動画で振り返る2009年のファーム(3)・逆転サヨナラ負けから始まったオビスポの活躍(5月24日)
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舎人
2009年11月16日 02:35 visibility142
韓国とのクラブチャンピオンシップに勝ち、今年の巨人の戦いが終わりました。
若手がどんどん活躍し、本当に楽しいシーズンでした。
この余韻を今年のオフくらいは春まで楽しめたらと思います。
韓国との一戦で、胴上げ投手になったのはなんとオビスポでした。
松本が最後のフライを捕球すると高々と天に指を指して、
勝利の喜びを体現していましたが、
このオビスポこそが今年ファームから一軍へ送り込まれた
最高傑作だったかもしれません。
シーズンの終盤には、チームに欠かすことのできない
先発投手に成長したオビスポでしたが、
開幕してからしばらくはずっと抑えや中継ぎ要員でした。
それがシーズンの中盤に突然の先発転向・・しかし、結果は大成功です!
登板するたびに自信を付け、マウンドで持てる力を存分に発揮しています。
しかし、なぜオビスポは突然、リリーフから先発に転向したのか?
今日の動画はそのきっかけとなったと思われるものです。
5月24日の本庄で行われた西武との試合、
先発した深田は西武打線を八回まで完璧な投球で封じ込めていました。
被安打3、与四球1、奪三振8、無失点、三塁を踏ませない投球です。
それに対し、巨人打線は2点を先制、安打は10本、
やや残塁の多いことは気になりましたが、
圧倒的に八回まで試合を支配していたのは巨人でした。
深田を最後まで投げさせるのかな??と思っているとオビスポの場内アナウンスです。
ここまでイースタンでは12試合に登板し、自責点0内容です。
数字だけ見ると素晴らしい。
しかし、力むと球が真ん中に集まり、痛打されたり、簡単に四球を出すなど、
常に劇場を覚悟しながら見送らなくてはいけない投手でした。
この日、私は登板前から嫌な予感がしていました。
実は2週間ほど前の5月9日の同じ西武戦で、
オビスポはとんでもない劇場をしていたのです。
5月9日の試合、3点リードでの登板で、
先頭バッターにいきなりツーベースを打たれると、
続くバッターに四球、無死一二塁の場面で送りバントを自らセカンドへ悪送球、
無死満塁となって犠牲フライで1失点、さらにタイムリーで1失点、
その後二死一三塁にしながらも、
なんとか最後のバッターをレフトフライに打ち取りましたが、
そのレフトフライというのも後少しでホームランという危ないもので、
打たれた瞬間やられたと思ったほどでした。
この時はただの劇場で済んだのですが、
同じようなことがこの5月24日の試合で再現されたのです。
2対0で迎えた九回裏、オビスポは、まず先頭の原を空振り三振で打ち取りましたが、
次の赤田のイージーなゴロをショート大田がファーストへ悪送球をしてしまったのです。
続く水田にライト前ヒット、一死一二塁となり、次の大島にタイムリーが出て1点差、
なおも一死一三塁となってバッターは巨人から移籍の三浦、
カウントを1-3と悪くし、置きに行った甘いストレートをバックスクリーン右に、
逆転サヨナラのスリーランです。絵に描いたような逆転劇・・サヨナラ負けでした。
タイトな場面ではいつも自分が制御できず、自滅の危険をはらんでいる、
オビスポは圧倒的なポテンシャルを示しつつも、
どうも安定しないレーシングカーのような投手でした。
このリリーフ失敗から一週間後、なんとオビスポは突然先発のマウンドに立ったのです。
昨年は37試合に登板し、全てリリーフで登板しているので、
先発は2007年のチャレンジマッチ以来のことでした。
おそらく首脳陣はリリーフでなかなか安定しないオビスポに、
先発をさせることで気分転換を図らせながら、先発の適性を試したのだと思います。
しかし、その適性試験は大正解でした。
6月1日の先発テストでまずまずの結果を治めると、
6月10日にはイースタンで先発初勝利!
