両軍のトップバッターが巨人のドラフト指名選手だった週末の六大学早慶戦
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舎人
2015年11月02日 02:26 visibility1260
昨日の土曜日は茶柱さんと神宮球場まで六大学の早慶戦を見に行ってきました。東都野球リーグや全国大会を見に神宮球場に行ったことは何度もあるのですが、六大学のしかも早慶戦に実は今まで一度も見に来たことがありませんでした。何だか実力者同士の戦いという点以外の注目や人気が、どうも白けた気分にさせてきたからでした。ところがその早慶の両チームから巨人はドラフトで選手を指名してしまった。これはいい機会かもしれない。こういったことでもないと、私のようなひねくれ者はこのような華やかなイベントを見物することはないかもしれない。そんな思いを秘め、表向き重信と山本を見に行くということを口実に、人生初の早慶戦を見に行ったのでした。
先に到着していた茶柱さんが「凄い人の数です」とメールをくれました。試合開始から少し送れて球場に到着すると、メールの通り内野席は満席で立ち見状態。階段を昇って二階席で席を確保してくれていた茶柱さんと合流します。俯瞰した球場はアマチュア野球の試合とは思えないほどの観客です。レギュラーシーズンのヤクルト戦よりも観客が多い感じ。素晴らしい活気で、この数万の観客のうちどれだけ両校の関係者がいるか分かりませんが、どちらかに思い入れを持って応援できたとしたらさぞかし楽しいだろうなと思いました。私の目に映った早慶戦とは、野球というものを通じた言わば「お祭り」でした。旗を振りエールを上げて応援する観客たちはお神輿を担いでいるのです。私はそのお祭り見物に来たようなものだったのです。
さて、そういったお祭り的な盛り上がりがある一方で、グラウンドでは優勝を賭けた真剣勝負が繰り広げられていました。早稲田大が2勝をすれば優勝、慶応大も2勝すればプレーオフとなり優勝の可能性もある。そんな厳しい状況の中での対戦。そして、その両軍のトップバッターが両名とも巨人からドラフト指名された選手だったのです。
ドラフト2位指名された早大の重信は先輩で元ヤクルトの青木にプレースタイルが良く似たタイプのスピード感溢れる選手でした。この日2安打とマルチヒットだったのですが、初回の内野安打はイージーなゴロかと思いきやセカンドの送球よりも足が優るという俊足によるものでした。また、七回の剛腕加藤から放ったヒットは、速球に力負けせず逆方向に強く弾き返したクリーンヒットでした。内角が打てないだの、速球に弱いだの、マイナス面が囁かれていましたが、初回のヒットは内角の厳しいコースを捌いたものでしたし、七回のヒットも高めの151キロを力負けせず打ち返したものです。この秋に初の首位打者を獲得したように、現在進行形で打撃が成長しているのでしょう。守備機会はほとんどありませんでしたが、打者ごとにポジショニングを変え、自分のところに球が飛んで来ない時もまるで内野手のように絶えずスタンバイしている姿勢には好感が持てました。
一方の慶大の山本はヒット1本を含む5出塁。早大先発の小島がどうも投げ難そうにしていたせいか、1打席目から4打席目までいずれも四死球での出塁です。その後第5打席目に小島に変わって吉野という右のアンダースローと対戦したのですが、この変則投手から詰まりながらも見事にレフト前ヒットです。バッターボックスの中でホームベースにギリギリまで近づいて打つスタイル。これは内角が好きというよりも内角に投げられるのを防ぐための取り組みのように感じます。ところが、吉野から打ったヒットはその内角を厳しく突かれたものを打ち返したのでした。また山本のショートからの送球は見事な強肩でした。ルーキーの頃の二岡さんのよう。七回には重信の三塁進塁を防ぐ好判断の守備もあったのですが、難しい体制からジャンプしてからスローイング!華のある守備も見せました。
平成27年10月31日(土) 東京六大学野球慶応大対早稲田大(神宮球場)
一回表、投手三宮
重信:フルカウンからセカンド内野安打(B、B、B、S、S、内角ストレート)
