今年期待の若手選手たち(6)中井大介

  • 舎人
    2011年02月21日 05:25 visibility1722





本当は中井と田中のことを一緒に話そうとしていたのですが、二人とも思いの外、活躍したシーンが多く、編集にやたらと手間取ってしまいました。中井についてはある程度ヒットシーンを切り取って用意してあったので、そんなに大変でもなかったのですが、田中については撮った時そのままのシーンが多く、橋本の時よりも時間がかかってしまいました。取りあえず二人とも動画のアップはできましたが、今日は中井についてのみで更新し、田中については次回話したいと思います。



さて、私にとって投のロマンの対象が辻内であるならば、打の対象は中井です。2008年の春期教育リーグで初めて見た時からすっかり魅せられてしまい今に至っているのですが、順調だったプロ入り後のキャリアの中で昨年は中井にとって非常に辛く厳しい年だったと思います。一昨年はプロ入り初ヒットに本塁打まで打ったのに、昨年は一軍でノーヒット、2軍においても本来のバッティングができず苦悩の日々が続きました。おまけに試合中に右足を故障し1か月に及び戦線離脱を余儀なくされます。まさに踏んだり蹴ったりといった感じで、プロ入り後右肩上がりだった年俸も、昨年の契約更改では初のダウン!?800万円から780万円へ年俸も下がってしまいました。

 

中井の昨年を振り返ってみると、ケガによって生彩を欠いたシーズンだったように感じますが、実際は違います。むしろケガをした後の方が成績が上がっている感じで、開幕からシーズンの前半に到るまで、長い長い不調に苦しんでいたのでした。昨年のキャンプやオープン戦の頃は調子が良かったのです。絶好調と言ってもいいほどでした。しかし、調子の良さはその時限りで、その後ドツボと形容していいほどの不調に陥ってしまったのです。完全に打撃に迷いが出ていました。今までの中井と何かが違います。角度が上がらず低い弾道の打球がやたらと目立つのです。中井はもっとリストを利かせて打球に角度を付けて飛ばすスラッガータイプのバッターだったのに、なんだかアベレージヒッターのような打球です。



2009年と2010年の打席を何度も見返して思ったことは、2010年の方がやや前傾姿勢に構えていることに気付きます。これは何を意味しているのか?苦手にしていたアウトローの変化球の対応を気にしているのかと当初思っていたのですが、今考えてみるとこれは右の踵に体重を残すことを意識してのことだったのではないかと思います。要するに大田と同じように軸足で打つことを意識するようにしていたからなのだと思います。これがケガから復帰して、ようやく自分の打撃ができていた8月頃のバッティングフォームを見てみると、不思議なことに2009年の結果が出ていた頃のように戻っているのです。大田と同じような軸足打法の呪縛が中井にもあったのではないかと私は思います。



もちろん軸足で打つことの理屈は分かりますが、それをどのような形で自分の打撃に取り入れるかは各打者によって違います。そのあたりのことを大田にしても中井にしても十分踏まえた上で指導されていないのではないか?形から入る指導もあるとは思いますが・・

 









