能力と奥手と時間切れ

  • smiles
    2014年09月06日 23:29 visibility59

ひとつ例を挙げます。

0-1の8回裏、2死走者なしから、1番の梶谷がヒットで出塁しました。

ここで広島は内野陣が集まります。

リーグトップの盗塁数に達している梶谷の足をどう考えるべきか、で

集まったのでしょう。

打者は2番の石川。

果たして、大瀬良投手は、2回続けて一塁に牽制球を放っています。

ふと、石川の集中がどう変わったかが気になりました。

で、大瀬良投手の初球、石川は打ちにいって、いい当たりですがサードゴロ。

で、一塁送球でアウト。


梶谷の走力で揺さぶるなどもなく、終わってしまいました。


前日も、2死からのチャンスで石川は初球を打って凡退しチェンジ、

というありさまです。


石川がどうの、ということではないのですが、策を講じる手段を絶たれてしまう

右方向に打つだけの2番打者、でしかないように映ってしまうので、

怖さがないのです。

おまけに梶谷も生かせない。


こういう、初球からせっかちにポンポン打って終わってしまうことを

ベイスターズ的に言えば「荒波病」とでも言うべきか、

来た球をどんどん打つのはいいが、結果に繋がらず、

ただせっかちなのではないかという疑問を抱くだけになる。


いつの間にか石川は、振りぬいて引っ張れる技術をものにしているので、

生来の流し打ちの技術と合わせて広角に打てるようになれば

3割どころか、首位打者争いにでも食い込めるだけのものがありそうだが、

2割7分に行くか行かないか、しかない。

その辺が彼の不器用さと相まって、ゆっくりと亀のように成長していくゆえんであるのだが、

2番打者としてしっくりくるほどのものもない思い切ったスイングをしてしまっており、

じゃあ1番かというと走力が生かされず、四球もまた選びに行かなくなり、

では前述したように3番かと言うと、そんな得点圏打率がいいわけでもない。


6番、7番あたりで好きに打たせておくと面倒くさい打者、という水準に

今季は落ち着いてしまったようだ。

聖域の内野をグリエルに追われるという衝撃こそあるが、

アグレッシブに外野頭上を襲う打球にくらいついていく姿勢だけは褒めておこう。


だが、それだけである。アグレッシブさだけで、細かな技術がない。


この、石川に象徴される

「細かな技術の不足」

これこそが、ベイスターズの攻撃時に見られる、

「ちょっといい投手にかかった時の、攻略法に至る仕掛けが遅い」というところにも

該当している。

足を生かさない、それに伴った耐久策がない、

2回目以降の対決で慣れていけば打てる時もあるが、

基本は各自のスペック任せで、力で打ち砕いていく感じしか、しない。

巨大戦力の読売が調子いい時、のような攻撃破壊力頼みなのだ。

だから、筒香の得点圏打率がフューチャーされるのに、

梶谷の盗塁数や、下園の選球眼のよさと出塁率などはあまり騒がれず、

送りバントに「またかよ」という意識しか芽生えてこなくなるのだ。

今日の広島が、2死1・3塁、打者大瀬良投手2ストライクの場面で、

モスコーソの隙をついて石原選手が2塁へ盗塁を仕掛けたような

攻撃の手数、攻略への引き出しが、足らない。

それは、ベンチワークを含めてだが、

選手たちには「スペックの引き上げ」だけで手いっぱいになり、

1点をもぎとる作戦面の叩き込みが、鍛える段階で時間切れになっているのではないかと。

梶谷をグリーンライトにするのが精いっぱいで、

それもノリの乱によってやりづらくなった、影響なしとは言い切れない現状のまま、

個々の能力の引き上げだけで、今季はがんばってきた、ということか。


よくやってきた、とは思います。

それでも高木豊氏あたりが心配していたような

「細かいプレーの不得手っぷり」が足を引っ張っているところはあるし、


ヒース投手にせよ大瀬良投手にせよ、実質初対面や好調投手への仕掛けは成されず、

学習なしの投手からは打てない、というような流れに持ち込まれて、

その雰囲気だけで自滅したようなところもある。


その辺は首脳陣の編成に至る問題と、球団の古くからある選手体質とがかみ合っている

致命的な欠陥だとは思うのだが、

今季はその中でよくやっているということで、

小池や進藤を責めきれないところは多い。

来季への課題の一つだろう。


しかしこれだと、明日は九里投手だというのだが、

春先に対戦したきりではなかったか?

まさか「時間が経っているので攻略法を忘れてしまった」などということは

あるまいも。


やらかしそうな気配があるんだよな~。

こちらは井納で、慣れられるか、やはり考えすぎて自滅するか、

あり得るんだよなぁ。


とすると3タテされてしまうわけだが、


日曜日だから今日ほど観客は入らないにしても、

広島のファンの応援熱は大したものだと思うが、

我々が敗れることで

「♪ふぅふぅ」と浮かれポンチされることだけは許されない。


広島カープのハイパーユニオンだけは、

チームや選手の応援ではないと思っているので、

あの「♪ふぅふぅ」が致命的に応援として不適切行為、

ダメだという理屈と感覚を詰めたいのだが、

そのためには明日こそベイスターズは勝たないと。

ここ、横浜だし。

勝てば、あれはやれなくなる。


とにかく前回の九里投手を思い出せ~。

しっかりと攻略を。


頼む。世界を救ってくれ。

あの場所は、ベイスターズの聖地だ。


対広島  ハマスタ  ●0-1 ●モスコーソ

  殊 なし   敢 モスコーソ・筒香  技 なし



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