藤はミーティングに遅刻し、巨人のデータを見ないで登板しましたが、
7回途中まで無失点の好投を演じ、完封リレーの立役者となります。
3連勝を飾ったそのヒーローインタビュー中、
巨人打線を「大した事ない」「シーズン中の方がきつかった」「ロッテの方が怖い」と発言します。
これが、マスコミによって「巨人はロッテより弱い」と伝えられ、場外は一気にヒートアップします。
そしてこの発言以降、戦局は大きく変わることになります。
4戦目は巨人香田が殊勲の完封。
5戦目は再びエース対決となり、斉藤の投打にわたる活躍、
そして18打席ノーヒットだった原辰徳が、前のバッタークロマティの敬遠に奮起し、ホームラン。
最高の形で巨人が連勝しました。
さらに6戦目も、前回負け投手となった桑田が奮起し、1失点の好投。
なんと巨人が3連敗後3連勝して逆王手をかけます。
そして、運命の最終戦。
近鉄のマウンドに上がったのは、あの加藤でした。
そんな中、2回に駒田が大きなソロホームランを放ち、その際に加藤に「バーカ」と叫んだのはあまりに有名です。
いかに巨人が、加藤の発言に奮起したかという象徴的なシーンでした。
その後も巨人が原、中畑のホームランなどで加藤をノックアウト。
大きな話題を生んだこの7戦目は、巨人が加藤に雪辱を果たすと共に、
3連敗の後に4連勝という史上3度目の奇跡的日本一を決定しました。
で、本題です。(笑)
以前、「涙のツボ」というテレビ番組で紹介されたエピソードです。
この日本シリーズの舞台裏で篠塚選手の優しさが発揮されるシーンがありました。
第7戦の最終回、最後のバッターが打ち上げた打球はライトフライ。
ライトの井上外野手が帽子を飛ばしながら必死にフライを追い掛けて
ウィニングボールをキャッチします。
苦しい日本シリーズを歴史的な逆転で制した巨人ナイン。
歓喜のナインはマウンドに集まって胴上げが始まります。
しかし、この胴上げの輪にセカンドの篠塚選手だけが加わらなかったのです。
どうしてでしょうか?
それは、篠塚選手が、
井上外野手の落ちた帽子を拾うために、
セカンドからライトの位置まで走ったからでした。
篠塚選手の優しさが感じられるエピソードですね。
ちょっとイイ話ですね~。
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