努力は人を裏切らない 〜君とみる夢〜

  • ドゥイ
    2006年05月17日 03:15 visibility149

ドイツW杯日本代表23人の選出は、サッカーに興味のある人だけでなく、日本中の大きな関心事であったが、中でもFWに誰が選ばれるかに注目が集まった。5人と想定されていたFW枠のうち、高原、大黒、玉田はほぼ決定的。負傷中の柳沢も、ジーコの期待値の高さから可能性大。残り1枠を、フィジカルに不安要素を抱える久保、Jリーグや代表戦で結果を出し、チャンスをものにしてきた佐藤、巻が争うという構図。

 

大学4年の時、関東選手権で、巻のいる駒大と対戦したことがあった。当時から体を張り、「利き足が頭」というプレースタイルだった巻は、大学サッカー界では活躍していたものの、技術も低くプロでやれるレベルではなかった。むしろ、2トップを組んでいた深井の縦に抜けるスピード、柔軟なクイックネス、技術などのほうが、印象に残っている。まあ、その試合でチンチンにやられたからというのもあるが。。。 

 

その巻がジェフに入ったことは知っていたが、プロに入ってからのプレーを見ることはここ最近までなかった。だから、Jリーグで活躍し始め、代表候補に選ばれた時もピンとこなくて「あの巻がなんで?」って。だが、代表戦などでひさしぶりに巻のプレーを見て「あの巻がなんで?」って驚いた。もちろんいい意味で(笑い)。球際の強さ、ヘディング、技術など、格段にスケールアップし、とくにゴールへの執着心にはすさまじいものを感じた。

 

すごく、うれしかった。大学サッカーレベルだった彼が、代表候補に選ばれるほどの成長をとげることができたのは、真摯に、そして純粋にサッカーと向き合い続けてきた結果だろうから。代表発表前日のナビスコカップの強行出場と、それにともなう清水サポーターのエールも、それぞれの立場でサッカーを愛する人たちの想いが織りなした、幸せなエピソードだった。

 

そういった経緯もあり、代表FWの選出にあたり、個人的には、巻を応援していたのだが、周囲の予想と同様に厳しいだろうなと感じていた。だから、「マァキ」と15日の代表選出会見で、ジーコの口から彼の名前が発せられた時、思わず歓声をあげてしまった。

 

代表に選ばれるほどの選手は、才能にくわえ、だれもが相応の努力を積んできたと思う。ただ、その長いキャリアの中で、やるだけのことをやってきたと自信を持っていえる選手はどれだけいるのかとも思う。その中で「努力は人を裏切らないと感じた」と代表選出後に巻が語った一言に、彼の矜持を感じ、また、彼が歩んできた道が透けて見えてきて、自己完結的に感動をおぼえた。

 

巻くん、本当におめでとう。

これからも君の歩む道を、見続けたいと思います。

自分の夢とかさねあわせながら。

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