正解率トップが意外な結果だったスポーツ新聞各紙のドラフト1位予想2016&今年の正直球団とブラフ球団

  • 舎人
    2016年10月29日 04:54 visibility2656

 

今年もドラフトが終わり、続々と指名された選手たちの情報や、指名あいさつの話題が飛び交っています。昨年同様、これから何回かに分けてドラフトのことをまとめて行こうと思っていますが、その手始めに例年やっているスポーツ新聞6紙のドラフト指名予想がどうだったかです。過去6年間のうち日刊スポーツが4度の的中率1位になっています。ところが昨年はスポーツ報知とスポニチが的中率1位だったのです。この2紙はどちらかというと例年的中率が低い方なのですが、昨年は汚名返上とばかり好結果だったのでした。今年はどうだったのか?
 
2016年ドラフト一位結果
広島
 田中 正義×→佐々木 千隼×→加藤 拓也
日本ハム
 田中 正義×→佐々木 千隼×→堀 瑞輝
巨人 
 田中 正義×→佐々木 千隼×→吉川尚輝 
ソフトバンク
 田中 正義◎
DeNA
 柳 裕也×→佐々木 千隼×→濱口 遥大 
ロッテ
 田中 正義×→佐々木 千隼◎
阪神
 大山 遥輔(単独指名)
西武
 今井 達也(単独指名)
ヤクルト
 寺島 成輝(単独指名)
楽天
 藤平 尚真(単独指名) 
中日
 柳 裕也◎ 
オリックス
 山岡 泰輔(単独指名)
 
スポーツ報知一位指名予想 
広島
 田中 正義(正解)
日本ハム
 田中 正義(正解)
巨人 
 田中 正義(正解)
ソフトバンク
 田中 正義(正解)
DeNA
 田中 正義(外れ)
ロッテ
 田中 正義(正解)
阪神
 佐々木 千隼(外れ)
西武
 田中 正義(外れ)
ヤクルト
 佐々木 千隼(外れ)
楽天
 田中 正義(外れ)
中日
 今井 達也(外れ)
オリックス
 柳 裕也(外れ)
的中率5/12 
 
スポーツニッポン一位指名予想 
広島
 田中 正義(正解)
日本ハム
 田中 正義(正解)
巨人 
 田中 正義(正解)
ソフトバンク
 田中 正義(正解)
DeNA
 佐々木 千隼(外れ)
ロッテ
 田中 正義(正解)
阪神
 佐々木 千隼(外れ)
西武
 今井 達也(正解)
ヤクルト
 寺島 成輝(正解)
楽天
 田中 正義(外れ)
中日
 今井 達也(外れ)
オリックス
 田中 正義(外れ)
的中率7/12 
 
日刊スポーツ一位指名予想 
広島
 田中 正義(正解)
日本ハム
 田中 正義(正解)
巨人 
 田中 正義(正解)
ソフトバンク
 田中 正義(正解)
DeNA
 寺島 成輝(外れ)
ロッテ
 田中 正義(正解)
阪神
 佐々木 千隼(外れ)
西武
 田中 正義(外れ)
ヤクルト
 佐々木 千隼(外れ)
楽天
 佐々木 千隼(外れ)
中日
 今井 達也(外れ)
オリックス
 山岡 泰輔(正解)
的中率6/12
 
サンケイスポーツ一位指名予想 
広島
 田中 正義(正解)
日本ハム
 田中 正義(正解)
巨人 
 田中 正義(正解)
ソフトバンク
 田中 正義(正解)
DeNA
 寺島 成輝(外れ)
ロッテ
 田中 正義(正解)
阪神
 佐々木 千隼(外れ)
西武
 佐々木 千隼(外れ)
ヤクルト
 佐々木 千隼(外れ)
楽天
 佐々木 千隼(外れ)
中日
 柳 裕也(正解)
オリックス
 山岡 泰輔(正解)
的中率7/12
 
デイリースポーツ一位指名予想 
広島
 田中 正義(正解)
日本ハム
 田中 正義(正解)
巨人 
 田中 正義(正解)
ソフトバンク
 田中 正義(正解)
DeNA
 寺島 成輝(外れ)
ロッテ
 田中 正義(正解)
阪神
 佐々木 千隼(外れ)
西武
 田中 正義(外れ)
ヤクルト
 佐々木 千隼(外れ)
楽天
 田中 正義(外れ)
中日
 今井 達也(外れ)
オリックス
 山岡 泰輔(正解)
的中率6/12
 
