
試合に勝って、成績に負けた
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和田浜
2009年12月01日 21:29 visibility63
11月29日、どらドラパーク米子東山陸上競技場でガイナーレ鳥取はV・ファーレン長崎と対戦しました。
JFLは最終節でした。この試合でガイナーレ鳥取が勝利し、ソニー仙台FCが敗れれば、順位が逆転し、ガイナーレ鳥取はJ2昇格圏内の4位に滑り込むことができました。前回のホームゲームと同様に注目度は高かったです。急遽、日本海テレビも中継を決め、観客も3,998人を記録しました。他にもNHK鳥取と中海テレビが中継していました。
1時1分に試合は開始されました。さすがにJ2昇格が懸かっていたので、キックオフの時刻が近づくにつれて緊張が増していきました。心配していたよりもガイナーレ鳥取の選手は硬くなっていなかったと思います。ウォームアップの前、選手とスタッフが皆で円陣を組み、塚野社長が気合いを入れていました。
序盤、動きが良かったのはV・ファーレン長崎でした。ガイナーレ鳥取は少しずつ動きを取り戻していきました。徐々にガイナーレ鳥取も良い形が作れるようになったのですが、V・ファーレン長崎の好守もあり、ゴール前に詰めても決めきれませんでした。また思いっきりも悪かったです。なかなかシュートを打たず、必要以上にボールを回す悪い癖が出ていました。
先制したのはV・ファーレン長崎でした。ガイナーレ鳥取は攻め上がるものの、あと僅かなところでゴールにはならず、為す術もなくカウンターを決められてしまいました。副審にゴールをアピールしていた分だけ戻りが遅くなってしまった感があります。しかし、かなり早かったので、そのロスが無くても間に合わなかったかもしれません。V・ファーレン長崎の見事な反撃でした。
0-1で前半を終えました。ソニー仙台FCの途中経過が気になるところでしたけど、アナウンスで伝えられることはありませんでした。携帯電話でチェックするかどうかは各々の判断にゆだねられました。逆転を信じ、静かに、見守るように後半はキックオフされたような印象が残っています。
後半26分からガイナーレ鳥取のゴールラッシュが始まりました。右サイドでスローインのボールを受けた岡野選手が攻め上がり、クロスを上げると、鶴見選手が頭で合わせて同点に追いつきました。逆転のゴールも鶴見選手でした。ハメド選手が強烈なシュートを放ち、相手GKが弾いたところを鶴見選手が身体で押し込みました。スタジアムは凄まじい歓喜に沸きました。そして、1分後、左サイドからハメド選手が入れたクロスに岡野選手が反応して、突き放す3点目を決めました。これがガイナーレ鳥取にとって今季のラストゴールとなりました。スタジアムは最高潮で、理想的な展開になりました。そうした中でも岡野選手は冷静でした。両手を広げ、選手に落ち着こうと指示を与えていました。
あとは逃げ切るだけでした。前節とは違って順調に時間は経過していき、時計よりもソニー仙台FCの結果が気になりました。やがてタイムアップを迎えました。3-1で、今季最後の笛が吹かれたのですが、ガイナーレ鳥取のベンチから駆け込んでくる選手やスタッフの姿はありませんでした。その様子からJ2昇格を逃したことが察せられました。5分ぐらいだったでしょうか、少し間があってからソニー仙台FCも勝ったことがアナウンスされました。
今季最後のガイナーレ劇場はサポーターの哀願によって行われました。選手の落胆は大きく、挨拶をしただけでサポーターの前から去ろうとしていました。キャプテンの吉野選手が応えました。涙ながらに言葉を紡ぎ、サポーターも、それを受け入れました。新たな誓いでもあったと思います。
翌日、Jリーグの臨時理事会が開かれました。ガイナーレ鳥取のJリーグ入りは正式に見送られました。それを受け、SC鳥取の塚野社長は来季もJ2昇格を目指すことを表明しました。
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- 事務局に通報しました。
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