夏の怖い話(前編)

  • ひかる
    2010年08月21日 16:44 visibility87

そう。あれは高校3年生の初夏でした。

俺「猫欲しー!猫欲しー!!」

と毎日の様に連呼する俺。

隣で毎日「猫欲しー」コールを聞く腐れ縁チャラ男秋山。

そーゆーわけで。

腐れ縁のチャラ男秋山と学校の帰りに猫を貰いに行くことにしました。

え、どこにって?

宮北の近くにある動物病院ですよ。




俺「すみませ〜ん!!」

受付嬢「はい。今日はどの様な」

俺「こんにちは!!」

受付嬢「はい。こんにちはw」

俺「猫いませんか!?」

受付嬢「え。はい?」

俺「貰い手のいない猫いませんか?猫欲しいんです!」

受付嬢「あ・・・ちょっと待ってて下さいねぇ。先生に聞いて来ますから。」

苦笑いで奥に行く受付嬢。

そこへ。

先生♂がやってきた。

先生「君が猫が欲しいって言う高校生かい。」

俺「そぉっす!」

先生「どんな猫がイイの。」

俺「猫なら何でも!」

先生「ん〜。1匹いるにはいるんだよなぁ。」

俺「ありがとございます!」

先生「いや、まだ決まったわけじゃないからw」

受付嬢「・・・」

先生「ちゃんと面倒見る?」

俺「見ます見ます!!」

先生「じゃあ、いまは病院にいないから1週間後来て。」

俺「あざす!」



1週間後。


俺「こんにちはー!」

先生「お。来たね。さぁこっちに来て。」

そこには可愛い可愛い猫ちゃんが。

俺「お、おぉ。」

先生「1回予防接種に来てもらわないといけないけど、今日連れて帰ってイイよ。」

俺「どーやって連れて帰ろう。」

先生「カゴ貸してあげるし、エサも少しつけとくよ。」

俺「あざーす♪」

先生「ご両親の許可は?」

俺「フッ。もちろんありますよ先生。」

先生「なら安心だ。じゃあまた来てね。」

俺「じゃあまた♪」


笑顔で病院を後にしたが、ご両親の許可?そんなものあるわけない。

むしろ寮は動物禁止です。ww


帰りのバスで

俺「なんて名前にしよっかー♪」

猫♂「ミャー」

俺「ん〜。きぃちゃん!君はきいちゃんだ!」

きぃちゃん「ミャー」

俺「いい名前だねー♪」

きぃちゃん「ミャー」

秋山「たけしさん・・・それオス・・・」

きぃちゃん「ミャー」

俺「ミャー♪」

秋山「・・・」



そしてきぃちゃんを入れたカゴを持ってルンルン気分で寮に連れて帰った。
瞬間、寮の管理者(以下聞ちゃん)に見つかったw


俺「あ・・・。」

聞ちゃん「・・・なにそれ。」

俺「ね、猫。」

聞ちゃん「な〜んで猫なんか持って帰ってくるんだ!!禁止なの知ってんでしょ!?」

俺「ち、違うんです。この前、学校の帰り道で怪我した猫見つけて、動物病院に連れてったら病院で手当してくれて、退院して来たんです!これからいた所に返すんです。」

聞ちゃん「ったく。早く返して来るんだよ。」

俺「イエッサ」

聞ちゃん「返事はハイでしょ!!!」


俺「はいっ!!」


もちろん部屋に直行。


カゴからきぃちゃんを放してあげるとベッドの下に隠れちゃう。


俺「きぃちゃ〜ん♪」

きぃちゃん「ミャー」

俺「きぃちゃ〜ん♪」

きぃちゃん「ミャー」

俺「怖がってないで出ておいでよ」

きぃちゃん「ミャー」


そんなこんなで、なかなかなつかないきぃちゃんと1週間が経過。

ある日換気のために窓を開けると

ヒョイっ

きぃちゃんは窓の外に。

俺「きぃちゃん戻っておいで」

きぃちゃん「・・・」

俺「きぃちゃん!」

きぃちゃん「・・・」

きぃちゃんはだんだん離れて行く。

俺「きぃちゃん!」


屋根を伝って歩くきぃちゃんが屋根の隙間を覗く。

俺「危ないってば・・・」

きぃちゃんが隙間を降りようとしている・・・

俺「きぃちゃん!!ここ3階なんだよ!!!」

きぃちゃん「ミ゛ャー!!」

きぃちゃんが隙間を降りちゃったー!!!


俺「きぃちゃんが落ちちゃった!!!」

号泣で寮を1階まで駆け降りる。


俺「きぃちゃん!!」

俺「返事してよ!」


シーン

俺「きぃちゃん・・・」

ミャー

俺「!?きぃちゃん!?」

きぃちゃん「ミャー」

きぃちゃんはパイプを伝って3階から器用に1階まで降りて来たみたい。 なんてヤツだ。

俺「良かったー。さ、帰ろう!」

きぃちゃん「ミャー」



タッタッタッタッタッ



そしてきぃちゃんは居なくなった。・・・ww


俺「き、きぃちゃん・・・」

悲しさのあまり泣き崩れる俺。

それからと言うもの悲しい日が続く。


俺「秋山!きぃちゃん、きぃちゃんが居なくなっちゃった!」

秋山「へぇ〜。」

プッ

秋山「あ、オナラ。エヘエヘ。」


・・・冷酷人間秋山め。

そんな悲しみに暮れているある夜に、恐怖の体験をするとは思ってもいなかった・・・。


つづく。


追伸。きぃちゃんは1ヶ月後に帰って来ました。



































































































































































































































































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