奇術師 ハリル監督の華麗な大胆采配!垣間見せた「教育者」「勝負師」の二面性!!



日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督は2つの顔を見せた。1つ目は教育者。そして2つ目は勝負師と言ったところか。濃密な90分で初陣を飾った指揮官は会見で「非常に満足している」と納得の表情を浮かべた。





まず見せたのは教育者の顔。指揮官が就任後から常に求めてきた「アグレッシブさ」を戦う姿勢と置き換えるならば、その気概は確かに見せた。戦術練習はわずかに2日間だったが、ミーティングは合宿を通じて8回実施。「満足はしていないが、選手は要求をかなりやろうとしてくれた」と振り返る。



選手たちが懸命に要求に応えようとし、変貌を遂げた要因をさらに挙げるならば徹底的な“競争原理”だ。先発に起用したGK権田、FW川又らは指揮官が自ら視察に赴いたリーグ戦で結果を残した選手。「まずは機会を与えたかった。(後半から投入した)本田、香川らの質は知っているから、他の選手に与えようと」。不発に終わったものの、川又、永井、武藤で構成した新生3トップは大きな期待を抱かせた。



相手の運動量が落ちた後半途中からは本田、香川、岡崎ら主力クラスを次々に投入。勝負どころをしっかりと読み切って、FIFAランク上は格上となる相手から大きな勝利をもぎとった。



 「このチームはもっと伸びる。世界で何がハイレベルか、私は知っている。それを見せたい」。ハリルジャパンの完成形はまだまだ分からない。だが、“奇術師”の異名を持つ指揮官とともに、日本はもっと強くなる。











流れを変えた。試合を決めた。0-0の後半15分からピッチに入ったFW本田圭佑(ミラン)は同33分、左クロスからFW岡崎慎司の先制ヘッドをアシストすると、同38分には自ら追加点。香川のシュート性のクロスをGKが弾いたところに詰め、左足で押し込んだ。



「いいところにこぼれてきた。シュートはDFに当たる可能性もあったけど、うまく決められた」。ラスト30分の出場で1ゴール1アシスト。背番号4がさすがの存在感を見せつけた。



MF香川真司と同時にピッチに入り、12分後には岡崎、FW宇佐美貴史が投入された。途中出場で起用された選手が見事に結果を残したが、それもバヒド・ハリルホジッチ監督の手腕だと本田は言う。「監督の初試合だから言うわけではないけど」と前置きしたうえで、新監督を称えた。



「途中から出た選手が結果を残した。それも監督の質だと思う。サブの選手を準備させて、出たときに役割を発揮させる。その整理ができていたからこそ、(香川と)2人で出て、すぐに(流れを)変えられたと思っている。監督がこの何日間かでそれを選手に浸透させたのは、彼の経験値だと思う」



守備では積極的なプレッシャーと球際の勝負を強く意識させ、攻撃では少ないタッチ数で縦に速く攻めるスピード感を求める。“ハリル流”の片鱗は初陣からも見て取ることができた。4-2-3-1の右サイドで出場した本田も新監督の戦術にしっかりと順応していた。



「順応性は自分の強みの一つではある。監督が代わる、指導者が代わる、何かが変わる。そういうことに対応する力は強さの一つでもある。それがなかったら、(自分には)大してスピードもないし、個人技もないのにってなるから」。そう冗談めかして語った本田はチームが目指す完成形について「本当のスタイルはこれからだと思う」と、指揮官同様、時間が必要との考えを強調していた。



「W杯で負けて、アジア杯で負けて、そこには何らかの原因があった。最後のところで決められずに負けた。そういう流れがある。その流れを日本代表としてつかんでいかないといけない。それは1日、1勝では築けない。辛抱強くこういう試合を続けることが大事。気長にどういうチームになるか待ってほしい」。そう報道陣に語りかけたエースの言葉は偽らざる本音だろう。



また、香川はこう気持ちを引き締めた。「チュニジアは長距離移動もあったし、後半、(運動量が)落ちるのは予想どおり。あれだけスペースがあれば、できて当然」。31日に対戦するウズベキスタンは27日に韓国で韓国代表と国際親善試合を行い、1-1で引き分けた。「ウズベキスタンは韓国で試合をやって、時差もない。しっかり調整してくると思うし、そういう厳しいところでどれだけできるか」とコメントし次戦へ向け油断なき調整を図る。












































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