故 畑田国男さんの「兄弟型分類学」(1)

  • 舎人
    2011年02月05日 06:04 visibility7509





































「今年期待の若手選手たち」のシリーズと平行して、今日から数回に渡って兄弟型の話をします。なかなか面白い話です。

今から20年数年前の週刊ベースボールの巻末の連載に「兄弟型珍獣図鑑」なるものがありました。その執筆者は畑田国男という漫画家で、兄弟型・姉妹型の研究の第一人者でした。畑田さんはとんでもないアンチ巨人で悪意に満ちた巨人の悪口をしばしば書き連ねており、まだ若かった私はいつも憤慨していました。その頃の巨人の4番バッターは原辰徳、チャンスの場面でポップフライを繰り返し、ジャイアンツ史上最もチャンスに弱い4番バッターなどと言われていました。それに対し、当時最も日本球界で恐れられていたバッターは落合でした。ほとんど同じ頃にプロとしてのキャリアを始めた2人でしたが、何が違っていたか?色々と違いはあるでしょうが、その1つが兄弟型だったのです。
原は2人兄弟の長男で妹がいます。この妹が後にドラフト候補生菅野の母親になるのですが、畑田さんは連載で「原のチャンスに弱いのは長男だから。長男の特徴である根っからの真面目人間であることが、『なんとか期待に応えなければ』というプレッシャーのあまり平凡なフライを打ち上げてしまう」などど書いています。それに対し落合は7人兄弟の末っ子なのだそうです。「末っ子は幼い頃から自分をアピールしなければいけないために目立ちたがり。この目立ちたがり精神が大歓声の中でアガルどころか実力以上の活躍をすることができる」
例えとして原と落合の話を出しましたが、そのような傾向は確かにあるようで、この連載がされていた当時、プロ野球選手の43.5%が末っ子だったといいます。これらの話は後に「兄弟型プロ野球珍獣図鑑」として一冊の本になりました。ところが残念ながらこの本は絶版になっており、今では誰ひとり話をする人がいません。当の畑田さんも1996年に亡くなってしまいました。しかし、ここに書かれていることは十分現在に通用することであり、私はもう一度世に問いてみたいと思います。アンチ巨人の畑田さんの考えを生粋の巨人ファンの私が話すのも変ですが、これは後々まで伝えておきたいものだと考えています。

昔から兄弟型については色々と話が出ていて、結婚相談所のベテランのアドバイザーなどは相談者が長男か次男かひとりっ子かをピタリとあてる人がいるといいます。兄弟の型にはそれぞれ何か特殊めいたものがあるのでしょう。私は20代の頃まで山登りに熱中していましたが、両親はそんな私に対してどこから聞いてきたのか「山で遭難すると死ぬ順番というのがあってだな・・『一にひとりっ子、ニに長男、三に女の中に男が1人』・・だそうだぞ」などと脅かしてきました。私の兄弟型は三人兄弟の長男、妹2人がいます。両親にしてみれば遠回しに山登りを止めさせたくてそんなことを言ったのでしょう。その山で死ぬという真偽はともかく、そういった兄弟型によって運命が左右するということは昔から言われていることなのです。

私が今まで日記で選手のことを紹介する時に、時々兄弟型のことを話してきましたが、これは生まれた順番でその選手がこの先どんな経歴を歩み、どんな活躍をするのかを計るため、1つの参考資料として引用したのです。特にドラフトで選手を指名する時ですが、兄弟型はもっと注目されていいことだと思います。広島のスカウトは兄弟型を注目して選手の指名に役立てているそうですが、他ではあまりそういった話は聞きません。しかし、少子化の時代だからこそ選手を計る尺度の1つとして押さえていた方が要素だと思います。
兄弟型の中で最もプロ野球選手として成功例が多いのは末っ子で次に中間子、逆に成功例が少ないのはひとりっ子です。ドラフト候補生が2人いて、2人とも全く同じ評価だったら、末っ子や中間子を選ぶ方がいいのです。昨年のドラフトで興味深いことがありました。巨人が2位指名で本命とされていた一二三をスルーして宮國を指名したのです。何故だろうと不思議に思った人も多かったでしょうが、実は一二三はひとりっ子だったのです。対する宮國は中間子、この指名は純粋に巨人の評価が宮國の方が上だったからだといいますが、スカウトの評価項目の中に広島のように兄弟に関する項目もあったのかもしれません。





































野球小僧第2号 広島渡辺スカウトインタビュー(1999年)

畑田さんの唱える兄弟型とは次のように分類されます。

兄弟型A型=第一子(長子)。初めての子供で、下に弟か妹がいる。
兄弟型B型=中間子。上に兄か姉、下に弟か妹がいる。
兄弟型C型=末っ子。上に兄か姉がいる。
兄弟型D型=ひとりっ子。

この四分方法にかさねて、二人以上の兄弟でありながら、女の姉妹が一人もいない「男ばかりの兄弟を」、特に「M」として、それぞれの型のあとに表示する。

A-M型=男系兄弟の長男
A-M型=男系兄弟の中間子
A-M型=男系兄弟の末っ子

人間の性格や特性は家庭環境、家族関係からつくられていきます。特に、兄弟姉妹の有無、彼らとの関わり合いによって性格や特性は大きく左右されます。畑田さんによるとこの兄弟型は日本人のみならず外国人にも当てはまり、時間を超え、古今東西の人物にも当てはまるそうです。それどころか「猿」に対しても確認することができたとまで言い切っています。

長くなってしまったので今日はここまで。次回は兄弟型A型、第一子(長子)の選手について考えてみたいと思います。

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