J2:38節:ファジアーノ岡山VS徳島ヴォルティス「粘り強く守り、徳島の昇格を阻止し、勝ってプライドオブ中四国のタイトルを獲得」

岡山VS徳島:1-0
得点者:久木田35
観客数:8833人

●岡山スタメン

石原45
妹尾7・キム26
田所25・千明8・仙石28・沢口2
植田23・後藤3・一柳30
真子21

●リザーブ

GK:椎名41
DF:近藤4・篠原40
MF:桑田10・竹田18
FW:岸田9・久木田35

●途中交代

石原45→岸田9、キム26→桑田10、田所25→久木田35

 

●徳島スタメン

津田11・ドウグラス9
柿谷13・徳重7
斎藤16・倉貫8
西嶋6・三木2・エリゼウ4・ペスンジン20
オスンフン21

●リザーブ

GK:榎本23
DF:島村22
MF:島田10・濱田14・衛藤17・ディビッドソン27
FW:杉本19

●途中交代

ペスンジン20→島村22、柿谷13→島田10、ドウグラス9→衛藤17

●試合の流れ

互角の入り。
しかし、徳島に昇格のプレシャーからか堅さを感じた。
それでも、徳島は、球際に厳しく来る等、気持ちのあるプレイを見せる。
ゴール前に迫るプレイを見せる徳島。
ポストに当たるシュートを放つ等、徳島にチャンスがあった。
しかし、岡山が真子を中心に粘り強く守り0-0で折り返す。

後半開始早々にPKを与えるが、真子が防ぐ。
ビックプレイだった。
徳島は、札幌がFC東京にリードしている事もあって、時間が経つに連れてリスクを冒して攻めて来る様になる。
ボールを奪えば、岡山のチャンス。
徳島がボールを保持続ければ、徳島のチャンス。
といった感じになる。
めまぐるしく展開が変わる激しい攻防が続く。
最後に笑ったのは、岡山。
アディショナルタイムに久木田が決めてそのまま岡山が逃げ切る。

この結果順位を一つあげて13位。
そして、プライドオブ中四国の初代王者になる。

●得点シーン

☆1得点目

セカンドボールを千明が受けて、ダイレクトで岸田へ出して千明は、前へ走り込む。
岸田がドリブルで中の様子を見ながらゆっくり進む。
少し止まって、後ろの上がりを待った所に植田が岸田の後ろを通過し、それを感じとった岸田が、植田へパスを出す。
植田は、ボールを受け様子を見た後、フリーの千明へ出しパスを出す。
パスを出した植田は、パスアンドゴーに基本に忠実なプレイを見せる。
千明もダイレクトで植田へ出し、ワンツーで徳島のペナルティエリアに侵入する。
GKとの1:1となるが、シュートを打つような雰囲気を出し、GKもシュートに備えたポジショニングし、対応した徳島のディフェンダーが、シュートブロックにスライディングする。
しかし、植田は、シュートの素振りだけで、パスを出す。
それが、フリーの久木田へ通り、植田とは反対の隅のゴールネットへ流し込んでゴールを決める。

徳島が、前掛かりになっているところで、守備に人数をかけれない徳島に対して、植田、千明といった後ろにポジショニングを取る事が多い選手のオーバーラップというリスクを冒した積極的攻撃参加が良かった。
また、パスアンドゴーという基本に忠実なシンプルな攻撃が、最後の決め手なった。
普通の状況ならばこういったゴールを決めれないだろうが、最後の最後で決定機をしっかり決めてくれた。
しかし、この時間にあれだけ走れる植田も素晴らしい。
多くの人が、何故あそこに植田がいると思った筈(笑)