東京中日スポーツ一位指名予想 
広島
 田中 正義(正解)
日本ハム
 田中 正義(正解)
巨人 
 田中 正義(正解)
ソフトバンク
 田中 正義(正解)
DeNA
 寺島 成輝(外れ)
ロッテ
 田中 正義(正解)
阪神
 佐々木 千隼(外れ)
西武
 田中 正義(外れ)
ヤクルト
 田中 正義(外れ)
楽天
 田中 正義(外れ)
中日
 今井 達也(外れ)
オリックス
 山岡 泰輔(正解)
的中率6/12
 
2016年成績 
1位 スポーツニッポン 7/12
1位 サンケイスポーツ 7/12
3位 日刊スポーツ 6/12
3位 デイリースポーツ 6/12 
3位 東京中日スポーツ 6/12 
6位 スポーツ報知 5/12
 
例年に比べ、各紙大きく的中率を落としています。ここまで予想が外れたのはここ数年で最も大きかったようです。それだけ各球団が思案をしたということなのでしょう。田中正義の指名はほぼ各紙的中させていますが、佐々木に関しては全紙1位指名を予想していました。それがまさかの入札なしです。この展開は誰も予想できなかったのでした。
 
今年の的中率1位はスポニチとサンスポでした。スポニチは2年連続でトップだったことになります。スポニチというと話題性優先で、正確さに欠ける印象があったのですが、ことドラフトに関してはしっかりとしてきたようです。それに対し報知は最下位に逆戻り。巨人のことばかり的中率が高くてもいけません。
 
今年の結果に基づいて2010年から2016年までの7年間の的中率を算出してみたのですが、若干の入れ替わりがありました。
 
2015年成績 
1位 スポーツ報知 11/12
1位 スポーツニッポン 11/12
3位 日刊スポーツ 10/12
4位 サンケイスポーツ 9/12
4位 デイリースポーツ 9/12 
4位 東京中日スポーツ 9/12  
 
2014年成績 
1位 日刊スポーツ 9/12
2位 スポーツニッポン 8/12
2位 デイリースポーツ 8/12
4位 サンケイスポーツ 7/12
4位 東京中日スポーツ 7/12 
6位 スポーツ報知 6/12  
 
2013年成績 
1位 日刊スポーツ 10/12
1位 サンケイスポーツ 10/12
3位 スポーツニッポン 9/12  
4位 スポーツ報知 8.25/12  
5位 東京中日スポーツ 8/12  
6位 デイリースポーツ 7/12 
※スポーツ報知は巨人の指名を4名までしか絞れなかったため的中率1/4とした。
 
2012年成績 
1位 デイリースポーツ 10/12
1位 東京中日スポーツ 10/12
3位 スポーツ報知 9/12  
3位 スポーツニッポン 9/12  
3位 日刊スポーツ 9/12  
3位 サンケイスポーツ 9/12 
 
2011年成績 
1位 日刊スポーツ 11/12
2位 サンケイスポーツ 10/12
2位 デイリースポーツ 10/12
4位 スポーツ報知 9/12
4位 スポーツニッポン 9/12
6位 東京中日スポーツ 8/12
 
2010年成績
1位 日刊スポーツ 11/12 
2位 スポーツ報知 9/12 
2位 サンケイスポーツ 9/12 
2位 デイリースポーツ 9/12 
5位 東京中日スポーツ 8/12 
6位 スポーツニッポン 7/12
 
 
2010年~2015年 総合成績
1位 日刊スポーツ 60/72   的中率83%
2位 サンケイスポーツ 54/72 的中率75%
3位 デイリースポーツ 53/72 的中率74%
3位 スポーツニッポン 53/72 的中率74%
5位 スポーツ報知 52.25/72     的中率73%
6位 東京中日スポーツ 52/72 的中率72%
 
2010年~2016年 総合成績
1位→ 日刊スポーツ 66/84   的中率79%
2位→ サンケイスポーツ 61/84 的中率73%
3位→ スポーツニッポン 60/84 的中率71%
4位 ↓デイリースポーツ 59/84 的中率70%
5位 ↑東京中日スポーツ 58/84 的中率69%
6位 ↓スポーツ報知 57.25/84     的中率68%
 
トップ2に変動はなし。しかし、スポニチが単独3位になり、デイリーが4位転落、5位と6位が入れ替わり、報知が最下位になりました。
 
さて、今年も各球団の的中させられた確率です。正直さを戦略にする球団とブラフや沈黙を戦略にする球団など様々ありますが、そこからは各球団の体質と傾向が浮き上がって来ます。各球団の指名の傾向を考える上で、恰好の検証材料なのです。
 
当てられた確率 2016
広島 6/6
日本ハム 6/6
巨人 6/6
ソフトバンク 6/6
ロッテ 6/6
オリックス 4/6
西武 1/6
ヤクルト 1/6
中日 1/6
楽天 0/6
DeNA 0/6
阪神 0/6
 
