巨人の2016年ドラフトを振り返って(3)各論2 一年間で評価が乱高下した高田萌生の真価
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舎人
2017年02月20日 06:02 visibility4669
前回の更新から少し時間が経ってしまいましたが続きです。その前に少しだけ補足をさせていただきます。ドラフトというものは次のシーズン戦うための戦力補強と、将来を見据えての戦力補強の両方を考えなくていけないものだと思います。しかし、巨人は昨年の本ドラフトで6人の投手を指名したものの、このうち間違いなく今シーズン戦力になる見込める投手というのは誰一人指名できなかったのではないかと思います。畠、谷岡、池田といった面々は、どうやら何らかの育成なり矯正が必要で、戦力として目処が立つのは早くてシーズン中盤以降、おそらく本格的に戦力になるのは来シーズン以降ではないかと思います。こういった投手を指名した思惑を考えるに、即戦力として戦力になって欲しいと願いつつも、「まぁ出てくるのが数年先でも仕方ない」という将来性という保険を考慮して指名されたのではないかと思います。つまり即戦力と育成という両にらみで指名された。2位以下をいきなり高校生投手で埋めてしまう勇気がなかった巨人は育成型の大社投手指名という、なんとも都合のいい考えでお茶を濁してしまったように思うのです。
畠たちは残っていた大社の投手の中ではそれなりにスケールも意識されて選ばれた投手だったのでしょう。しかし、どうも中途半端な感は否めません。なんだか即戦力にも、将来の戦力にもならないで終わってしまう懸念すら感じます。前回話した通り、今シーズンに限ると、彼らは何らかのコマにはなるかもしれません。しかし、それが必要不可欠なコマかどうかというと、同じようなステイタスの投手は現在の巨人には数多くいる気がしますし、仮に戦力になったとしても、彼らは数あるコマの一つに終わってしまうに過ぎないでしょう。最初からそんなつまらないものを期待した指名は如何なものか。そのように考えていくと、無理をして即戦力性にこだわる必要はなかったのではないかとつくづく思ってしまいます。ましてやドラフトが終わってから狂ったように実績のある投手をかき集めたのを考えると、なおのことこの中途半端な半即戦力投手の指名が不可思議に思えてきます。
バリバリの即戦力が残っていなかったなら、覚悟を決めて高校生の有望株を指名して育成し、数年後の台頭を期す。どうしてこういった大望を抱けないのか。これも巨人の編成の臆病さから来たことに違いありません。今更ながら呆れかえるばかりです。戦力になるのかどうだか分からない同じようなステイタスの投手が今の巨人には多過ぎると思います。キャンプが始まる前に、先発ローテーションを16人で争うって記事が出ていましたが、「過ぎたるは及ばざるが如し」その弊害を考えているのだろうか。使えるかどうか試さなくてはいけない選手の多さは、諸刃の刃です。もちろん少なければいけませんが、多すぎても身動きが取れなくなる。巨人の当面の課題は、どうやって戦って行くかの前に、まずは使えるかどうかの選手の検証、つまり「品定め」です。それだけでも大変な作業。そうするとチャンスが与えられるのが後回しになるのは、決まってファームで育っている選手ということになるのです。
もっとも私が問題視しているのはこういった指名方針の問題で、スカウト達が畠たちのことを高校生まで含めて即戦力性も将来性も文句なしの最高の素材だと信じて奏上したのなら仕方ありません。これはスカウトの「眼力」の問題です。畠たちの指名が、かつての石川歩(ロッテ)や高木勇人といった目利き指名なのか、村田透や土本といった節穴指名なのかは今後を見守るしかないということです。
さて、今回は4位指名の高田から育成2位指名の加藤まで、下位指名された4投手と高校生外野手1人について考えてみたいと思います。多方面で酷評され、私も大いに疑問が残った巨人の2位の指名以下ですが、高田、大江、廖の3人は下位指名ながらそれぞれが個性豊かで、もしかしたらチームの柱に成り得る存在だと思います。2位の畠から4位の池田までをこの3人とそっくり入れ替えてもおかしくないかもしれない。それだけ2位から4位までの指名の評価が微妙だったこともありますが、昨年のように投手が豊作でなかったら、間違いなく2つか3つ指名順位が高くなってもおかしくない面々だったと思います。育成で指名された高井も、唯一の高校生野手の加藤も魅力たっぷりな感じ。それでは、いつも通り各紙の評価を広げてみて、彼らがどういった存在なのかを浮かび上がらせてみることにしましょう。