●徳島の印象と印象に残った選手

まず、やっぱり昇格に対する気持ちを感じました。
球際で厳しくしてましたし、岡山陣内での攻撃でのキープ力は脅威でした。
岡山の選手もDFするもののなかなかボールを奪えなかった。
ただ、最後のところで、なかなか良い形でシュートに行けてなかった。
シュートもブロックされる事が多く、少し焦りとか緊張とかメンタル面で、実力を発揮できなかったのではないだろうか。
また、PKを止められたり、ポストに当たる等、不運な側面も徳島にはあった。
その二つのシーンで、ゴールが決まっていれば展開は違った筈。
そういった意味で、今季の徳島は持って居なかった。
しかし、この経験は、きっと来季に繋がる。
J1という夢に対する気持ちは、より強くなった筈である。
この経験がより、チームを結束させ、高いモチベーションで、来季に臨める筈である。

柿谷が、印象に残っている。
気になるのは、レンタルの選手だと言う事。
でも、あの涙を見たら、徳島への思いを感じた。
彼が、どう考えているのか気になる。
この試合では、いつもの様なプレイが、少なかった。
それは、やはり徳島をJ1へという気持ちが強かっただろう。
私には、柿谷の気持ちが、気になった。

●個人的に注目して桑田選手

前回より出場時間短かったですけど、スペースが有った分持ち味を少し出せましたね。
恐らくキムよりパスは上手いと思いますね。
あの位置で、冷静に繋げれば大きな武器になると思います。
オフサイドに掛るシーンを見ても裏への意識も高そうです。
広島で、3バックを経験しているだけあって、何が必要とか分かっている感じですね。
来季妹尾やキムよりもしかすると活躍するかもしれませんね。
ドリブルに関しては、ちょっと分からないですね。
石原や岸田みたいに積極的にシュートを狙う選手なのか。
来季そういったところとか見てみたいですね。
来季見るのが楽しみな選手です。
キャンプとかで、怪我とかに気をつけて欲しい。

●シュート数で、徳島と同じ数字だった事に関して

ここ最近相手よりシュート数が多かったですけど、流石に4位のチームとなるとそう簡単に主導権を握れませんね。
徳島が前掛かりに来ていたため、攻撃が機能している様に見えたが、同じ条件で、やったらどうなるか気になるところです。
攻撃に関しては、昨季以上の手ごたえを感じていると思います。
チアゴ抜きでもこれだけ攻撃が機能するようになった事は大きいですね。
シュート数が多いと言う事は、それだけ得点のチャンスがあるという事ですから、4位相手にこれだけできれば、今季に関しては、十分ですね。

●アディショナルタイムでの決勝ゴールに関して

監督もインタビューで言ってましたけど、今季は、試合残り15分~試合終了までの時間帯のゴールが多かったですよね。
この試合でもその勝負強さを発揮してくれました。
それが、ホーム最終戦で出て、最高の形で終える事ができました。
チームには、こういった素晴らしい結果で終えた事に感謝したい。
来季も是非、こういったサッカーを展開して欲しい。
最後まで走るサッカーは、見ていて気持ち良い。
これだけ多いと言う事は、偶然ではないと思います。
まさに今季を象徴するゴールだったのではないでしょうか。

●妹尾と石原、岸田という似てる様で違う3人

妹尾は、もはやドリブラーではなく、パサーですね。
石原は、器用貧乏なスピードスター。
岸田は、決定力の悪いストライカー。
3人に共通している事は、決定力不足という事ですね。
ポジション的もっと取っていてもいいけど、妹尾2ゴール、石原1ゴール、岸田3ゴール。
妹尾は、カウンター時などに隙があれば、もっと他の二人の様に強引に仕掛けてシュートまでいった方が良い。
シュートも枠に飛ぶ可能性も高いみたいですしね。
石原は、まだまだ若いという印象ですね。
ここからの成長次第では、化けると思います。
しかし、他チームからするとスタメンレベルではないと思います。
岸田も、決定力の低さは致命的。
決定力FWの中で唯一1割切ってますからね。
シュート数は多いですけど…
このままでは、3人とも厳しいと思う。
岸田もサッカー選手を続けるならその辺り解決しないとね。
こうして3選手を見てみると足りないものがまだまだ多そうな感じがします。

