花巻東高 大谷投手のメジャー挑戦に思うこと
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舎人
2012年10月22日 04:28 visibility1316
昨日は巨人中日のCSと花巻東高の大谷投手のメジャー挑戦といった野球界に大きな出来事が2つありました。巨人ファンにはCSでの戦いが一番の関心事でしょうが、球界全体のことを考えると、実はこの大谷のメジャー挑戦の方がはるかに重要なことだと思います。いつかは来ると思っていたことですが、ついにこの日が来てしまった感じです。今後、日本球界を頭越しして、いきなり米球界に挑戦する選手が続出するかもしれません。その時に次代のスターが流出していく日本のプロ野球に、ファンが付いていくのか心配になります。徐々に衰退していくのではないか。
そういったNPBの心配もありますが、私にはそれ以上に不満に思うことがあります。それはメジャーに流出した彼らが日本のモノではなく、米球界のモノになってしまう喪失感なのです。サッカーのようにワールドカップやオリンピックが権威あるもので、国際試合がある時に、どこの国でプレーしていても選手たちが日の丸の元に集まるのなら、海外でプレーするということも、大いなる挑戦だと感じます。彼らには「向こうで頑張っているな」と常に気持ちを寄せ、エールを送り続けたいと思います。しかし、野球の場合、その国のリーグが最優先で、日の丸の元に集まるということは、所属チームの意向次第で、できたりできなかったりです。WBCでイチローが参加してくれたのは、非常にうれしく感じましたが、松井秀喜は結局参加せずでした。諸般の事情があったのでしょうが、これには本当にガッカリしました。それまで巨人OBとして松井には頑張って欲しいと思っていましたが、私にとってWBCの一件以降は、「すっかり米球界のモノになってしまったのだな」と、一気に関心のない選手になってしまいました。
アスリートが高いレベルに挑戦したいというのは本能です。したがって、大谷のようなこの流れは食い止めることができないと思うし、国際試合を意識しないスポーツは今後衰退することになると思います。だから日本球界も発展するためには国際的視野に立たないといけないと思います。しかし、こうなってくると、NPBが設けたドラフト時の制約は意味が無い上に、時代に逆行したもののような気がします。そんなことよりも、これからは海外のリーグに挑戦する選手たちを、いかに日本代表としてつなぎ止めていくことが大事ではないか。私が思うに、今後、日本球界が取るべき道は、NPBやアマチュア野球連盟などが協議をし、アマからいきなり海外に挑戦する選手たちがいた場合、国際試合出場の確約を必ず取ることを義務付けるべきだと思います。入団交渉にそういった事項を契約に入れさせるのです。NPBからFAやポスティングで移籍する選手に対しても同様です。選手会と協議して欲しい。もちろん、そういった義務化をするばかりではなく、日本代表というものの権威を高め、誰もが目指す頂点のような存在にしていくことが必要だと思います。そういった日本代表という存在意義や権威を確立することが、流出する選手たちを米球界のモノにしない方策ですし、日本球界がメジャーに飲み込まれない道だと私は思います。
大谷が米球界に挑戦するというのなら、それはそれで同じ日本人として頑張って欲しいと思いますし、気持ち良く送り出してあげたいと思います。しかし、大谷には向こうでプレーすることになっても、それは日本代表の気持ちで挑戦して欲しい。決して米球界のモノにならないで欲しい。向こうで力を付け、オリンピックやWBCなどの国際試合があったら招集に応じて、必ず日本代表として戦って欲しいと思います。
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