野球太郎(ドラフト直前大特集号)2016年9月24日発売
アマチュア野球(ドラフト2015)2016年10月5日発売
週刊ベースボール(2015ドラフト大展望)2016年10月11日発売
野球人(Vol6 ドラフト候補選手最強名鑑号)2016年10月12日発売
スポーツ新聞各紙 評価は10月19日紙面(報知は18日)、寸評は10月21日紙面
週刊ベースボール(2015ドラフト総決算号)2016年10月25日発売
野球太郎(ドラフト総決算&2016大展望号)2016年11月28日発売
各紙の評価のランク
野球太郎(◎→◯→△→なし)
アマ野球(AA→A→BA→B→C→なし)
週刊ベースボール(横綱→大関→関脇→小結→前頭1~17→なし)
日刊スポ(特A→A→B→C→なし)
スポニチ(A→B→C→なし)
報知(横綱→大関→関脇→小結→前頭1~15→なし)
サンスポ(A→B→C→なし)
デイリー(特A→A→B→C→なし)
トーチュウ(特A→A→B→C→なし)
※野球人は著者の安倍昌彦さんの一人ドラフトによる
ドラフト5位 高田萌生の各誌寸評
野球太郎(ドラフト直前大特集号)総合評価:B+ 即戦力度C+(◎)
・どんな選手?/メジャー時代の松坂大輔(現ソフトバンク)に憧れ、鍛錬を積む中で球速は154キロまで上がった。キレのあるスライダーも高校生では屈指のレベル。上背のなさを挙げるプロ側の声もあるが、サイズ的には高校時代の松坂とは同等だ。ストレートの球質を上げていくことで可能性は大きく広がる。
・プロでの成功イメージ/変化球の習得具合により、リリーバーとしての可能性に期待を集めることも十分。
・プレーヤータイプ/佐藤達也(オリックス)
アマチュア野球(ドラフト2016)評価:A
松坂2世の呼び声高い中国No.1右腕。夏の甲子園ではまさかの乱調も最速152キロをマークして実力の片鱗は見せつけた。ボール自体の威力は問題ないだけに、上位指名の可能性も十分にあるだろう。
週刊ベースボール(2016ドラフト大展望)評価:前頭8
マウンド度胸は満点/鋭い腕の振りから投げ込む最速152キロの速球が武器。100キロ台のカーブなど変化球を交えて緩急で打者を翻ろうする。牽制やクイックも巧みで、マウンド度胸も十分に兼ね備える。甲子園には3年春夏に出場しており、投手としての総合力を高く評価されている。
野球人 評価:3位指名相当
・3年間の歩み/快速右腕のスーパー高校生としてドーンと登場し、2年生で〈150キロ〉に達して「創志の高田」の名前は一躍全国区になったが、今春のセンバツ、今夏の甲子園と、結局全国の大舞台で評判通りの快投を見せてくれることなく〈3年間〉を終えた。確かにボンヤリ見ていると速いし、数字も出すのだが、そのわりに強豪相手にはよく打たれる。よ~く見てみた。最初のストライクはきれいな逆スピンで走るのに、勝負球になるとシュート回転になる速球が相変わらず多い。そのへんなのか?
・進路指導 待った/高校生で〈150〉が出せること自体すばらしいが、一方で〈質〉を伴わないと勝負には使えない。フィニッフュで帽子が飛びそうになるのは首を使って投げているからで、それが体の開きにつながっているのか。もうひと勉強を。
日刊スポーツ 評価:B
最速154キロの直球を軸に変化球も有効に使える先発完投型投手。今夏の甲子園で味わった悔しさをバネに、プロで飛躍を誓う
スポニチ 評価:A
最速154キロの直球に、切れ味鋭いスライダーは一級品。状況判断光る
報知 評価:前頭5
「松坂大輔2世の異名を取る右腕。今夏、今年の甲子園最速タイ記録の154キロをマーク
サンスポ 評価:A
夏の甲子園で152キロを記録した快腕
デイリー 評価:B
ソフトバンク・松坂をほうふつさせる投球フォームから最速154キロの直球を投げ込む。精神面が成長すれば、チームのエースになれる逸材。
トーチュウ 評価:特A
ソフトバンク・松坂をほうふつさせる投球フォームから最速154キロの直球を投げ込む。精神面が成長すれば、チームのエースになれる逸材
週刊ベースボール(2015ドラフト総決算号)
右の本格派で、投球フォームから松坂(大輔)二世の呼び声。じっくりと二軍で育成する。
野球太郎(ドラフト総決算&2016大展望号)大成して評価を見返そう!
