弟

私は兄と弟がいて私は真ん中の女だ。

男兄弟に囲まれているのでガサツだ。

子供のころから遊びも男子と一緒だった。

 

サッカーもプロレスも男兄弟と一緒だった。

部屋の片隅をゴールに見立てて

私をキーパーにして男兄弟とその友達たちに攻められた。

 

プロレスも仕込まれた。

私は兄の格好の技の練習台だった。

「おにーちゃん　ギブ　ギブ」

ついには弟も調子に乗って私に技をかけてきた。

低学年のうちは体力に自信のある私が弟を蹴散らしていたが

忘れもしない小6の夏休み　弟に腕をとられ

「ねーちゃん　キーパーの腕　折るよ　降参しろ(*_*)よ」

 

「参った！ギブ！」

「おねーちゃん　腕守りたかったら無条件降伏しろよ」

　

「参ったなんでも言うこと聞くから許してください。ギブアップ」

そして弟に負けた私。

 

球技大会のサッカーの試合でも

弟のクラスとの対戦でも

弟にゴールを決められた。

 

悔しいけど

上級生からゴールを奪ってヒーロになる弟が誇らしかった。

 

自分はキーパーだから、やられるばかりでヒーローになれないから

弟が誇らしかった。

でもその頃から私の呼び名は

「たかこ」と呼び捨てにされているが