ケガで離脱のクルーンに代わって、一軍に復帰すると、
7月2日には一軍でも先発初勝利、
その後も、周知の通り、一軍二軍ポストシーズンと先発で結果を出し続けたのです。
まさに突然の開花でした。
オビスポの場合は元々、持てる力は十分一軍のものだったのだと思います。
「登板のたびに相手バッターと戦っていたのではなく、自分との戦いだった。
それが先発に転向したことによって、余裕を持って自分と向き合えた。」
オビスポの開花の原因を私はそんな風に解釈しています。
この先のオビスポですが、自分を制御することがさらに自在になれれば、
また再びリリーフに転向しても成功すると思います。
しかし、5月24日の試合で、オビスポがリリーフに成功していたら、
オビスポは一軍と二軍を行ったり来たりの投手のままだったかもしれません。
どんなことが幸いするか分かりません、まさに、「人間万事塞翁が馬」です。
オビスポ2009年成績
03月20日 二軍 抑え 1回 0安打 四死球0 三振00 失点0自責点0
03月28日 二軍 中継○ 2回 2安打 四死球0 三振02 失点0自責点0
03月31日 二軍 中継 2回 0安打 四死球0 三振02 失点0自責点0
04月07日 二軍 中継 1回 0安打 四死球1 三振02 失点0自責点0
04月08日 二軍 中継 2回 1安打 四死球1 三振03 失点0自責点0
04月11日 二軍 中継 1回 0安打 四死球0 三振00 失点0自責点0
04月12日 二軍 抑えS 0回1/3 0安打 四死球1 三振01 失点0自責点0
04月17日 二軍 中継 1回1/3 1安打 四死球1 三振02 失点0自責点0
04月19日 二軍 抑え 1回 0安打 四死球0 三振02 失点0自責点0
04月23日 二軍 中継 0回2/3 1安打 四死球0 三振02 失点0自責点0
一 軍 登 録
04月26日 一軍 中継 1回 1安打 四死球0 三振00 失点1自責点1
04月28日 一軍 中継 1回1/3 0安打 四死球1 三振01 失点0自責点0
05月04日 一軍 中継 0回1/3 3安打 四死球0 三振00 失点1自責点1
登 録 抹 消
05月09日 二軍 抑えS 1回 2安打 四死球1 三振02 失点2自責点0
05月12日 二軍 中継 1回 0安打 四死球1 三振00 失点0自責点0
05月24日 二軍 抑え● 0回1/3 3安打 四死球0 三振01 失点4自責点3
←逆転サヨナラ負け
06月01日 二軍 先発 5回 2安打 四死球3 三振07 失点1自責点1
06月10日 二軍 先発○ 7回 4安打 四死球2 三振07 失点0自責点0
一 軍 登 録
06月21日 一軍 中継 0回1/3 0安打 四死球0 三振01 失点0自責点0
06月27日 一軍 中継 1回 0安打 四死球1 三振03 失点0自責点0
07月02日 一軍 先発○ 6回2/3 7安打 四死球3 三振06 失点1自責点1
07月09日 一軍 先発○ 7回1/3 4安打 四死球1 三振06 失点0自責点0
07月15日 一軍 中継 2回 2安打 四死球1 三振01 失点1自責点1
07月17日 一軍 中継H 0回2/3 0安打 四死球0 三振01 失点0自責点0
07月22日 一軍 先発○ 9回 6安打 四死球1 三振07 失点2自責点2
07月28日 一軍 先発● 7回 6安打 四死球4 三振08 失点4自責点4
登 録 抹 消
08月04日 二軍 先発○ 6回 8安打 四死球0 三振05 失点4自責点4
08月11日 二軍 先発○ 6回 5安打 四死球3 三振12 失点4自責点4
08月19日 二軍 先発○ 7回 4安打 四死球3 三振08 失点0自責点0
08月27日 二軍 先発○ 9回 7安打 四死球3 三振12 失点2自責点2
09月07日 二軍 先発 7回 7安打 四死球3 三振05 失点3自責点3
一 軍 登 録
09月17日 一軍 先発○ 7回 4安打 四死球3 三振07 失点2自責点2
09月23日 一軍 先発○ 7回 5安打 四死球3 三振02 失点3自責点3
09月30日 一軍 先発○ 8回 6安打 四死球2 三振05 失点1自責点1
10月22日 CS 先発○ 5回2/3 3安打 四死球7 三振04 失点2自責点2
11月03日 日シ 先発○ 6回 4安打 四死球2 三振06 失点3自責点3
2009年5月24日(日) オビスポ逆転サヨナラ負け
http://www.youtube.com/watch?v=dQMHkpxj22w
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