1安打1打点0本塁打 1三振0四死球 打率.333

2安打1打点0本塁打 1三振0四死球 打率.429



2打数2安打1打点0本塁打 0三振0四死球 打率1.000

1打数1安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率1.000




2三振0四死球 打率.417













ピンチランナーとして出場のみ








2安打0打点0本塁打 2三振0四死球 打率.294




3安打2打点0本塁打 1三振0四死球 打率.265



1打点0本塁打 1三振0四死球 打率.222








7対0と大量リードの七回裏から守備固めとして出場する。九回表打席に入るが清水昭に死球。


4対9と大量ビハインドの八回裏に代打として出場するが、渡辺の前に三振。


七番セカンドでスタメン出場するが、石川の前に三ゴロ右飛打ち取られ、二打席で脇谷に交代。


12対0と大量リードの九回表から守備固めとして出場。打席機会なし。


八番セカンドでスタメン出場するが、ランドルフの前に三振三振三ゴロ右飛打ち取られ、三打席で古城に交代。
















2安打1打点0本塁打 0三振0四死球 打率.204

1打点0本塁打 0三振0四死球 打率.204


2安打1打点0本塁打 0三振1四死球 打率.218


2安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率.220


2安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率.220




2安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率.217


2安打1打点0本塁打 0三振1四死球 打率.220

3安打2打点1本塁打 1三振0四死球 打率.231 累計本塁打1





2安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率.239 累計本塁打1


3安打2打点0本塁打 0三振0四死球 打率.247 累計本塁打1



3安打1打点1本塁打 1三振0四死球 打率.250 累計本塁打2

2打点0本塁打 1三振0四死球 打率.253 累計本塁打2

1打点1本塁打 1三振0四死球 打率.253 累計本塁打3




3安打1打点0本塁打 1三振0四死球 打率.251 累計本塁打3

1打点0本塁打 0三振2四死球 打率.252 累計本塁打3



2安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率.258 累計本塁打3


2安打0打点0本塁打 1三振0四死球 打率.264 累計本塁打3

2安打1打点0本塁打 1三振0四死球 打率.268 累計本塁打3

2安打0打点0本塁打 0三振0四死球 打率.272 累計本塁打3


1打点0本塁打 0三振0四死球 打率.272 累計本塁打3



1打点0本塁打 1三振1四死球 打率.262 累計本塁打3

1打点0本塁打 1三振0四死球 打率.262 累計本塁打3


1打点1本塁打 1三振0四死球 打率.260 累計本塁打4



2安打4打点1本塁打 1三振0四死球 打率.259 累計本塁打5









 









































































































































 


こうやって中井の1年間の打撃成績を俯瞰してみると、絶不調の時に一軍に抜擢され、そこで何を言われたか分かりませんが、より混迷を深めてしまったことが推測されます。ケガをして以降の方がマルチヒットや本塁打が目立つのは、ようやく打撃の迷いを振り切ることができたからかもしれませんが、軸足打法へ強く意識を向けられている中、その軸足を故障したことによるケガの功名だったような気もします。無駄な力が抜けて本来の打撃を思い出したのかもしれません。しかし、このケガは復帰後も完治をした訳ではなく、ずっと違和感が中井を苦しめていたようでした。さほど痛みがない時は、この違和感がケガの功名になったとしても、どうやら痛みが強い時があるらしく、しばしば中井はスタメンを外れたり、途中からベンチに下がったりしています。特に9月の後半はケガの影響によって全く生彩を欠いたままプレーをし、そのままシーズンが終わってしまった感じでした。


 
















今まで本当に順調に来ていただけに昨年のつまづきは本当に残念ですが、これからの中井の将来を考えればこのつまづきもいつか塞翁が馬になることを祈りたいと思います。



中井は昨シーズンが終わるとすぐに故障した箇所を手術したそうです。しばらくは松葉杖をつかなくては歩行できないほどで、このオフの間はずっとリハビリの毎日でした。本当は今春のキャンプに間に合わせる予定だったそうですが、どうやら今でも散歩をするのがやっとの段階のようです。サードのレギュラー争いに本来なら参戦していなくてはいけないというのに、本人も忸怩たる思いでいることでしょう。しかし、ここは焦らずじっくりと直し、シーズンに入ってから満を持してレギュラー争いに加わって欲しいと思います。2009年の終盤に一軍でも結果を出しているだけにケガさえ癒えれば自信もあることでしょう。







動画を見るとやはり右方向への打球に魅せられてしまいます。本当に美しい弾道です。このバッティングが早く戻ってくることを今はひたすら待ちたいと思います。



中井大介 2010年の活躍!



中井大介2009年イースタンでの活躍




中井大介2008年イースタンでの活躍




次回は今回やり残した田中についてです。乞うご期待!














































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