プロ入り後最速145キロを3度記録!スケールの違いを感じさせた松本竜也の日ハム戦(8月29日) 全投球アップ!

  • 舎人
    2012年09月02日 11:02 visibility2380





試合経過




ようやく水曜日の松本竜の話ができます。松本は8月15日の東京ドーム以来の登板でした。その東京ドームでは三回途中までに本塁打2本を喰らうなど、不本意な内容で、回の途中で降板することになってしまいました。球威、変化球のキレ、制球、どれを取っても非凡さを感じさせるものの、打たれ出すと修正が利かない面が見られ、連打で炎上してしまうことが過去にもありましたが、この東京ドームの試合でも、その悪い面が出てしまったような感じでした。



それから松本は2週間経っての登板でした。立ち上がりからストレートを中心にグイグイと内角を攻める投球です。しかも、明らかに球威を試すかのような力のこもった投球です。球場のスピードガンが145キロを表示しました。前に見た時よりも球速が3キロもアップしている!しなるような腕の振りから、素晴らしい球威とキレのストレートが投げられたかと思うと、120キロ台のスライダーらしき変化球、100キロ台のカーブらしき変化球、全てで制球に苦しむこと無く投げ分けているのです。この日の投球は間違いなく今まで見た中で松本の一番良い投球でした。少し見ない間にずいぶん成長したなと、一緒に観戦した茶柱さんと感心頻りでした。



しかし、そんな中でも課題は感じさせます。この日はヒットを2本しか打たれませんでしたが、それはいずれも二回です。ランナーを出してから、問題を修正できない点がいまだ垣間みられます。クイックは上手いし、セットポジションでもほとんど球威は落ちません。おそらく、これは技術的な問題ではなく、精神的にまだまだ落ち着きがないからではないかと思います。外国人投手のようなイラツキを、ランナーを出したときの松本からは感じます。



この試合の翌日に同期入団の今村がノーヒットノーランを達成しましたが、これは並の精神力で達成できるものではないと思います。今村には持って生まれたものか培われたものか分かりませんが、ピンチや土壇場で自分を制御することのできる「克己(こっき)」が備わっているのだと思う。松本が今村に遅れを取っていることがあるとしたら、この自己制御の力ではないかと私は思います。



しかしながら、投手としての能力はやはり凄いとしか言いようがない投手です。ルーキー時の辻内と比べても球速以外の全てを松本は上を行っていると思います。性格面を除けば宮國より上かもしれない。現時点でも、ある程度自分を見失わない投球ができるようであれば、すぐにだって一軍でも使える気がします。



しばらくは中10日や2週間で様子を見ながら登板することでしょう。体を作ってきた成果がようやく現れてきましたが、まだまだ細いし、鍛えて行かなくてはいけないと思います。私が思うに昨年の宮國に比べて約2か月遅れの状態です。11月になる頃、今よりさらに体ができて来て、安定感が増してきたら、秋季キャンプで来季へ向けたホープとして騒がれていることでしょう。



底が見えないポテンシャルと想像がつかないスケール感を松本は感じさせます。ただ、現状に甘んじて、向上心を失ってしまうことが心配です。今のままでもそこそこやれる投手になるでしょう。しかし、そんなんじゃない!松本には巨人のエースや球史に残る活躍を誰もが期待しているのです。その自覚が早く投球から感じられるようにならないかと思いながら、今後も注目を続けていきたいと思います。



動画は一緒に観戦した茶柱さんが撮影し、私が編集したものです。全球に球速表示を付けて仕上げました。10分近いものですが、松本の素晴らしい投球に見入られたとしたら、長さを忘れてしまうと思います。この日のキャッチャーは鬼屋敷でしたが、再三、打球を後ろに逸らしたり、捕球し損ねています。松本が引っかかり過ぎなのはもちろん問題ですが、もう少し鬼屋敷も捕球を上手くならないといけませんね。



松本竜也 全投球 2012年8月29日






なお、この試合の他の動画は茶柱さんが編集してアップしていただいております。一軍昇格を決めた大田と打撃好調の橋本が、それぞれ三塁打を放ち競い合っていました。必見です!



12/8/29巨人対日本ハム戦動画(茶柱立乃助氏 平成24年9月2日)





























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