【サッカー 福島】 東北社会人リーグ第10節 福島ユナイテッド5-盛岡ゼブラ0 この優勝は通過点

 赤いレプユニは2両編成のワンマン電車の中ではやたら目立つ。それも盛岡駅から離れる上り電車、乗客も少ない。


 その少ない乗客のなかで「福島ユナイテッドの応援ですか?」と話しかけてきた一人の男性。聞けば、スポニチの記者さんとのこと。寡聞にして福島に支局のあるスポーツ紙はこのスポニチだけとのこと。この記者さんサッカーの取材はあまりないとのこと。それこそ私が静岡から来たこと、それも昨晩J1甲府のゲームを見てきたことにえらく感嘆したようで、名前と年齢まで聞かれる。新聞社の取材は車であろうが、自動車だと結構時間がかかり、新幹線ならば帰りの車中で原稿がまとめられるとのこと。確かにオフィシャルのツアーバスは発車が午前6時前とえらい早いもの。やはり盛岡は遠い遠いみちのく。


 


 会場の最寄駅は、紫波中央。ベットタウンの住宅街にできた新設駅。ここから会場へは指呼の間なのだが、入り口が駅側になく、駅前駐車場を抜け、ぐるりと施設を回る形。そうこうしているうちに、朝日新聞の記者さんとも遭遇。東京本社からだそうで、昨日は仙台の取材をしたとのこと。


 やはりマスコミにもようやく注目されるようになったようで、その点は一歩も二歩も前進。


 


 さて、ユナイテッドのホームゲームでありながら岩手でするのは原発事故の影響。それでも、60人近いサポーターが集まる。


 ゲーム開始前、審判団から、赤いシャツを着ている人は観客席中央(観客席といっても、人工芝のピッチより一段高い雑草が茂っているところ)に集まるようにとの指示。もともと、ユナイテッドのチームカラーは赤と黒。線審が見づらいからとわかったようでわからない理由。それこそそんなこと上位のリーグ、いや高校サッカーですらきいたことのない説明。読者の方でそのようなことがあるというならご教示願いたいもの。


 


 


 さて、ゲームはやはり福島ペースで進む。開始早々小林のヘッドでまず先制点。さらに続けざまにスライデング気味に足であわせての追加点。久しぶりの出場にキレキレのプレーは頼もしいもの。


 純弥のシュートは残念なものだったが、平岡が3点目をきめ、ほとんど前半で勝負ありの様相。


 ただ、周りを囲まれるときちんと突破できなかったりするのは修正する必要あり。また、小林も平岡もきちんと決められるはずのゴールシーンも多々。


 


 後半は、もっと丁寧に進められたはず。失点はなかったものの、追加点を入れるまでに時間がかかりすぎ、特に流れが変わったわけではないのに、テンポが悪くなる。上位とする際はその中途半端さが命取りになりかねない。


 


 ゲーム終了前、サポーターの方が紙テープを応援に来た一人一人に配っていく。優勝を迎える瞬間が少しづつ近づく。


 


 ロスタイム終了とともに、選手が観客に近づいてくる。そして、観客から投げ込まれる紙テープ。この場所に身を置く幸せ。昨年、この会場の少し北、駅でいうなら岩手飯岡で、するっと逃げた優勝がいまこの場に。


 


        


 


 


 あとで聞くとサポさんの中には、泣けてきたかたもいたそうですが、涙腺の緩くなった私はなくこともありませんでした。それは、このチームを見だしてからまだ2シーズン目、というわけではなく、この優勝はJFL昇格の大会である、地決の出場権を得たにしかすぎないのだから。


 震災とそれに続く原発事故で、苦境に立たされるも、チームが一丸となったことは間違いない。ただ、震災の影響で東北社会人リーグ自体のレベルダウンは否めない。そこから地決に行っても苦戦することは火を見るよりもあきらかである。だからこそ、この2か月の準備は非常に大切。来月に控える天皇杯2回戦はちょうど良い腕試し。


 


 そうはいっても、優勝はうれしいものである。朝、新聞を買い漁り、それこそ写真をみてそれに写る自分のにやけた顔がそのすべてを物語っている。


 


 


 


 


 


           


 


































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