名言

「利き足は頭です」

これは、みなさんご存知の通り、ジェフ市原の巻誠一郎選手の名言です。
その巻選手のロシア・プレミアリーグ移籍が発表された。

ハートを前面に押し出したプレースタイルは、
スマートさに欠け、一昔前の泥臭さを感じさせ、カッコ悪かったけど、
とってもたくさんの人の心を鷲掴みにした。

そう、あのジーコでさえ。

2006年に、ジェフ市原から主力選手が大量に引き抜きに遭った際にも、
一人クラブを離れずチームとともに戦った。
プレーだけじゃなく、常にまっすぐな彼の姿勢に胸を熱くしたものだ。

迎えた今シーズン。
Ｊ２からの再出発を期するクラブに多く選手が出戻った。

彼のことだ、過去のわだかまりを一切捨て、選手一丸となって戦う先頭に居ただろう。
彼のことだ、サポートしてくれる人たちの信頼に応えたいと心底思っていただろう。
彼のことだ、どんな困難が待ち構えていても、クラブとともに歩んでいく覚悟を決めていただろう。

でも、志半ば、来期の契約更新をしないことを告げられ、
ロシアに渡ることを決意したという。

そのときの彼の胸に去来した忸怩たる思いは想像するに難くない。

それでもなお･･･

移籍記者会見での言葉は、泣かせるものだった。
「もう一度、ジェフに帰ってくるチャンスをいただいたと思っている。
笑われるかもしれないが、僕の中では、マンチェスター・ユナイテッドやバルセロナと
同じぐらいの価値がこのクラブにある。また戻ってこられるように頑張る」

（毎日新聞　7月27日配信）

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