「マジックハンド」引退

読売時代の王さん、高田さんをはじめ松井、イチローら多くの選手に愛され、米大リーガーも「マジックハンド」と絶賛し、200人以上のトッププロ選手が愛用している野球グラブ。
それを一手に作成を引き受けているのが、ミズノ社のグラブ作り名人、坪田信義さんだ。
この度、その坪田さんは、この3月末で長年のグラブ作りから引退することになったそうだ。
坪田さんは、野球界で同氏を知らない者は“もぐり”といわれるほどの存在。
職人として、野球博物館でも紹介されている。
2000年秋には、時の政府から黄綬褒賞を授与されている。
グラブ作りマイスターの肩書を持ち、革選びから縫製、ひも通しなど80を超す工程を手作業でひとつひとつこなしていた。
彼のモットーは、亡き先輩から教えられた『職人になるな、技術者たれ』であったそうだ。
自分の仕事に自信とこだわりを持ち、妥協を許さない頑固親父の職人気質。
彼を心酔し、西武時代から匠のグラブを愛用している横浜の工藤公康投手も引退の情報を知り残念さを表したとか。
グラブ作り一筋の人生を送ってきた坪田氏が、3月を最後に後進に道を譲る。
彼の手作りグラブ愛用のトッププロが、彼のその長年の労、恩に報いるのは、そのグラブで素晴らしいプレーを見せ付けることだ、と思う。
何かの機会の折、野球博物館等に展示されている彼の作品のグラブを、じっくりと眺めてみたい。
お疲れ様、坪田さん。

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