【回顧録】ずっとずっと忘れない


Campionato segunda

Jornada 44

Yokohama Fulie1-4Shonan(Colina del Mitsuzawa 14:00)

2,Silvio(Yokohama Fulie)
40,Barisic(Shonan)
59,Toda(Shonan)
70,Kakimoto(Shonan)
73,Sano(Shonan)

ハーフタイムだった。いつものように喫煙所にてすーさんらとトークしていた。神妙な面持ちで祐三さんが来た。

「ウチ、15人クビだよ… 信じられるか?ほとんどいなくなるよ。良和や裕哉はわかってたと思うけど、吉野もバリシッチもだよ。そしてヤスも、もうウチでは契約しない。後はどうなるかわからない。意味ねえよ今日は。結果なんてどうでもいいし。応援どころじゃない。」

絶句した。確かに裕哉と良和はわかってた。だけどバリもトモも…

そしてヤスまでが…

バリが決めて追いついてよかった。ヤスも先発で右サイドを蹂躙し、湘南DFを翻弄。元気な姿がみれてよかった。そしておそらく来季は湘南に戻ってくるのだろう。それだけ思っていた前半。全ては衝撃の名のもとに暗転した。

頭が真っ白なまま、後半は始まった。

選手たちは、何かが違った。目が違った。前へ、ヤスのために。愛する友のため、ひたむきな心。いつもは打てないはずのシュートが面白いようにゴールを襲う。

59分、公祐のパスを受けた戸田が右足一閃。素晴らしいミドルが決まる。

戸田が看板を飛び越えた、雄叫びをあげる。トモが戸田に駆け寄った。ユニをめくる。シャツの中には「9」ヤスのユニを着ていた。力強く指差し、雄叫びをあげる。

トモ、おまえ自分もいなくなるんだぜ。一番好きだと言ってはばからなかったベルマーレ。おまえも最後の試合なのに自分ではなくヤスのために…

もう涙が止まらなかった。これほど悲しく切ない感情はなかった。思えば、EFSがどんなに文句を言ったときでも不甲斐なかったときでも、批判の矢面に立って俺たちの話、ちゃんと聞いてくれてたのはいつもトモだった。なぜダメなのかも説明し、傷つくことを恐れなかった。熱い熱い漢だった。

そんなトモに同じ55年度生まれとしての誇りを持った。どんなときでもチームのために…その姿は不器用なヤツだったのかもしれない。だがそんなトモが大好きだった。

もうあいつとサッカーできない。仲間だったから。一番かけがえのないヤツだったから。

ミチが頭でネットを揺らす、中には坂本の「18」を着ていた。ユニを脱いだ代償の黄紙など関係ない。

3分後、4点目、裕哉が圧巻のミドルを決めた。彼もまた雄叫びをあげ、ユニを脱いだ。俺は最前列まで走った。もう顔はくしゃくしゃだった。

決まれば決まるほど悲しさは増した。どうしようもない感情はCURVAを支配する。それは声として昇華され時を刻む。坂本クンは祐三さんに「泣くな、我慢しろ」と促されていた。その祐三さんの目は真っ赤だった。ヤスが2枚目の黄紙を貰い退場。ヤスコールを起こす。その目は涙だった。

試合は終わった。

何もかもが終わったような気分。トモは泣いていた。また涙が止まらなくなった。下にはヤスのユニの他に「LA DOCE」EFSのシャツを着ていた。トモの愛情が伝わってきた。きっともっとウチでサッカーがしたかったんだろうな。

フリエのセレモニーの最中、マサ、白井さん、裕哉、良和が挨拶にくる。彼らもまた、いなくなる。

一人トモがCURVA前に走ってきた。「ヤスとみんなと写真をとろう」

セレモニーが終わるのをじっと待った。

終了後、ヤスは一目散にこちらへ走ってきた。フリエユニの下には「9」を来ていた。トモと抱き合う。(写真中)3枚も4枚も涙ながらにスタンドへ投げ入れる。ヤスもCURVAも涙だった。

最後にみんなで記念撮影。同じく来季はいなくなる浮気さんも駆け付けてくれた。白井さんらいなくなる選手がほぼ顔を揃えて記念撮影。

最後くらいは笑顔でいたいから。

とにかく皆どこかでまた会おう。

最後に、「声がかかったときは絶対にもどってきますから!」

ヤス、またいつか一緒にサッカーしような。

2005.12.3

ずっとずっと忘れない




































































 

 

 

 

 

あれから半年が経とうとしています。

 

 

 

ヤスは草津へ行き、早くもサポーターから愛される存在となり4ゴールをあげ神戸キラーになっています。トモは隣町のフリエへ移り、中盤のポジション奪取に必死です。裕哉は長崎へと移り、一人Kyuリーグでは別格のプレーを魅せている模様。マサはセレッソでベンチ入りする試合が増えてきました。試合出場まであと一歩!良和はまだ決まりません。今は水戸の練習生として契約を勝ち取ろうと必死です。白井さんは仙台で最終ラインを支え、浮氣さんは刈谷でコーチ兼選手として刈谷の歴史を作り上げている最中です。

 

 

 

いろいろと明暗は別れたかもしれない。だけどまた彼らとサッカーしたいって気持ちはずっと持ち続けてます。みんな大きくなって帰って来いよ。















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