・どんな選手?/レッドソックス時代の松坂大輔に憧れて作ったフォームから154キロを投げるまでに。鋭角に流れるスライダーも高校生では屈指のレベル。上背のなさ、ストレートの質を問う声や、夏の甲子園の結果もあっての5位指名。評価を見返すか。
・未来予想図/球種の少ないスピードタイプで1軍活躍の近道はリリーフか。高卒下位指名から活躍する松田遼馬(阪神)らのイメージが重なるが、スケールアップを続け松坂大輔のの後継者となれるか。
高田という投手の寸評に必ず登場するのは、「最速154キロの直球」という言葉です。どうやら今年の高校生投手の中で最速を記録したのが、高田だったようなのですが、これは3年夏の岡山県大会予選の準々決勝で記録したもののようです。さらに高田は夏の甲子園大会でも大会最速となる152キロを叩き出しています。松坂大輔がノーヒットノーランで優勝投手となった1998年の夏の生まれ。その松坂を研究して作り上げた投球フォームです。巨人のドラフトはこの高田を5位で指名していなかったら、もっと評価の低いものになっていたのではないかと思います。夏の甲子園の前ならば、間違いなく上位指名候補だったようです。寺島や藤平といったドラフト1位で指名された投手と比肩し得る存在だった。それがなぜ5位まで残っていたのかを考えることで、この高田という投手のことが分かる気がします。
まず高田の評価を下げているのは、身長の低さです。178cmというのは決して低くはない。しかし、現在のプロ野球界の基準では右の180cm未満の投手は、マイナスポイントになってしまうようです。次に気になるのが速球派投手の割に少ない三振の数です。昨年の春夏合わせて3試合23回2/3を投げて三振は16のみ。夏の予選でも5試合38回を投げて奪三振は33と、投球イニングを下回っています。同じ右投手で甲子園に出場した今井(西武D1位)は41回を投げて奪三振44、藤平(楽天D1位)は13回を投げて奪三振20、彼らに比べると高田は奪三振率が明らかに低いようなのです。どうやらその理由は球質の問題のようです。「野球人」で安倍さんが指摘しているように勝負所で球がシュート回転するクセがあり空振りを奪えないと考えた方がいいのかもしれません。
しかし、高田の評価を下げた最大の理由は昨年夏の甲子園での大炎上でしょう。1回戦の盛岡大付属戦で3回までは順調に投げていたものの、4回から突然おかしくなり10失点、6回途中でマウンドを降りてしまったのでした。これはどこか故障してしまったのではないかと心配されるものでしたが、どうやら故障ではなく、脱水症状のような状態になってしまったからのようです。この大舞台で活躍できる強靭な肉体と精神があれば、高田と今井の指名順位は逆になっていたかもしれません。登板で結果を残すことは投手としてのスケールを大きくするものです。苦しさを乗り越えた自信は、その投手のバックボーンになるからです。巨人にはかつて高校生の年齢で入団した林イーハウや李イーフォンなどがいましたが、彼らに足りなかったのは、そういったバックボーンだったと思います。今井と高田の差とは、フィジカルなことでもテクニカルなことでもなく、そういった背景によるものだと思います。
