中田英寿の決断。

中田の現役引退発表には驚いた反面、
正直ほっとした。

中田が現在まだ日本のベストプレーヤーであることは疑いもないが、ここ数年の彼のプレーは僕の目には痛々しく映っていた。

それは肉体的な衰えではない。

彼の魂の叫びではなかったろうか。

日本のトッププレーヤーとして、そして世界の一流プレーヤーとして、自分のもてる力すべてを発揮し責任を全うしながらも、この２、３年間彼の魂はサッカーでは満たされることはなく、責任を果たそうと働き続ける強靭な肉体に引きずられ、ピッチでは悲鳴を上げていたように思う。

最近の中田からは心身のエネルギーがシンクロがしたオーラを感じることはなかった。


引退にはさまざまな形がある。
中田が選んだ形はもっとも彼らしいものだったと思う。

全力は尽くした。やるべきことはすべてやった。

長く続ければいいというわけではない。彼はこの１１年という一流選手にとっては比較的短いプロ生活を濃密なものにしすべてを凝縮してきた。

彼の人生哲学に反することなく、これ以上プロを続けることは無理だったと思う。

このタイミングで引退することで、彼の未来を無駄に潰さずにすんだのではないか。


中田の性格を象徴するような完璧な引き際。
最後まで超一流のプロフェッショナルであり続けた男に賞賛を送りたい。

そして・・感謝を。
ありがとう。


この先も中田英寿を追い続けたい。
そう思わせる魅力が彼にはあるから。