●昇格争いをしていたチームと試合出来た事に関して

異様な雰囲気の中で、試合が出来た事は、今後に繋がると思います。
久々にアウェーのサポーターがあんなにきたと思います。
選手達も萎縮せず、良く頑張ってくれと思います。
それに勝つと言うおまけ付き。
正直ここまで出来ると思ってませんでした。
この結果を受けてプライドオブ中四国の称号を手に入れる事が出来たのは、来季の自信に繋がるのではないでしょうか。
岡山は、着実に成長していると思います。
来季が楽しみですね。

●評点

GK真子21:8,0
この試合のMOM。
PKセーブ、ファインセーブ、ポジショニング、キャッチング、ハイボール処理、フィード、判断。
どれを取っても良かった。

CB植田23:7,5
決勝点をアシスト。
CBなのにあの位置。
やっぱり持ってる選手。
終盤になっても衰えない運動量。
空中戦の強さ。
1:1での強さ。
そういったものを発揮し、持ち味を存分に出した。

CB後藤3:7,0
この試合でも粘り強い守備が光った。
積極的攻撃参加を見せる等、素晴らしいリベロとなった。
フィードでもストヤノフには、及ばないものの質の高いものを配給していた。

CB一柳30:6,5
体を張った守備が光る。
WBをやった事もあるためWBの様な攻撃参加は、効果的だった。

DH千明8:7,5
この試合でも、前線への素晴らしいパスを何度か通した。
守備でもパスコースを読むセンス溢れるプレイも光った。
当たりには弱いのを上手いテクニックでかわし、ドリブル突破を見せる等、ボールを失わないキープ力が目立った。
また、ファールの貰うシーンも多くそういった上手さも感じる。
最後の場面では、的確なオーバーラップから植田とのパス交換で、決定機を演出した。

DH仙石28:6,0
セットプレイのキッカーを務めた。
微妙にずれていた。
そこら辺の精度がついて来るとFKの得点、CKのアシストが増えて来るだろう。
ただ、何度か頭に合ってたりしたので、狙いは良かった。

WB田所25:5,5
特に見せ場はなかった。
運動量豊富だが、クロス精度がこの日はあまり良くなかった。

WB沢口2:6,0
連携が合わない場面とかがあった。
裏へ抜け出して、コースが無かったが、強烈なシュートを放つ等、持ち味を発揮した。

OH妹尾7:5,5
消極的プレイが目に付いた。
強引にシュートまで言っても良いシーンで、味方の参加を待ち仕掛けない。
今の妹尾に怖さはあまりない。

OHキム26:5,5
高いボールキープで、前線の起点となった。
ただ、パス精度を欠いた。
パスミスを減らして欲しい。
少しカットされる回数が多すぎるのでは?
狙いが良いだけに勿体ない。

FW石原45:6,0
前線からしっかりプレスを掛けたり、最後までボールを追いかける等、献身的プレイが、光った。
ドリブルを仕掛けるところで、しっかりしかけているのは、好感が持てる。
妹尾と違ってゴールに向かっている点は、しっかり評価したい。

途中交代

岸田9:5,5
良いポジショニングからシュートまでいくも決め切れず。
最後まで決定力が低かった。

桑田11:5,5
前よりは良かった。
一回決定機となる良いパスを通した。

久木田35:6,5
決勝点を決めた。
他のプレイでも裏への抜け出しとかで、スピードを活かすプレイが光った。

影山監督:6,0
交代策が当たった。
3バックの完成度をここまであげればのは、影山監督の功績。
今季を最高の形で終えた。

主審(村上)副審(平野・越智):5,5
少し微妙な判定があったが、PKは妥当なところだろう。
上手くゲームを作った方だと思う。

岡山から世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


まだまだ未熟なので、おかしい点があるかもしれないので、反対意見歓迎ですし、間違いなどありましたらご指摘などのコメント宜しくお願いします。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。