高田はこの甲子園での苦い経験を糧にプロ入りしたのですが、大成する幾つもの要素を持っていると思います。まず、投球フォームがきれいなこと。松坂を真似ていると言いますが、人によっては桑田(真澄)に似ているそうです。クセのないきれいな投球フォームの投手は、物事の飲み込みが速く、正確にこなすようになる。また、故障が少ない。夏の甲子園で肩肘を酷使しなかったことも高田に幸いしました。正確面でも高田はマジメで好感が持てます。周りがストップをかけないと、いつまででも走り込みをしていたりするらしい。同じような話をソフトバンクの武田の高校時代に聞きました。
ケガが無く順調に育てば数年後、由規のような快速投手としてローテーションの一角を担っている気がします。ただし、私は心配なことが1つ。高田は一人っ子なのです。兄弟型信者の私にとって、それは大変重要なこと。日本球界において一人っ子で大成した投手は極めて少ない。113勝19Sの江本孟紀さんか38勝81Sの西村健太郎くらいではないかと思う。まぁ、そんなことを心配しているのは私くらいかもしれませんが・・
ドラフト6位 大江竜聖の各誌寸評
野球太郎(ドラフト直前大特集号)総合評価:◯
小柄ながら思い切り腕が振れて最速148キロ。1年夏から大舞台を経験し、マウンド上で存在感も十分
アマチュア野球(ドラフト2016)評価:BA
1年夏から主戦。上背はないが下半身が強く、140キロ台後半をマークする。
週刊ベースボール(2016ドラフト大展望)評価:なし
強気の投球が持ち味/打者の内角を突く投球が持ち味。最速148キロの直球にカーブ、スライダー、フォークを投じて打者に的を絞らせない。1年夏から甲子園のマウンドに上がるなど経験は豊富。今年6月から約1カ月で計100キロの走り込みを課すなど、努力を惜しまぬストイックな性格はプロ向きだ。
野球人 評価:3位指名相当
・3年間の歩み/昨秋、今春は都大会決勝で敗れ、最後の夏は準決勝で涙をのんだ。この1年、勝負運は今一つだったが、その間に小さな体に目一杯〈投げるエネルギー〉を充電して、この秋、ドラフトに臨む。立ち上がりだけ乗り切れば、そこからは尻上がりにパワーを上げ、最終回にその日のベストボールを投じることも珍しくない。タテ、横のスライダーにフォークも空振りを奪える鋭さと制球力を持ち、典型的な先発タイプだ。負けん気の強さは1本やられた後の鬼気迫る投球で証明してくれる。
・進路指導 OK/打者の実力を見計らいながら投げて、たまには失投をカキン!とやられるが、その後をつぶしにいく迫力は〈高校生〉じゃない。クイックもできるし、刺しにいくタイミングに二進を許さぬバント処理もすでに〈大人〉の域に。
日刊スポーツ 評価:B
左右を問わず打者の内角を攻める強気な投球スタイルが持ち味。1年時から主軸投手を任され、甲子園の大舞台も経験済みだ
スポニチ 評価:B
最速148キロを誇る関東左腕四天王の一人。内角をえぐる強気と制球が武器
報知 評価:なし
1年夏に続く2年春の甲子園で1試合16K。最速149キロの剛腕
サンスポ 評価:B
甲子園でも活躍した完成度の高い左腕
デイリー 評価:B
1年夏にチームを悲願の夏の甲子園に導いた。最速148キロの直球とカーブ、スライダーなどの制球力も良く的を絞らせない。練習意欲も高い。
トーチュウ 評価:B
1年夏にチームを悲願の夏の甲子園に導いた。最速148キロの直球とカーブ、スライダーなどの制球力も良く的を絞らせない。練習意欲も高い
週刊ベースボール(2015ドラフト総決算号)
小柄だが、投げっぷりの良い左腕。直球は140キロ中盤だが、緩急がきく。ネクスト田口麗斗。
野球太郎(ドラフト総決算&2016大展望号)気の強さで押していけ!
