ジダンの引退へ・・・

  • Pichichi
    2006年05月11日 10:16 visibility139


先週末のVillareal戦でジダンがReal MadridのホームSantiago Bernabeuの観衆に最後の雄姿を見せた。
また一人、世界を魅了し続けた芸術家がピッチを去ろうとしている。

フランス代表が世界を圧倒した98年W杯から2000年Euroと時同じくして、ジダンは絶頂期を迎える。すべてのタイトルを欲しいままにする。

ジダンには数々の印象深いプレーがあるが、彼は世界一美しくサッカーをするプレヤーだった。高く足を上げてのコントロールや器用に身体をつかってルーレットを繰り出す様子は、まさにバレエダンサーを思わせるような優雅さがあった。

2003年に初めてスペインに渡りBernabeuでジダンのプレーを見たとき、そのオーラと一流選手の中でも一際輝く存在感に吸い込まれる想いだったのを覚えている。
その頃のMadridの試合を上から見ると、ジダンの周りには半径約3mほどの誰も侵入できない空間が感じられた。
それ以上近づくと、たったワンタッチのトラップで、または、ドリブルであっさりとかわされてしまうため誰もその空間には踏み込めない様子だった。敵はただただジダンを取り囲み、しかし何もできずに見守るしかなかった。

数々の輝かしいプレーの中でも、もっとも印象深く忘れられないシーンがある。
Euro2004のフランスvsイングランド。
最後まで非常に緊迫した好ゲームで、後半ロスタイムに入り得点は1−0でイングランドがリード。誰もがイングランドの勝利を疑わなかった。

MadridのSol広場の近くにあるスポーツバーでこの試合を見ていた。ヨーロッパ各地からMadridに来ている人々がこのバーには集まっていたのだが、イングランドのシャツを着た人が多かったのを覚えている。数分後、一人のフランス人の魔法によってそこは静まりかえることになる。

フランスがゴール前絶好の位置でFKを得る。
もしこれが決まっても同点。外れればイングランドの勝利は確実。そんな厳しい状況の中、ジダンの勝利への気迫が奇跡を起こす。

彼の右足から放たれたボールはものすごいスピードとキレでイングランドの壁の上すれすれを抜けゴールに突き刺さった。いろいろなFKからのゴールを見てきたがここまで圧倒的に美しいものは見たことがない。

雄たけびを上げるジダン。。
普段、物静かで淡々とプレーする彼がここまで気持ちを前面に押し出して見せたのは初めてだった。あれほどの緊迫感の中、これ以上ないパフォーマンスを出してきたジダン。超超一流の証。

しかし、奇跡はこれで終わらない・・。
興奮冷めやらぬわずか1分後。時計は93分を回ったところだった。
フランスはここでPKを得る。

もちろんキッカーはジダン。

このさらに緊張が高まるなか、
彼は自信に満ちた表情で、悠々とこのPKを決めてしまう。。
まるでこうなることが彼にはわかっていたかのように・・。

94年のW杯決勝でのR.バッジョ。去年のCL決勝でのシェフチェンコ。超一流といわれるプレーヤーが、プレッシャーに打ち勝てずPKを外してきた。
ジダンの中にその恐怖はなかったのだろうか・・・






ピッチの外でみる彼はいたってシンプル。黒や白の落ち着いたいろのシャツにスッキリとした細身のジーンズをいつも好んで身に着けていた。物静かで、静かにすんだ深い目をしていた。

ジダンはこの6月。W杯を最後にピッチを去る。
最近は調子も安定せず、なかなかキレを見せられずにいるが、
最後のW杯に全身全霊をかけて臨んでくるに違いない。
最後に世界を震撼させるプレーを、その魔法をもう一度だけ見たい。


France v. England 〜Zidane FK
http://www.youtube.com/watch?v=uMVLjyjj5S8&search=zidane%20england

France v. England etc..(ちょっとパロディ系だけどPKも入ってる)
http://www.youtube.com/watch?v=-krM6erRs7M&search=zidane%20england

ちなみにこの試合でベッカムはPKを外しているのね。。あぁ、無常。

































































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