上空の雲の流れで打者に対する攻め方を考えた菅野 登板直後のインタビューと中継中のレポート
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舎人
2013年02月25日 03:35 visibility884
2013年2月24日 菅野登板結果
3イニング 球数42球 奪三振3 被安打1 与四球0 無失点 MAX148キロ
今日のオープン戦は菅野のプロ入り後初の対外試合の登板だったのですが、注目のルーキーということで、登板している最中はもちろん、試合前も試合後もひっきりなしに話題が上がり、言わば「菅野祭り」といった感じの試合でした。
登板の内容はもちろん文句なしのもので、期待に応えたものでしたが、色々と伝わってくるレポートの中には「そんなことを考えながら登板していたのか」とビックリさせられるものがありました。どうやら菅野は打者の攻め方に上空の雲の流れを気にしていたらしいのです。ランナーを置いた初回の場面、続くバッターは四番のマギーでした。通常では四番バッターの内角を攻めることは憚れる場面ですが、マギーが右バッターだったことで、上空の雲の流れがレフトからライト方向だと見抜いた菅野は、逆風だから大丈夫だと強気に内角を攻めたのだとか。この沖縄の球場の風はグラウンドレベルと上空では違うからと、球場の旗ではなく、上空の雲がどう流れているかを気にしながら投げていたっていうのです。誰かがアドバイスをしたのかもしれませんが、元々、登板のたびにそういったことを考える習慣があるのかもしれません。もしもそうだとしたら、通常では考えられない次元の野球脳を持っているのではないか思います。
インタビューはそれこそプロで何年も飯を食べてきたんじゃないかと思えるほど落ち着いたものでした。昨日の宮國のそれと比べたら大人と幼児の差ほどある感じです。少し不満の残る内容の投球だった前回の紅白戦と違い、今回は本人も納得の投球ができたことが伝わってくる内容のインタビューです。ホッとしたという思いと、抑えた自信が入り交じったような喜びの話ぶりでした。
しかし、どうやら健気で初々しいルーキーだと思ってはいけないのかもしれません。川口コーチによると、菅野はまだまだ決め球を隠しており、こんなもんじゃないようなのです。インタビューの中に「菅野さんにとってのウイニングショットは何でしょうか?」という質問がありましたが、その言葉の裏には、川口さんに「決め球を隠している」という話を聞いていたアナウンサーが、「まだ得意の球種があるんじゃないですか?」「何時その封印は解くのですか?」という意味を込めていたと思います。それを菅野は「全球を決め球にしたい」と上手くとぼけている。悪意に取ることはない話ですが、早くも情報戦を始めているような感じで、ルーキーにしてはあまりにレベルが高い話だと受け止めてしまいます。
その球種とは何なのか?それをスライダーだという人もいますし、フォークだという人もいます。この日の登板ではストレート、カーブ、カットボールは確認できましたが、他の半速球系の球は何が何だかよく分かりません。ワンシームを投げていたとのことですが、顕著な変化は無く、テレビ画面を視聴していただけでは判別不可能でした。しかも、菅野とはきれいな回転の球を投げられるにもかかわらず、打者にとっては全ての球が動いて見えるという話もあります。今のところ正体不明というのが私にとっての菅野の印象です。
※菅野インタビュー、レポートともにG+の中継中にあったもの
菅野インタビュー
アナ:初めての対外試合を終えて今いかがですか?
菅野:えーまぁ思ったよりか良かったです。はい。
アナ:どんなテーマを持って今日はマウンドに上がったんでしょうか?
菅野:そうですね。前回球数を課題に挙げてたんですけど、今日は50球以内に収めたいなということで、まぁ、うまく収まったかなと。後はあのメリハリを付けてピッチングしようということで今日はマウンドに上がったんですけど、まぁボールにするところはボールにして、勝負するところは勝負してっていうメリハリを上手く付けられたかなと。
アナ:緊張感はありませんでしたか?
菅野:いやー昨日の夜はちょっと緊張してたんですけど、もう今日マウンドに上がった時はもう、楽しもうと決めて、はい。
アナ:先頭バッター聖澤選手にちょっと粘られてましたが、最後のボールはあれカーブですか?