・どんな選手?/1年夏から甲子園で活躍し、度胸満点のマウンド捌きが魅力のサウスポー。140キロ台をコンスタントに叩き出せるスピード能力がある反面、細かいコントロールに欠け、一辺倒なところが玉にキズ。キレがあり空振りを誘えるが、球威に欠けるので長打を喰らいやすい。
・未来予想図/将来的には先発よりも、リリーフで才能が開花するのでは?自ら奮い立たせて盛り上げてゆくタイプで、ピンチでこそ力を発揮するポスト山口鉄也。
大江の寸評で最も目立つ言葉とは「強気のピッチング」というものです。プロ向きの性格ということではないかと思います。おそらく豊作でない例年のドラフトならもう一つ二つ指名された順位が上だったでしょうし、スペック的にも田口と被って見えてきます。安倍さんは巨人のドラフトで吉川の次に評価していたのがこの大江ですし、数年後振り返って、もしかしたら、この年のドラフトで「最もモノになっているのが大江だった」なんて気もしてきます。
大江が注目され始めたのは、1年夏に二松学舎大付属高を甲子園に導く投球をしたことに始まります。2年春の選抜にも出場。この頃はストレートの球速が140キロに届くかどうかといった感じで、上背の無さも相まって、本格派というにはやや物足りない印象を持たれていたようです。それが2年、3年と学年が進むにつれてステップアップし、ついには3年夏の地方予選では最速149キロを記録するまでになったのです。すると、3年夏の予選の5回戦となった都立小山台高戦では16奪三振を挙げ、一躍スカウトに存在をアピールの大活躍。その試合では1回裏にヒットでランナーを許してからは、9回まで一人もランナーを許さない快投ぶりだったそうです。
特長としては内角を強気に攻める投球スタイルにあるようですが、試合における勝負所を心得ており、全球100%の投球ではなく、力を抑える場面では力を抜き、勝負所ではギアを上げるというクレバーさを持ち合わせている様子。しかし、そういったクレバーさは、時として大きな落とし穴に陥ることがあるのでしょう。つまらない場面でポカをやることで、大ケガとなるような投球をしてしまう。大江が登板した試合のレポートを読むと無死ないし一死からの二塁打や、二死からの四球から失点しているというのが幾つかあるのです。立ち上がりも悪く、今年の夏の地方予選では初戦となった足立学園戦、準々決勝の江戸川高戦でいずれも初回失点。準決勝の東亜学園戦でも2回に失点しているのです。目標は杉内だそうですが、立ち上がりの悪さまで真似てはいけません。
まだまだ、心身ともに成長過程で、これからプロで鍛えられ、ステップアップしていくことで欠点は補われていくことでしょう。活躍予想は田口と同等とみて、3年後に5勝としたいと思います。
ドラフト7位 廖任磊の各誌寸評
野球太郎(ドラフト直前大特集号)評価なし
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アマチュア野球(ドラフト2016)評価なし
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週刊ベースボール(2016ドラフト大展望)評価:なし
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野球人 評価:なし
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日刊スポーツ 評価:なし
パイレーツのルーキーリーグ帰りの今ドラフトの隠し玉右腕。2メートル超えの長身から投げ下ろす最速152キロの直球で打者を圧倒
スポニチ 評価:なし
2メートル超えの長身から最速152キロを繰り出す。マイナーも経験した剛腕
報知 評価:なし
巨体から繰り出す最速152キロは威力満点
サンスポ 評価:なし
巨体から力強い速球を投げる素材型の投手
デイリー 評価:なし
最速152キロの直球を投じる。日本の高校を卒業し、米ルーキーリーグにも所属。台湾の大学を6月に卒業。
トーチュウ 評価:なし
最速152キロの直球を投じる。日本の高校を卒業し、米ルーキーリーグにも所属。台湾の大学を6月に卒業
週刊ベースボール(2015ドラフト総決算号)
米国挑戦も経験した2メートル152キロ右腕。日本の高校を出ておりドラフト指名が必要(日本人枠)。
野球太郎(ドラフト総決算&2016大展望号)球界をどよめかす活躍なるか
・どんな選手?/2メートル、120キロを超える巨体から投げ込まれる、迫力満点の投球が魅力。150キロ前後というストレートの球速に目が行くが、基本はボールを動かしてバットの芯を外す投球を得意としている。課題はコントロールの不安定さであり、ここをいかに改善できるか。岡山共生高卒のため、ドラフトを経ての入団となった。
・未来予想図/日本球界でこのサイズの育成経験は乏しく、成長過程、未来像が描きにくい。それも一つの楽しみ。
フロント入りしている大森さんが2015年11月に台湾で行われたウインターリーグで投げているのを見て一目惚れしたことでこの指名につながったとのこと。その時は10試合に登板し、4セーブ、防御率1.50とまずまずの好成績だったらしい。そのままかつての林や黄のように外国人として日本に連れてくるつもりが、日本の高校を卒業していることでドラフトを経なくてはならない。それがこの隠し球的指名の真相のようです。
1973年8月の生まれということは松本竜や今村と同い年の2011年のドラフト時に高校3年生だったということです。しかし、2011年のドラフト関連の資料に廖任磊の名前はありません。2012年にも名前がない。卒業した岡山共生高では県大会のベスト8まで進出したらしいのですが、高校時代はどうやら全くの無名投手だったようです。
2メートルを超える身長に125キロの体重とくると、野球ではなく、別のスポーツの方が向いている気がしてきます。アジア人でこれだけ大きな投手が活躍するのは見たことがありませんし、想像もつきません。しかし、それだけ興味がそそられる存在でもあります。現にこのドラフトで最も翌日の新聞紙面をにぎわせていたのは、1位指名の吉川を差し置き、この廖関連の記事だったのです。
