2015年巨人選手を勝手に年俸査定その4：マシソン・マイコラス・ポレダ・メンドーサ・アンダーソン・カステヤーノス

次は外国人6選手です．退団濃厚なセペダやフランシスコは省いています．外国人選手の年俸は（おそらく）基本ドル建てで、２０１２年末は1ドル80円位，２０１３年末は1ドル100円位で、2014年末は115-120円位，今は123円位なのでその点の考慮が必要です。

まずはマシソン（31才，右投手）から,この3年間の成績と年俸は以下の通り。年俸の単位は100万円です。

　 試合 勝 負 S H 回 防率 年俸 備考

2013 63 2 2 0 40 61 1.03 80 最優秀中継ぎ，年俸80万ドルか

2014 64 6 6 30 8 65 3.58 172 2年（2014-15)150万ドル

2015 63 3 8 2 26 58 2.62 185 150万ドル

　2015年は，澤村の抑え転向に伴い，抑えから中継ぎに戻りました．防御率は去年より改善しましたが，イメージ的には去年より打たれた印象があります．マシソンが打たれて負けたケースが多かったからでしょう．2年契約が今年で切れ，2年前の神通力が無くなったので来季の契約は微妙と見られていましたが，契約を更新するとの報道が11月18日にありました．金額は1年契約で現状維持の150万ドル．今年の結果では上がるとは考えにくく，かといって年間60試合投げて防御率2点台のリリーフは貴重であるから現状維持というのは妥当なところだと思います．

次はマイコラス（27才，右投手）です。

試合 勝 負 S H 回 防率 年俸 備考

2015 21 13 3 0 0 145 1.92 83 年俸70万ドルか

 昨年オフに獲得が決まった時点でみた動画では，とんでもない「かつぎ投げ」であり，シーズン入ってからも球速の割には空振りを取れず，投げ方のせいか，試合の中盤～終盤に打ち込まれる（それも本塁打を食らう）ことがしばしばで2軍落ちも経験し「こりゃ使えないな．」と思いました．しかしながら，原監督の評価は高く起用され続け，その助言もきいて安定した投球を示すようになりました．見事な成績で，今や右のエース格です．MLBの復帰が心配されましたが，年俸200万ドルの2年契約で残ってくれることになりました．セットポジション（したがってランナーをだしたとき）に課題があり，相手チームは今後それを徹底してついてくると思いますが，美人の奥さんとともに，来年以降も活躍してくれることを期待しています．

次は，次はポレダ（29才，左投手）です．

試合 勝 負 S H 回 防率 年俸 備考

2015 24 8　 8　 0　 0 147 2.94 65      55万ドル?

 マイコラス同様，昨年オフに獲得が決まった時点でみた動画では，投球後に極端に3塁に身体が流れる欠点はあるものの，打者が打ちにくそうにしていたので，中継ぎなら使えるかなと思っていました．しかし，マイコラス同様先発で使われ，結果を出しました．打線がもう少しま

ともなら，二桁は勝っていたと思います．フォームやセットポジションの欠点を日本に来て修正する努力をし，結果を出したのは立派だと思います．左投手で150キロを越える速球を投げられるというのは大きな強みで，それで球種の少なさをカバーしてました．杉内・内海についで軸になる左の先発投手がようやく出てきたという点で価値が高いです．来年は，杉内・内海は微妙で，田口・他の左の先発投手も信頼するにはいたらない状況なので，ポレダが残留してくれるかどうかは重要です．２年契約で，年俸は100～150万ドル（123～185百万円）と査定し

ます．

メンドーサ（21才，右投手）です．

試合 勝 負 S H 回 防率 年俸 備考

2015 2 0 0 0 0 3 3.00    36 30万ドル

2軍

2014 4 0 0 5 1.59 5 5万ドル？

2015 12 1 0 1 - 11 1.59

今年は1軍デビューを果たしました．2軍での実力は図抜けています．年齢も若く，もっと1軍で使いたいところですが，外国人枠（4人）の問題があります．球団としては，マシソンの後釜ないし保険として考えていると思いますが，マシソンが衰える前に，さっさとMLBに行ってしまう気もします．1軍選手としては物足りない働きですが，保険兼期待料込みで20～30万ドル（25～37百万円）というところでしょうか．

アンダーソン（33才，左打ち外野手兼1塁手）です．

試合 打数 安打 本 打点 打率 年俸 備考

2014 87 295　 94　 15　 50 .319 60 60万ドル?

2015 83 234 59 7 31 .252 90 75万ドル?

　獲得の順番は前後しましたが，おそらく「セペダの保険」として獲得した選手．しかし，キューバの至宝よりも保険の方が成績がよいという皮肉な結果になりました．来日当初は左投手が打てそうにありませんでしたが，コーチの指導を受けてクローズドスタンスにしてから左も打てるようになりました．今年は成績を下げましたが，1塁に阿部，外野に長野や亀井が優先起用されたので，それで割を食った所があります．助っ人外国人としては物足りないですが，「外れ」外国人選手よりは上という微妙な立ち位置です．来季の契約が決まっていませんが，球団としては，新外国人選手の獲得状況と計りにかけながら交渉しているのではないでしょうか？阿部及び新外国人選手の保険という所です．50-75万ドル（62～92百万円）と査定します．

カステヤーノス（29才，右打ち外野手）です．

試合 打数 安打 本 打点 打率 年俸 備考

2015 6 26 6 0 1 .100 37 30万ドル

　今シーズン途中に急遽加入した外野手．デビュー戦（7月31日の中日戦）で2安打1打点と活躍し，「これは当たりか？」と思わせましたが，結局，その後5試合にノーヒットで，最後の3試合では11打数無安打9三振という状況で2軍落ちしそのまま終わりました．フランシスコ同様，花火みたいな感じでした．アンダーソン以上に，来季の契約は微妙です．契約するとすれば，10-25万ドル（12～31百万円）という所です．

今年の外国人の評価

　フランシスコ，セペダも加えて評価すると，マシソン：○，マイコラス：◎，ポレダ：○，メンドーサ：△，アンダーソン：△，カステヤーノス：X，フランシスコ：X，セペダ：Xというところでしょうか．8人中，明瞭な当たりが3人（全部投手），明瞭な外れが3人（全部野手）という結果でした．まあ，冷静に考えると，「当たり率」としては悪くないと思います．逆に，外国人打者を「当てる」事の難しさが改めて明らかになったともいえます．