少年とストライカーと約束 ①

  • ゆら
    2012年05月04日 21:05 visibility201

私が大好きな大好きな絵本を紹介します!(^ー^)
2002年日本と韓国共同W杯が開催された時の「実話」をもとにされたエピソードが本になっています
題名は「少年とストライカーと約束~The True Story from World Cup~

日本から遠く離れたある国の選手とキャンプ地に住む一人の少年との間に「絆」が生まれていました…

北欧の国「デンマーク」このデンマークがキャンプとして来日した地が和歌山県でした
積極的に地元の少年と練習後にミニサッカーをして楽しんだりしていました

「デンマークの人って、むちゃくちゃフレンドリーで気さくやで!」
このクチコミで見学者が徐々に増えていきました…
だから、握手会やサイン会をたびたび開催するなど、繋がりを深めていった

いつものようにサイン会が行われた、ある日のこと…
ある少年がデンマークのFW、トマソンを前にして、少しモジモジしていた…
母親が促す…
おかしいと思ったトマソンは、通訳を通じて
「どうしたの?」と彼にたずねた
少年は無言のまま、ポケットから一枚の紙切れを出し、トマソンに渡した。
紙切れには英語で書かれていた。

「僕は小さい頃病気にかかって、口と耳が不自由です。
耳が聴こえません。言葉も話せません。だけど、サッカーだけはずっと見てきました。
大好きです。
デンマークのサンド選手とトマソン選手が好きです。がんばってください」

その光景を見ていた通訳も記者も言葉がない。
文面を読み終えたトマソンは、少年に向かって微笑み、ゆっくりと両手を動かして語りかけた…
傍らにいた一人の記者が、トマソンに話かける…
「手話は言語と同じで、国によって違うんですよ」
「そうだったのか…」とトマソン

そして彼は通訳にこう言った…
「僕は彼と、紙で文字を通じて話をしたい。手伝ってください。待っている人にも(彼と話す時間を僕にください)と伝えてください」

こうして「少年とトマソンの静かな(会話)」が通訳を介して、はじまった
トマソンが英語を書いて通訳に見せる。
通訳はそれを読んで日本語に書いて少年に見せる。少年は日本語を書いて通訳に見せる。通訳は読んで英語で書いてトマソンに見せる。
この作業の往復が続くのである。
静かで、でも、あたたかい会話が…

「君はサッカーが大好きですか?」
「はい!大好きです」
「そうですか。デンマークを応援してくださいね」
「君の試練はつらいことだと思いますが、君と同じように君の家族も、その試練を共有しています。君は一人ぼっちじゃないということを理解していますか?」
黙ってうなずく少年。
「わかっているならOK!誰にだって、つらいことはあります。君にも僕にも君のお母さんにもあるのです。それを乗り越える勇気をもってください」

母親から、かすかな嗚咽がもれる…周りも人も同じ思い…
「僕は、この大会で、必ず1点獲ります!その姿を見た君が、これからの人生をがんばれるように僕は祈ります」

「(^^)はい!応援しますから頑張って下さい!!」

初戦の相手は、ウルグアイ!和歌山ではパブリックビューイングにたくさんの人が会場に集まった。そのなかにあの少年の姿もあった
決勝トーナメントに進出しなければ、日本のスタジアムで戦うことができないから、負けられない大事な試合
少年は「約束、覚えていてくれるかな」と思いながら、みつめていた

前半45分!デンマークの選手が左サイドからディフェンスを縫うようにセンタリングを上げた!
「あっ!」出せない声を出そうと少年が立ち上がった時、ボールがゴールに吸い込まれていった…
「ゴーーーーーーール~~~♪♪」
次の瞬間、大きな画面上でガッツポーズをする選手がうつり…少年は見た!
トマソンだった!!
そして、後半38分にまたもあの男が動いた!トマソンが2点目を奪ったのだ!
これが決勝点となり勝利!!
続く、セネガル戦も勝利し、フランスも破って見事決勝トーナメント進出!!
ダメ押しのゴールはトマソンが決めた!

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