しかし、隠し球だけに情報はあまりありません。MAX156キロとのことですが、動画を確認するとどうもそこまでの剛球を投げている感じではなく、スライダーと動くような半速球中心で打たせて取るタイプのような印象です。本当のところはどうなのでしょうか。台湾人投手というと姜、林、李、黄と何人もいましたが、なかなか大成できずに退団しています。廖には何とか夢破れていった先達たちの大志を貴うして欲しいと思います。活躍予想はほとんどできませんが、今シーズンの登板はないものの、3年以内に一軍で登板するようになり、20イニング、1〜2勝程度挙げるとしておきたいと思います。
育成ドラフト1位 高井俊の各誌寸評
野球太郎(ドラフト直前大特集号)評価なし
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アマチュア野球(ドラフト2016)C
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週刊ベースボール(2016ドラフト大展望)評価:なし
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野球人 評価:なし
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日刊スポーツ 評価:B
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スポニチ 評価:B
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報知 評価:なし
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サンスポ 評価:C
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デイリー 評価:なし
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トーチュウ 評価:なし
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野球太郎(ドラフト総決算&2016大展望号)トルネードから剛球で勝負
・どんな選手?/振りかぶった直後、打者に背中を抜ける独特の“トルネード投法”から最速152キロのストレート、フォークで打者を抑える。高校卒業後、一度は野球を諦め専門学校で調理師資格を習得も、BCリーグを経て夢を掴んだ。今季は下半身強化でトルネードが安定し、球速が10キロ近くアップ。伸びしろを評価された。
・未来予想図/制球、武器のフォークの精度を上げることが先決。短いイニングなら藤川球児(阪神)のように素質を生かすことができる。
動画で見ると野茂さんとそっくりの投球フォームのトルネード投法の投手です。巨人に入ったトルネードというと與那原がいますが、高井の方がより野茂さんに近い投球フォームだと思います。その独特の投球フォームから最速152キロを投げ込むようになったのだとか。高校は東北高校ですが、ドラフト時の2013年の資料に高井の名前はどこを探してもありません。全くの無名でした。年齢からすると田口や楽天の松井、西武の森などと同い年ということになります。あまりにプロを目指すには実力がかけ離れていたことで、高校を卒業するとプロを諦め、調理師の専門学校に入学します。しかし、夢が諦められなくてBCLリーグのトライアウトに参加。そこで新潟アルビレックスから指名され、ここ2年間は主に抑えとして登板してきたのだそうです。アルビレックスに入ってから現在のトルネード投法に挑戦したのだそうですが、下半身強化のおかげで入団時より10キロ以上も球速が速くなったのだとか。大学に行っていたとしたら3年次に相当する21歳。まさに伸び盛りの投手を指名したということでしょう。
球速は確かにあるようですし、打者も威圧感を感じることと思います。しかし、入団1年目の一昨年19試合・1勝1敗・防御率4.35、2年目の昨年が23試合・0勝3敗6S・防御率5.11、成績からするとプロ入りに相応しいものとは思えません。昨年は巨人の三軍とも3試合ほど対戦していて、6月4日と8月11日は共に被安打1の無失点で抑えていますが、8月13日は1点リードの九回から登板すると3安打を集められ3失点、北之園に逆転タイムリーを打たれ敗戦投手になっています。
完全な伸び代期待の指名で、戦力になるのは数年先ではないかと思います。まずは制球を向上させること。次に頼りになる変化球をものにすること。暴投も多いようですし、細かな投手としての所作の習得も課題です。昨年育成で指名された長谷川や矢島、大竹に比べると数段落ちる印象ですし、同じ育成で指名された山川の方がよほど戦力になる未来図が描きやすく思います。それでも育成1位で指名されたのですから、それだけ素材が良いということなのでしょう。活躍予想は廖以上に予測が付かない。正直、かなり厳しいと思う。それでも期待を込めて廖と同じく今シーズンの一軍登板はないものの、3年以内に一軍で登板するようになり、20イニング、1~2勝程度挙げるとしておきます。
育成ドラフト2位 加藤脩平の各誌寸評
野球太郎(ドラフト直前大特集号)△
タイミングの取り方が良く、緩急にも対応。シャープなスイングから外野の間をライナーで抜く。
アマチュア野球(ドラフト2016)C
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週刊ベースボール(2016ドラフト大展望)評価:なし
コメントなし
野球人 評価:なし
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日刊スポーツ 評価:C
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スポニチ 評価:B
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報知 評価:なし
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サンスポ 評価:なし
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デイリー 評価:なし
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トーチュウ 評価:なし
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野球太郎(ドラフト総決算&2016大展望号)鍛錬を積んで全てを伸ばそう!
