野球小僧藤村の粘りの打撃・二盗・サヨナラヒット! 3月26日イースタンリーグ巨人対楽天戦のレポと動画アップ
-
舎人
2011年03月28日 03:19 visibility721
試合経過
土曜日の試合のレポと動画のアップをします。イースタンリーグで今年初の延長戦となり、4時間半を超える長い試合となりました。しかし、見所満載で長さを感じさせない大変楽しい試合でした。
まず、投手からですが、先発は中里でした。五回を投げて3安打1四球の無失点、これだけを見ればほぼ完璧な投球をした感じですが、試合序盤は結構球が高く、少し心配な立ち上がりでした。初回二番の西村にヒットを打たれます。しかし、西村が牽制に誘い出され、挟殺されてから落ち着きを取り戻したのか、低めに制球されるようになります。投球術に長けた投球は二回以降ますます冴え、高めの釣り球を巧みに使って三振を奪ったり、そうかと思うと低め低めで最後にワンバウンドしそうなフォークで打ち取ったりしています。これは(私が思うに巨人で最もリードに長けた)実松の好リードが背景としてあったのかもしれません。また、おじいさんが階段から転げ落ちるほどの強い風の中での試合だったので、微妙に球が揺れていたのかもしれません。MAXは141キロ止まり、140キロを超えたこともほとんどありませんでした。それでもそこそこの制球力と巧みな投球術があれば、こういった安定した投球ができるのです。これがそのまま一軍でも通用するとは思えませんが、朝井が乱調でローテーションの6番手に中里が候補に入ったとか・・どうなる事やら分かりませんが、予想外の好投は色々なことを変えてくれそうです。
ニ番手で投げた大立はイースタンリーグで公式戦初登板でした。3月5日と3月10日の春季教育リーグで力強い投球を披露し、俄然注目の的となりましたが、本拠地で投げたのはこの日が初めてでした。10日の西武ドームではMAX146キロを記録したとの事です。西武ドームはスピードガンが辛い事で知られているので今年緩くなった感じのジャイアンツ球場のスピードガンなら150キロ近い球が見られるのではないかと期待していました。しかし、この日の大立は緊張していたのか強風のためか、140キロ前後の球速表示ばかり。しかも、とんでもなく荒れた投球です。簡単に一死を取った後にボールが先行し四球、続くバッターにヒットを打たれ一三塁のピンチを迎えてしまいます。1人打ち取ったものの、次は楽天の四番バッター丈武です。ここで河本コーチがマウンドへ向かいました。交代かと思ったらお尻を叩かれ続投でした。すると不思議な事にいきなり大立の球速が上がったのです!明らかに3〜4キロアップして145キロを記録しました。それまでは142キロが最高だったのに、ほとんどの球が143キロ以上を表示しています。どんな魔法を使ったのか分かりませんが、おそらく「腕を振って思い切り行け!」とハッパをかけられたのでしょう。丈武には力んで四球だったものの、続く河田には熱投が実りストレートで三振でした。公式戦初登板に満塁のピンチを招きながらなんとか無失点で切り抜けたのです。次はもっと落ち着いて最初から腕を思い切り振って投球をして欲しいと思います。常時143キロ以上投げられる左腕は貴重です。結果を積み重ね今年中の支配下登録を目指して欲しいと思います。
三番手は小山でした。先週の日曜日に初めて投球を見て、その力強い投球にすっかり魅了されたのですが、この日はなんだか別人のように変化球ばかりの投球でした。しかもその精度があまり良くありません。ストレートはこの日も147キロを記録していたのですが、投球におけるストレートの割合が3割程度しかなく、あえて変化球中心で行くと決めていたかのような投球でした。1回2/3を投げて2失点、自責点は1です。追い込んでからのフォークボールは効果的ですが、追い込むまでの投球に課題のある投手のようです。打たれたのはいずれも置きにいったようなストレートです。空振りを奪うフォークの他にカウント球として使える変化球が必要な感じを受けました。
打者の方は前の日まで絶好調だった円谷が一転して散々だったものの、他のバッターは総じて状態が良く、結果を出しました。円谷と実松以外は先発野手全員安打で、マルチヒットが橋本、加治前、山本、隠善の4人といった感じです。特に今年から四番に座っている加治前の充実振りは目を見張るものがあります。この日も2本のヒットを放ちましたが、どちらも外角のストレートに喰らい付いたものです。最初の二塁打はもう少しで本塁打の当たりでした。内角を厳しく攻められたらどんなだろうと思ってしまいますが、今の充実振りならきっと一軍でも通用する気がします。矢野や谷を間違いなく脅かす存在になってきています。加治前は日曜日の試合でも二塁打2本を放ったとか・・先週末は2試合で7打数4安打3打点、今週末も2試合で7打数4安打1打点です。しかし平日の23、25日の試合では23試合とも4打数0安打です。なぜか不思議な事に週末になると大当たり!この傾向が続くようなら加治前の事は、“ミスター・ウィークエンド”と名付けましょう!