昨年は8球団が指名を的中させられたのですが、今年は5球団に減っています。また、全紙外した球団ですが、昨年は阪神1球団だったものが、今年は3球団に増えています。2年連続して全紙に的中されているのはソフトバンク、巨人、日ハム、広島の4球団、逆に2年連続して全紙外したのは阪神でした。かつての阪神はほぼ全紙に的中される球団だったのですが、昨年、金本監督が就任してからは、意表を突くドラフトを続けています。これは金本さんが監督を続ける限り同じようなことがあり得るのではないかと思えます。
 
過去に話したことの繰り返しですが、それぞれの球団は3つにカテゴライズされるのです。その1つ目がほぼ100%指名候補が割れてしまう球団。これは指名候補を隠した所で何ら影響がないと割り切っている。もしくは、そうすることで他球団の入札回避を期待している。巨人や広島などです。2つ目はその年その年によって、公表したり、隠し通したりしてマスコミを戦術の材料にする球団。日ハムや中日など。阪神もここ2年の傾向はこの2番目にカテゴライズされるでしょう。 3つ目は秘密主義の隠密球団です。楽天や西武などです。ロッテも昨年まではそんな感じでした。
 
これらの方針のどれが正解とか、賢いとかはないのだと思います。しかし、今年のように、佐々木の入札なし→外れ入札で5球団競合なんて喜劇めいたことが起こるのを見ると、あまり考えすぎても行けないのかなと思えて来ます。
 
当てられた確率 2015
ヤクルト 6/6
ソフトバンク 6/6
巨人 6/6
日本ハム 6/6
広島 6/6
西武 6/6
中日 6/6
楽天 6/6
DeNA 5/6
オリックス 4/6
ロッテ 2/6
阪神 0/6
 
当てられた確率 2014
阪神 6/6
日本ハム 6/6
広島 6/6
西武 6/6
DeNA 6/6
巨人 5/6
ヤクルト 5/6
ソフトバンク 2/6
中日 2/6
オリックス 1/6
ロッテ 0/6
楽天 0/6
 
当てられた確率 2013
阪神 6/6
広島 6/6
ソフトバンク 6/6
DeNA 6/6
オリックス 6/6
巨人 5.25/6
中日 5/6
ヤクルト 5/6
日本ハム 3/6
楽天 2/6
西武 1/6
ロッテ 1/6
 
当てられた確率 2012
日本ハム 6/6
巨人 6/6
中日 6/6
ソフトバンク 6/6
ヤクルト 6/6
広島 6/6
阪神 6/6
オリックス 6/6
横浜 6/6
西武 2/6
楽天 0/6
ロッテ 0/6
 
当てられた確率 2011
中日 6/6
ソフトバンク 6/6
ヤクルト 6/6
巨人 6/6
阪神 6/6
広島 6/6
横浜 6/6
ロッテ 6/6
オリックス 4/6
楽天 3/6
西武 2/6
日本ハム 0/6
 
当てられた確率 2010
ロッテ 6/6
巨人 6/6
ヤクルト 6/6
オリックス 6/6
広島 6/6
横浜 6/6
阪神 5/6
ソフトバンク 3/6
楽天 3/6
中日 2/6
西武 2/6
日本ハム 1/6
 
当てられた確率 2010~2015
①広島 36/36 100%
②DeNA 35/36 97%
③巨人 34.25/36 95%
④ヤクルト 34/36 94%
⑤阪神 30/36 83%
⑥ソフトバンク 29/36 81%
⑦オリックス 27/36 76%
⑦中日 27/36 76%
⑨日本ハム 22/36 61%
⑩西武 19/36 53%
⑪ロッテ 15/36 42%
⑫楽天 14/36 39%
 
当てられた確率 2010~2016
①→ 広島 42/42 100%
②↑ 巨人 40.25/42 96%
③↓ DeNA 35/42 83%
③↑ ソフトバンク 35/42 83%
③↓ ヤクルト 35/42 83%
⑥↑ オリックス 31/42 74%
⑦↓ 阪神 30/42 71%
⑧↑ 日本ハム 28/42 67%
⑧↓ 中日 28/42 67%
⑩↑ ロッテ 21/42 57%
⑪↓ 西武 20/42 48%
⑫→ 楽天 14/42 33%
 
 
このドラフトの指名予想結果や当てられた確率は今後も毎年続けて行けたらと思います。単年だけでは見えてこないことが、歴年で俯瞰することで見えてくることは楽しいものです。
 
さて、今後の予定ですが、退団した選手たちの振り返りをした後に、ジャイアンツのドラフトをまとめて行きたいと思っています。週刊ベースボールでは50点だったように、あまり芳しくない評価が多い巨人のドラフトが、前評判と照らし合わせたら果たしてその通りだったのかを検証して行きたいと思っています。

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