・どんな選手?/俊足巧打のスラッガー。高校通算28本塁打の長打力に、50m走6秒フラットの俊足も武器。ボールを呼び込む「間」があり、鋭いスイングから広角に打てるのが特徴だ。最速143キロ右腕としても注目されたが、プロでは外野手一本で勝負する。
・未来予想図/トータルで能力は高いが、プロの水準でいったら、全てが足りない。まずは3軍でじっくりと鍛え、将来は走攻守の三拍子が揃った丸佳浩(広島)のようなタイプを目指したい。
加藤という選手は、東海地区では野手として、西武に4位指名された鈴木将平に次ぐ評価を受けていた選手のようです。タイプとしては亀井のような強肩強打の外野手、鋭いライナーで広角に打ち分ける中距離ヒッターとのこと。しかし、投手としても野手としても非凡なものがあるものの、どうやら、全てに渡って突き抜けた何か一つに欠ける選手ということで本指名にかからなかったのでしょう。
他球団では数多くいる若手野手の中に埋もれてしまうと思いますが、巨人においては岡本以来、久々の高卒野手の入団です。安倍さんは「野球人Vol.11」の中で巨人の育成指名に「まずは頭数・・の印象」といった怪訝そうなコメントを書いていますが、この加藤指名に関しては高評価で、「走攻守の総合力に期待する。一軍の〈芽〉を持つ若手が重信だけの外野手で、彼を追える存在になれる素材だ」と話しています。巨人の高卒野手の育成指名は2011年の芳川、2013年の北之園以来のことですが、芳川や北之園が入団テストを経ての指名だったのに対し、加藤は本指名での評価も有り得た選手です。その点では夢を描くに申し分のない選手ではないかと思います。
活躍予想は期待を込めて、4年目の支配下登録にしたいと思います。そのまま順調に成長して本当に亀井のような選手になってくれたら、いや、夢はさらに大きくイチローのような選手になってくれたらなぁ・・と思います。
今回はここまでです。モタモタしていたらもうすぐ教育リーグが開幕ですね。次でこのドラフトの話も終わりになるでしょう。そこで兄弟型の事も話したいと思います。ところで日本で一番詳しいドラフト名鑑は日刊スポーツのものですが、ここには選手の兄弟の情報まで記載されている。しかし、その日刊スポーツにも育成選手の兄弟型は載っていないのです。投手よりも野手の兄弟型はことさら重要ですし、関心の高いところです。先ほど話した加藤の兄弟型が気になって気になって・・しかし、調べてみても、どこにも載っていません。そこでダメ元で茶柱さんを通して加藤本人にツイッターで聞いてみたところ、何と返事が!次回はそのことも含めて話をしたいと思います。加藤クンありがとう!誰よりも応援させてもらうからね。それでは次回も乞うご期待!
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2017年1月15日 -
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巨人の2016年ドラフトを振り返って(4)終 各論3 個性的な育成指名選手たち/ルーキーたちの兄弟型
2017年5月10日
- 事務局に通報しました。
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