育成枠の山本は本来なら第2ニ軍の方に行くはずなのでしょうが、結果を出していることで(第1)二軍に帯同しています。この日は左腕の塩見が先発ということでスタメンで起用されました。山本も加治前と似た感じのバッターで、オープン気味のスタンスからインステップして打球を捉えています。山本に感心させられる事は非常に変化球を打つ事が上手い事です。育成選手でこの器用さはこれからの支配下入りに可能性を大きく感じさせます。ポジションの都合で今はファーストを中心に守っていますが、サードなどの他のポジションでのプレーを見てみたい気がします。
大田と橋本もこの試合ではやや地味ながらそれぞれ結果を出しました。大田は開幕から5試合連続ヒットとなるタイムリーヒット、橋本はマルチヒットです。しかし、2人ともそれぞれまだまだ課題がありそうです。大田は打撃においてそれなりに成長を感じさせているものの、守備のことで相当悩んでしまっていることが伝わってきます。この日はエラーこそありませんでしたが、危なっかしいシーンが幾つかありました。橋本の方は打撃に粘りがありません。相手投手がそうだからなのか、疲れからなのか分かりませんが、腰砕けのような空振り三球三振なんかしています。いつもの橋本らしくない。おそらく打順のこともあると思います。橋本は本来がトップバッタータイプ、どちらかと言えば仁志みたいに好き勝手にやりたいタイプなのです。それを現在は藤村1番、橋本2番という打順です。橋本はセーフティバントは得意でも送りバントは苦手です。また、藤村が出塁した時などウエストに戸惑っていることが伝わってきます。これからのことを考えればこの自己犠牲の修行も必要なのでしょうが、今1つ本来の溌剌さに欠けることにファンとしては物足りなさを感じます。たまにはトップバッターを任せ、息抜きをさせてあげたらいいのにと思います。
最後に藤村について、この試合はテレビの中継がありませんでしたが、もしもテレビ中継でヒーローインタビューがあったとしたら、この試合のお立ち台は間違いなく藤村でした。今年に入ってキャンプからオープン戦にかけてずっと一軍に帯同していましたが、今月に入ってからファームに落とされました。一軍でもヒットを放ち、そこそこアピールをしていたはずなのに、ファーム落ちはさぞかし残念だったことと思います。そのためモチベーションが下がったのか、このところ打つ方で少し生彩を欠いていました。公式戦が始まってからこの試合の前までの4試合で、ヒットはたったの1本だけです。この日のサヨナラヒットは今シーズン2本目だったのです。しかも今年初めてのヒットは内野安打だったので、内野の頭を越えたのはこのヒットが今年初めてでした。嬉しかったことでしょう。これに気を良くしたのか日曜日の試合も藤村は2安打を放ったそうです。憑き物が取れた感じだったかもしれません。しかし、これまで藤村はヒットがあまり出なかったと言っても、トップバッターとしての役割はそれなりに果たしていました。非常に良く四球を選んで出塁をしているのです。この日もカウントをワンボール・ツーストライクと追い込まれながらも、さんざん粘って四球を奪っています。しかも出塁すれば必ずと言っていいほど盗塁を仕掛けてきます。これは相手にとって実に嫌なバッターでしょう。この粘りのバッティングはカットする技術が上手くなったから、松本に負けない出塁のプロが成長しつつあります。以前、雑誌の野球小僧では藤村のことを「彼こそ“野球小僧”と呼ぶに相応しい選手」と評していました。全身で野球をプレーすることの喜びを表現出来る選手だからです。また一軍に昇格する日も近いことでしょう。本当に楽しみです!
中里篤史 2011年3月26日 ←New
大立恭平イースタンリーグ初登板 2011年3月26日 ←New
小山雄輝奪三振 2011年3月26日 ←New
加治前竜一マルチヒット!2011年3月26日 ←New
山本和作マルチヒット!2011年3月26日 ←New
大田泰示タイムリー二塁打!2011年3月26日 ←New
橋本到マルチヒット!2011年3月26日 ←New
藤村大介の粘りの打撃・二盗・サヨナラヒット!2011年3月26日 ←New
- favorite21 chat4 visibility721
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件