武藤の去就は!?


プレミアリーグの名門、チェルシーから約7億円で正式な獲得オファーを受けているFC東京のFW、武藤嘉紀が、自らの去就に迷っている。

FC東京の大金直樹社長とも会談したが、まだ結論は出せないという。チェルシー以外にもブンデスのレーバークーゼンやマインツ、オーストリアのザルツブルクらも22歳のストライカーへ興味を示していて選択肢が増えている背景も武藤を悩ませているのだろう。 

「自分が成長するのはどこがいいか。それを考えている」とは、武藤の談。

では、彼は、どういう決断をするのがベストなのだろうか?  
 
元日本代表FWの城彰二さんは「チェルシーには行くべきではない」という意見を持っている。  
  
「そもそもプレミアでプレーするためには、この2年間の代表試合で75%以上に出場していなければ労働ビザが降りないというルールがあります。移籍したとしても、おそらくレンタルで他チームへ出されます。そのチームが、どういうレベルでどんな使われ方をするのかもわからない状況での移籍は危険ですし、難しいでしょう。チェルシーFWには、アザールがいますし、競争の原則が働くことはありません。主力に故障でもない限り出場機会はなく、試合勘が鈍り、せっかくの成長機会を逃すことになります。  
 
マンUに移籍した香川を見れば、よくわかると思います。ドルトムントで輝いた香川は、ビッグクラブに移籍したのはいいが、そこで出番を失い自信もコンディションも落としてしまいました。やはり試合に出られるチームでないと海外へ移籍する意味は薄くなります。  
 
2018年のロシアW杯までに武藤が大きく成長するために海外へ移籍することには大賛成ですが、現段階でチェルシーへの移籍は考えたほうがいいでしょう。むしろ日本人だからという先入観のなくなったブンデスなどのチームへの移籍を模索したほうがいいのでないでしょうか?」 


名将、モウリーニョ監督は、ハードな守備貢献を厭わない武藤のような選手が好みだ。
 
すでにいくつかの武藤に関するコメントも紹介されているが、実際には、どこまで武藤のプレーヤーデータを知って発言しているのかも不明。世界最高峰指揮官の一人であるモウリーニョのサッカーを知るだけで意義があるのかもしれないが、チェルシーの左ウイングには、ベルギー代表のエデン・アザール、他にもブラジル代表のウィリアンや、オスカルがいて、コロンビア代表のファン・クアドラードまで揃っている。しかも、ブラジル代表の攻撃的MFである19歳のネイサンの獲得報道が流れるなど、レンタル中の選手を含めれば、フォワード陣は分厚く、武藤が割って入る余地はない。

チェルシー移籍を決めた場合、城さんの見方のようにレンタルされることが濃厚。 

実際、チェルシーの保有選手の30人ほどが友好関係のあるオランダやフランスのクラブへレンタルされプレーしている。レンタル移籍の場合、武藤がそこで本当にチャンスを手にすることができるのか?競争に打ち勝つことができるのか?チームにフィットできるのか?などという未知の部分が多い。

日本の企業であるヨコハマゴムがチェルシーのスポンサーとなったため、その関係が、武藤へのオファーと直結していると懐疑的なメディアも少なくない。

それでもハリルホジッチ監督が数々の注文をつけたJリーグでプレーするよりも「レンタル移籍になろうが、激しい球際の強さを求められる海外でプレーした方が成長できる」とチェルシー移籍を薦める声があることも事実。チェルシーに行くべきか、行かざるべきか。返答期限も迫っている。武藤は、果たしてどんな結論を出すだろうか。  









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