オーストラリア

少なくとも、川口には責任はないと思う。あれだけ好
セーブを連発していたのだから。彼の一番いいところが
出ていたのだから。
 それが3失点である。キーパーとして辛いだろう。最
初の失点も、滞空時間の長いロングスローがオーストラ
リアの一番長身選手に合わせてきたから、手が使える分、
競ってくれている味方よりも高いところでボールをさわ
れるから飛び出したのだろうし。
 後半、パワープレーで来た相手に対して、きっちり体
を入れて自由にさせない、ポストプレーのセカンドボー
ルにもしっかり反応する。見ていて、ドイツ戦が生きて
いると思った。一瞬、「でもドイツ戦は引き分けたんだよ
な」というのが心をよぎったが、まさかあんな結果にな
るなんて。
 勝つかも知れないし、ここで入れられても勝ち点1は
取れると思った。しかし、現実は甘かった。
 やっぱり、取れるところで取らなければだめなんだな
と。
 キーパーが前に出ているのにドリブルはないだろう。
2対1なのに、ぎりぎりまでドリブルして結局パスかよ。
 試合が終わって、こんな気持ちになったのは、フラン
スW杯予選の韓国戦以来だ。
 その後のイタリアやチェコのゴールシーンのダイジェ
ストを見て、日本にこんなシュートが打てるのか、さら
に悲しくなった。

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