
宮國の1イニング降板と一岡のプロ初登板 平成24年5月16日対オリックス戦 宮國&一岡登板結果
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舎人
2012年05月17日 04:07 visibility884
交流戦が始まりました。巨人は借金を返済し、0からのスタートが切れるということで、すっきりとした形でこの特別な戦いに入って行くことができたと思います。この交流戦の開幕投手に指名された宮國が一回をわずか14球、三者凡退で投げ終えると、巨人がその裏に一挙に5得点を挙げ、まるでお祭りのような盛り上がりを見せました。しかし、その盛り上がりも束の間、打順が回ってきた宮國になんと代打が送られたのです。何らかの緊急事態の発生でした。上げ潮のような盛り上がりは一気に萎み、試合経過よりも、宮國の詳報が待たれるような試合になってしまいました。
ここまで入っている情報を総合すると、ブルペンでは大丈夫だったそうですが、どうやら最初のバッターを打ち取ったあたりに違和感を感じ、肩甲骨を伸ばしたり、肩をぐるぐる回したりしていたそう。それを見た原監督や川口コーチが異変に気付き、「大丈夫か?」と確認すると宮國本人は「大丈夫」と答えたものの、原監督や川口コーチたちが相談して大事を取って降板させた。すぐにアイシングをして、その後都内の病院に行ってMRI検査を行った。結果は17日に分かる。原監督によると大したことはないと思うので、登録抹消をせず、このまま一軍に帯同させる予定とのこと。
降板の理由は肩の違和感とのことでした。解説の堀内さんが以前言っていましたが、「違和感ほど分かり辛いものはない。痛いのか、痛くないのか、それだけではないのか・・」試合後のインタビューで宮國について尋ねられる原監督も困ったような感じで「本人はなんとなく・・ちょっと・・」などというハッキリとは分からないような受け答えをしていました。その通り、今まで肩の故障をしたことのない宮國にとって、これはどのような予兆なのか、自分の体でも分かりかねていたのでしょう。ましてや周りの監督やコーチはどうしたものかと思ったことでしょう。チーム事情が厳しければ、もしかしたら行かせたかもしれませんが、原監督はよくぞ無理をさせず大事を取ってくれたと思います。それも連勝中で余裕が成せる業なのかもしれませんが、この宮國の起用方法に関して原監督や川口コーチは、非常に大切に考えてくれていることが伝わってきます。
私が思う投手のつぶれる二大理由は「一試合における投球数の過多」と「25歳以下の体が出来ていない段階での登板過多」だと思います。一試合における投球数はどんなベテランでも100〜120球以内にすべきだと思います。ましてや25歳以下の投手は100以内をめどに降板させるべき。これを超えて起用すると翌年以降に大きな影響を与えます。また25歳以下の投手はインナーの部分の成長段階にあり、無理使いをすると故障しやすくなったり、スケールダウンしてしまうようになります。これは私の思い込みではなく、色々な所で話され検証されていることです。
宮國に関しては小谷前コーチが大器だから、何しろ大切にして欲しいと訴えていた投手です。本当ならシーズン後半にデビューをさせるべきだと考えていました。しかし、あまりに素晴らしい投球センスに球団も首脳陣もファンも全てが「見たい!」という機運になり、前倒しでデビューをさせてしまった感がありました。誰もが認める大器を簡単に壊してはいけないという思いと、この投手を何の心配もいらない丈夫な投手として一本立ちさせる義務感が原監督たち首脳陣の一致した思いなのだと思います。
MRI検査の結果が気になりますが、おそらく大したことはないでしょう。肩の稼働域が広いことでややルーズショルダー気味なのかもしれません。いずれにしても無理をせず万全な状態で復帰して欲しいと思います。これが交流戦中で本当に良かったと思います。おそらく、原監督たちも少しでもおかしいと思ったら復帰登板させないでしょう。
宮國登板結果
一回表
坂口:カウント1-2からファーストファールフライ(138キロS、121キロS、135キロF、125キロB、真ん中120キロ)
大引:空振り三球三振(129キロS、97キロS、外角118キロ)
後藤:フルカウントからライトフライ(123キロS、129キロB、134キロB、119キロS、131キロB、内角低め102キロ)
三者凡退、一回表終了
登板結果
先発1イニング 球数14球 奪三振1 被安打0 無四球無失点 MAX138キロ
私にとってこの試合のもう1つの注目すべき出来事は一岡のプロ初登板でした。なんだか投げ急いでるような感じでイースタンで投げていた時に比べて緊張がありありと伝わってくる投球でした。解説の水野さんからは体の開きが速いと指摘を受けていました。私は「もう少し落ち着きのある投球ができるはずなのになぁ・・」と思いましたが、騙しのないストレートで押す投球は、やや、やる気を失っていたオリックス打線を2イニング無得点に抑えました。
ストレートのMAXは146キロ、平均でも143キロは出ていました。ガンの表示がやや辛い東京ドームでこれだけ出せれば大したものです。昨年のドラフト時は「こんな聞いたことのない投手がなんで3位指名なの?」などと色々言われましたが、実際に登板してからの一岡の評判はうなぎ上りだったと思います。奇しくも今日の対戦相手のオリックスは、ドラフト時、一岡の指名が噂されていた球団でした。どうやら3位か4位で指名する予定だったようです。それを指名順が先の巨人が目の前でさらったのです。前評判は決して高くなかったので、間違いなく取れると踏んでいたことでしょう。その時の投手が目の前で投げたのですから、オリックス関係者は複雑な思いだったことと思います。
スポーツニッポン(平成23年10月27日)
このまま一軍に定着する投手ではないと思います。ストレート以外で良いと思えるものがなく、まだまだファームでやることがたくさんあると思います。しかし、このタイミングで力試しをさせてもらったことは一岡に取って本当にラッキーだったと思います。この一軍帯同期間中に問題点をしっかりと確認し、先日話した通り、いつか本当の巨人版ロケットボーイズの一翼を担って欲しいと思います。
ともあれ、宮國の件で少し暗くなりそうだった私の心を明るくしてくれた一岡の“けれん味”のない投球でした。
一岡登板結果
八回表
バルディリス:カウント2-2からショートゴロ(142キロB、143キロB、146キロF、143キロF、127キロF、真ん中低め141キロ)
川端:初球右前腕部に死球(145キロ)
一死一塁
赤田:カウント1-2からセンター前ヒット(141キロSw、130キロB、143キロF、真ん中低め103キロ)
一死一二塁
森山:カウント1-0からサードゴロ併殺打(143キロB、内角144キロ)
八回表終了
九回表
日高:カウント2-2から空振り三振(???キロB、144キロF、105キロF、133キロF、143キロB、外角高め143キロ)
坂口:カウント1-0から捕ファールフライ(142キロB、高め141キロ)
大引:初球捕ファールフライ(真ん中123キロ)
三者凡退、九回表終了(試合終了)
登板結果
中継ぎ1イニング 球数22球 奪三振1 被安打1 与死球1 失点0 MAX146キロ
ところで、明日のオリックスの先発は中山というサウスポーだそうです。スタメンで起用されることが予想される中井にとって生涯を左右する試合になるかもしれません。まずは原監督の決断に注目し、次に中井の奮起に期待したいと思います。
ガンバレ中井!ガンバレ若手!
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- 事務局に通報しました。
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