【スポーツコラム】ルールを巧みに利用したサガン鳥栖 ベストメンバー規定の意義は何なのだろうか?

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    2013年04月05日 19:49 visibility873

4月3日にカシマサッカースタジアムで行われたヤマザキナビスコカップの鹿島アントラーズ対サガン鳥栖の試合で、サガン鳥栖のスターティングメンバー(スタメン)全員がレギュラーではなかったという事が起こりました。

Jリーグといえば、どんな試合でも常にベストメンバーを組まなければいけないという、いわゆるベストメンバー規定というのがあり、その規定に従わなければ罰金などの処分が下されるというルールがあります。

それなので、サガン鳥栖も当然罰金などの処分が下されると思う人もいるでしょう。

しかし、実はこれはベストメンバー規定に引っかかっておらず、Jリーグが処分を課すことができないのです!

何故でしょうか?それは、ベストメンバーのルールに秘密があります。

<ベストメンバーとは、あくまでスタメンがベストかどうか>

まず最初に、ベストメンバー規定について理解しなければいけないことは、このルールは、その試合のスタメン11人がベストメンバーかどうかが問われるということです。

今回のサガン鳥栖の例を見ると、この試合の4日前のJリーグ公式戦のスタメン11人中、3日のスタメンに選ばれたのは一人もいません!

それならば、明らかにベストメンバーを組んでいないではないか!

そういう意見が出てもおかしくないでしょう。
しかし、サガン鳥栖はルールの盲点をうまくついていたんです。

<ベストメンバー規定の盲点>

ベストメンバー規定をみると、

「当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない」

という規定がかかれています。

注目して欲しいのは、「当該試合直前のリーグ戦5試合」という部分です。

サガン鳥栖は、3日の試合までに6試合を行っていますが、その内訳は、Jリーグの公式戦4試合と、ナビスコカップ2試合です。

Jリーグ公式戦、つまりリーグ戦はまだ4試合しか行われていません。

つまり、ベストメンバー規定の対象となるメンバーを決めるには、あともう一試合リーグ戦を消化しなければいけないということです。

すなわちそれまでの試合では、全員が控えメンバーであろうと、ベストメンバーで試合に臨んでいないといって処分を受けることは全く無いわけです。

サガン鳥栖はそこをうまくついて、主力選手を休ませることに成功しました。

この試合に敗れてしまったことで、サガン鳥栖は手を抜いたといわれても仕方が無いのですが、罰をうけることは全く無いということです。

このやり方が良いかどうかはともかく、今後このやり方を模範とするクラブが出てきた場合、Jリーグが今後どのような態度をとるのだろうか、とても興味深いところですね!

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