菅野:カーブです。はい。あの前回の紅白戦の時も加藤さんに粘られたので、そん時もうちょっと緩急を付けられたら良かったなっていう反省もあったので、その反省を生かせたかなと思います。
アナ:どうなんでしょう?色んなワンシームですとかカットボールですとかお持ちですが、菅野さんの考える決め球と言うかウイニングショットは何になるんですか?
菅野:そうですね。基本的には初球から打ってもらいたいですけど、究極の話はやっぱり全球決め球にできればいいかなと思ってます。
アナ:あと、三回には聖澤選手を一塁ランナーに置いてのピッチングになって三振を奪ってましたけども、あの辺りっていうのはどうでしょう、手応えというのはどうですか?
菅野:そうですね。まぁ、ツーアウトなんで走ってくるかなって思ったんですけど、まぁ、セットポジションを長く持ったりとか、牽制も1球入れましたし、自分なりに工夫して、まぁ、(楽天側に)どういうサインが出ていたか分からないですけど、自分なりに工夫して投げられたんで良かったです。
アナ:今日はご両親もいらっしゃっているようですが、どうでしょう。どんなお話をされましたか、試合前は?
菅野:そうです。昨日の夜に会ったんですけど、まぁとにかく、まぁいつも通りやればいいからと言ってもらいました。
アナ:改めて開幕が徐々に近づいてますが、ファンはもう開幕三連戦で投げてくれればというファンも多いんですが、そのあたりいかがですか?
菅野:そうですね。自分もそこを目標にしていますし、えー去年一年間待ってくれたファンの方もいると思うので、えーそういった応援してくれている人のためにも、まだまだ頑張らないといけないなという気持ちもあるんで、えーまぁ今日3イニング抑えましたけれども、またもう一度気を引き締めてこれから練習に励んで行きたいなと思っています。
アナ:最後に改めて、将来的にはどんなピッチャーになりたいですか?
菅野:えーそうですね。自分がジャイアンツに入りたいと思ったように、菅野投手のいるジャイアンツに入りたいんだっていうふうに小さい子どもたちや、野球をやってる少年たちが思ってくれるような選手になりたいなって思います。
アナ:活躍を楽しみにしています。
菅野:頑張ります。ありがとうございます。
菅野のレポート1
「菅野ですが、初回にツーアウト一塁で、四番の右バッターマギーを迎えた場面がありましたが、その時に沖縄の上空の雲を見たそうです。沖縄の風っていうのは、上空とグラウンドレベルでは違うんだと。それなんで旗ではなくて雲を見ました。そうしたらレフト方向に風が吹いていなかったんで、ツーアウトで四番バッター右バッターでなかなかインコースというのは攻められないんですが、攻めました。逆風だと思ったんで。そんなことを言ってましたね。結果、三振に討ち取りました」
菅野レポート2
「(球種の話が出ましたので・・)真っ直ぐに見えるボールは、川口投手総合コーチによればワンシームだということを言ってましたね。やはりストレートに見えてストレートじゃないというボールを持ってるのは非常に強みだと。で、水野さんの話もありましたが、『聖澤をランナーに出しての間、あの間は素晴らしい!』ベンチの野手もみんな『あれじゃ走れないよな』というふうに言っていたそうです」
菅野レポート3(川口コーチ談話)
「立ち上がりは少し上擦ったが、その後はビシビシ投げていた。で、決め球はまだ投げていないんじゃない。まだ隠しているんじゃないか」「バッターが思わず打ちに行ってしまうというピッチングは本当に素晴らしい。次の登板は5イニング位を考えています」
原監督菅野について談話
「色々な思いでマウンドに上がっただろう。いいピッチングだった。今日の登板は忘れることのできない貴重な経験だろう」
菅野が本当の正体を見せるのは何時になるのか気になるところです。しかし、これから先も登板のたびにその才能を小出しにしつつ、「オレはまだまだ隠してるモノがあるんだぜ」とミステリーを感じさせながら菅野は登板を続けるのかもしれません。なんだかこの投手はどうも能力の底が見えないというか測り切れない部分を感じます。ともあれ、菅野のことは引き続き注目して行きたいと思います。
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