巨人の2009年ドラフトを振り返って
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舎人
2009年11月03日 20:27 visibility1568
ドラフトが終わってまだ5日しか経っていないのに、
周りはすっかり日本シリーズ一色。
ドラフトのことなどずっと前のことのようになってしまいました。
私も日本シリーズのことをいろいろ書きたいのですが、
その前にドラフトのことをしっかりと振り返っておきたいと思います。
日シリはまだまだもつれそうなので、
後でゆっくり考えてみることにしましょう。
さて、先日私は今回のドラフトについて、
補強ポイントの則しているかという問いに対しては100点ながら、
夢を追い求めるという点ではなんだかもの足りず、70点のドラフト・・
そんな風に書きましたが、このドラフトから見えてくるのは、
巨人のフロントの現在の戦力について並々ならぬ自信です。
巨人の今年の支配下登録選手の数は67人。
この中で退団が決まっているのはアルフォンゾとバーンサイド、歌藤の3人のみ。
つまり、巨人の現在の支配下選手の数は残り64人という訳です。
それにドラフトで指名の決まった5人を足すと69名。
さらに外国人選手を1人ないし2名補強して70名か71名。
ここから巨人は育成から支配下入りを目指す選手のために、
おそらく来年の開幕時に支配下選手の人数を65名ほどに調整してくると思います。
これはどういうことを意味するかと言うと、
日本シリーズ明けにおよそ5人〜6名を退団させるか、
育成に降格させるとの発表があるということです。
しかし、その退団や育成送りになる選手というのがどうしても見えてこない。
強いて可能性がある選手を挙げるなら、
投手では上野、野手においては岩舘くらいなのです。
なにしろここ3年のドラフトにおいて可能性の高い選手を取りまくり、
その成長待ちの状態。見切るに見切れない選手ばかりなのです。
そんな中での今回のドラフト、指名人数が5名だったのは、
それでも苦しい選択の中、なんとか見切れた選手が5人いたってことです。
それが誰かは分かりませんが、
そのなんとか作り出した5名というギリギリの指名人数の内訳をどう使うかが、
巨人の編成において今ドラフト最大の懸案課題だったと思えるのです。
だから有望な選手が残っていたからといって、
むやみやたらに指名はできなかったのです。
さて、今年の巨人のドラフト指名選手と前評判を見てみたいと思います。
2009年ドラフト 小僧=野球小僧、ア野=日刊スポーツアマチュア野球
1位 長野 24歳 外野(右) 評価 小僧 ◎ ア野 AA
2位 鬼屋敷 18歳 捕手(右) 評価 小僧 △ ア野 A
3位 土本 24歳 投手(右) 評価 小僧 無 ア野 B
4位 市川 24歳 捕手(右) 評価 小僧 無 ア野 C
5位 小野 24歳 投手(右) 評価 小僧 △ ア野 BA
2009年ドラフト[育成]
1位 星野 25歳 投手(左) 評価 小僧 無 ア野 無
2位 河野 18歳 捕手(左) 評価 小僧 ○ ア野 BA
3位 陽川 18歳 内野(右) 評価 小僧 △ ア野 C
4位 大立 22歳 投手(左) 評価 小僧 △ ア野 無
5位 神田 21歳 投手(右) 評価 小僧 無 ア野 無
いつもながら巨人のドラフトは本当に分かりやすい。
欲しいと思ったものをとことん指名しまくる方針です。
1位指名の長野は別枠として、今年の方針は阿部の次の世代の捕手と、
セットアッパーを任せられる速球派投手だったのでしょう。
だから最初から指名の内訳は長野+捕手2名+即戦力投手2名だった。
捕手に関しては5年先を見据えての指名、投手2人に関しては来季を見据えての指名です。
清武代表がドラフトが終わった時に、欲しい選手を全て指名できたと言っていましたが、
これはおそらく本当のことではなかったかと思います。
ポジションに拘らずに、前評判を基に指名したら、
3位以下はもっと評価の高い選手を指名できたことは確かです。
しかし、それをしなかったのは、巨人の編成上の事情があったからなのです。
そしてそれは巨人が自身の戦力に対して自信があったからできたのだと思います。