一回裏、投手小島
山本:カウント3-1から四球(B、S、B、B、低めストレート)
二回裏、投手小島
二死一二塁
山本:カウント2-0から左手グローブに死球(B、B)
三回表、投手三宮
先頭バッター
重信:ストレートの四球(B、B、B、外角ストレート)
五回表、投手三宮
一死走者なし
重信:カウント1-2から空振り三振(S、F、B、外角ストレート)
五回裏、投手小島
先頭バッター
山本:フルカウントから四球(B、F、B、F、B、F、低めストレート)
七回表、投手加藤拓
先頭バッター
重信:カウント2-1からレフト前ヒット(F、B、B、高めストレート)
河原の打席で重信が二盗
七回裏、投手小島
一死走者なし
山本:カウント3-1から四球(B、F、B、B、高めストレート)
八回表、投手加藤拓
二死一塁
重信の打席で捕逸
二死二塁
重信:フルカウントからセンターフライ(F、B、B、B、Sw、真ん中低め変化球)
九回裏、投手吉野
一死なし
山本:カウント2-2からつまりながらレフト前ヒット(S、B、B、S、内角シュート)
重信 4打数2安打1四球1盗塁
山本 1打数1安打3四球1死球
日曜日は自宅でゆっくりと中継を見ました。重信は今日も2安打です。昨日今日の計4本のヒットは内角→高め→低め→外角といったように全て違ったコースだったことに驚きを感じます。このヒットゾーンの広さが上位指名の決め手になったのでしょう。山本の方は残念ながら早大の技巧派左腕大竹の前に連続三振を含む4打数ノーヒットに終わってしまいました。ただ、満塁の場面で迎えた第三打席、あるいは本塁打かという大きなフライを放ちました。身長は176センチながらこの秋のシーズンだけで3本塁打を放っているように小力のある選手のようです。
平成27年11月1日(日) 東京六大学野球早稲田大対慶応大(神宮球場)
一回表、投手大竹
山本:カウント2-2から空振り三振(133キロ、108キロB、B、131キロF、外角116キロ)
一回裏、投手加嶋
重信:フルカウントからサードファールフライ(108キロB、133キロB、116キロB、133キロB、134キロS、内角132キロ)
三回表、投手大竹
二死走者なし
山本:フルカウントから空振り三振(93キロB、98キロB、94キロB、128キロS、126キロS、F、93キロF、低め96キロ)
三回裏、投手加嶋
二死走者なし
重信:カウント1-1からセンター前ヒット(96キロS、120キロB、低め129キロ)
五回表、投手大竹
二死満塁
山本:カウント1-0から後1メートルで本塁打の大きなライトフライ(98キロB、外角132キロ)
五回裏、投手加嶋
二死走者なし
重信:カウント2-1からレフト線二塁打(B、123キロB、131キロS、真ん中外より127キロ)
七回裏、投手三宮
一死走者なし
重信:カウント1-0からセカンドゴロ(120キロS、アウトロー120キロ)
八回表、投手大竹
山本:カウント1-2からショートゴロ(112キロSw、123キロS、122キロB、外角96キロ)
重信 4打数2安打
山本 4打数0安打
いずれドラフトの話をまとめる時に話そうと思っているのですが、巨人がドラフトで指名した選手というのは、ドラフト会議の直近に急成長した選手が多いのです。それが1位指名の桜井であり、2位の重信であり、5位の山本なんです。そのためにドラフト関係の雑誌の評価は秋の成績から比べると一段から二段低くランク付けされている。したがって「太郎」や「アマ野球」の評価が低くても、そこまで残念がるドラフトではなかったのかもしれません。まぁ、だからといって華が満たされる訳ではありませんが、それは今年指名された彼らの頑張りによって満たしてもらいましょう。重信にも山本にもいつかチームに華を満たしてくれる要素が十分にあると私には思えました。
次は神宮で投げる桜井が見てみたいと思います。プロ入り前の桜井対重信の対戦が実現したら、後々語り草になるかもしれません。
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