自身の戦力に自身の無いチームなら、前評判の通りに指名していったかもしれません。
しかしそれは一見良いドラフトに見えて、
実は方針の定まらないドラフトだったとも言えるのです。
捕手の指名は育成選手を入れると3名。
捕手は5年先の巨人を見据えた際、最後まで課題として残ったパーツです。
将来の巨人を背負って立つ選手は、
昨年までにほとんどのポジションで有望な選手を入団させています。
その中で唯一課題として残ったポジションがキャッチャーだったのです。
捕手以外のポジションでは、坂本の入団に始まり、田中、藤村、中井、大田、橋本と
将来性豊かな高校生が次々と入団し、チャンスが与えられています。
それに大卒社会人出身の寺内・円谷・加治前・仲澤などの選手が煽られ、
非常に高い意識で競争が行われているのが現在の巨人のファームです。
現在の技量だけではなく、将来性を込みの起用です。
高卒選手は張り切るでしょうし、大卒社会人出身の選手は、
自分たちに時間がないことを否応なく感じ、
高卒選手には負けていられないと思うでしょう。
その競争が唯一行われていないのが捕手というポジションなのです。
確かに巨人は2006年に伊集院、2008年に谷内田という捕手を入団させました。
しかし、加藤・星・実松の3人との間に大きな実力の差があり、
全く世代間競争が行われていないのが現状です。
鬼屋敷の上位指名は加藤たち3名に大きな刺激を与えることでしょう。
なにしろ鬼屋敷は、末は城島か谷繁かなんて言われています。
前評判から言ったら間違いなく将来の正捕手候補です。
来年ファームで鬼屋敷が今年の大田や橋本のように優先起用されたら、
今までのように加藤たちが順繰りでマスクを被るといったマンネリ化が止まります。
また、市川は加藤たち3人と伊集院・谷内田や鬼屋敷たちとの丁度中間の世代。
上の世代に対してはすぐに迫ってくる存在として刺激になるでしょうし、
伊集院や鬼屋敷たちにとっては直近の目標として意識されることでしょう。
世代間競争を考えた時、重要な存在になる気がします。
投手2人はいずれも150キロを超える速球派右腕です。
評価は低いものの、土本は広島のはずれ1位候補だった投手、
また、小野は阪神やヤクルトの指名が噂されていた投手です。
2人とも上背はないものの、キレの良い速球とフォークが武器とのこと。
おそらく2人ともリリーフを期待しての指名だと思いますが、
これは3連覇中のチームの強さを、
さらに盤石のものとするための指名だったのだと思います。
次に、指名選手の血液型と兄弟型を分かった範囲内で載せてみます。
日刊スポーツほか参照
1位 長野 血液型 O型 兄弟 妹
2位 鬼屋敷 血液型 O型 兄弟 なし(一人っ子)
3位 土本 血液型 O型 兄弟 兄・姉
4位 市川 血液型 O型 兄弟 弟
5位 小野 血液型 B型 兄弟 不明
2009年ドラフト[育成]
1位 星野 血液型 A型 兄弟 不明
2位 河野 血液型 B型 兄弟 兄
3位 陽川 血液型 O型 兄弟 兄(?)
4位 大立 血液型 O型 兄弟 不明
5位 神田 血液型 不明 兄弟 不明
何の根拠もありませんが、スポーツ選手の活躍や将来度は、
血液型や兄弟型が関係していると言われています。
血液型の優劣 B>O=AB>A
兄弟型の優劣 末っ子(兄弟の数は多ければ多いほど良い)>中間子
>長男>一人っ子
以前にも話した通り、長野の兄弟型が長男なのは心配です。
それどころか、鬼屋敷の一人っ子は地雷の危険性すら懸念されます。
逆に今年一番の良い系統はB型末っ子の河野です。
血液型信者の野村監督なら河野を支配下枠で入団させたかもしれませんね。
もっともこういった疑似科学は都市伝説みたいなもので、
いくらでも反証しようと思えばできるものです。
傾向としてそういったことがあるということで、
いくらでもA型や長男で偉大な選手はいるのですから・・
長野も鬼屋敷もあまり相応しくない兄弟型を跳ね返して、
ぜひとも巨人の球史に残る選手になって欲しいと思います。
しかし、それ以上に反証しようのないほど悪いジンクスが、
実は3位指名の土本にあるのです。
その話は次回に・・
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