巨人の選手を勝手に査定その6（野手編3）

李　33才，6-6.5億円，77試合，打率.229，16本塁打，36打点,出塁率.327，長打率.484

李が巨人にいるおかげで,巨人戦が韓国で放映されるらしく，放映料が巨人に入るらしい．6億円の中にはそのような契約も入っているらしく，李の実際の取り分は実質２億円少々という話もある．それにしても物足りない成績であったことは事実である.今年は特に調子の波が大きかった.来季は４年契約の最終年なのでかなり奮起しないと戦力外になる可能性もある.ただし，30本塁打打てる長打力は魅力で,1塁守備も下手ではないし走力もある．また，打率と出塁率が１割違うことからわかるように選球眼もある.年齢も33才で,ラミレス（35才）や小笠原（36才）よりも若いので，二人が衰えたり怪我をしたときのため，（未知数の外国人選手を引っ張ってくるよりは）李を確保しておくべきという見方も成り立つ．４年契約なので，来季も現状維持だろうが，適正年俸は1.5億円前後と思われる.

大道　40才，3千万円，37試合，打率.257，0本塁打，3打点，出塁率.297，長打率.286

本塁打0が示すように打球が飛ばなくなり，シーズン終盤までは成績も悪く，さすがの代打男も今年で終わりかと思われた．しかしながら，シーズン終盤から調子を上げ，CS第２戦での２点タイムリー，日本シリーズ第5戦での同点タイムリーとポストシーズンで印象に残る活躍をした．長打力は落ちたが，ベテラン代打としての「嫌らしさ」の引き出しをたくさん持っており，小田嶋・中井あたりではまだその域には遠い．本人が引退を申し出ない限り，来季も契約するだろう．年俸は現状維持と思われる．

小田嶋　30才，1千万円，10試合，打率.190，1本塁打，3打点，出塁率.190，長打率.333

2軍では貫禄の強打者である（79試合，打率.336，14本塁打，35打点，出塁率.410，長打率.586）．しかしながら，横浜時代からいわれていたように精神的にもろく，１軍に来ると実力が発揮できない．2軍での打撃好調を買われて今年5月に１軍に上がったときも，2度のスタメンファーストというチャンスをもらいながら，貫禄の10打席10打数ノーヒットに終わり，守備でもまずいプレーを見せて今年で解雇かと思われた．しかし，優秀決定後の10月のヤクルト戦で，左腕村中相手に，本塁打を含む2本のヒットを放ち残留最終試験にかろうじて合格した感じである．右の強打者タイプの内野手（１塁）ということで，巨人では希少価値があるし，30才と年齢もまだ若いので，２軍での実力さえ発揮できれば，まだまだ大田・中井は及ばない．来季が勝負の年となるだろう．現状維持の1千万円プラマイ百万円というところか．

寺内　26才，15百万円，78試合，打率.167，1本塁打，1打点,１盗塁，出塁率.205，長打率.226

昨年は，右打者でつなぎに徹して62試合で73打数ながら3割を打ち，２番セカンドのレギュラーを獲得したと思われた.しかしながら，今年の打撃はさっぱりでペナント中盤は脇谷と入れ変わる形で２軍落ちした．その後，抜群の守備力を買われてペナント終盤からポストシーズンにかけて終盤の守備固め要員として１軍に戻ってきた.俊足で代走要員にもなるので，試合終盤にいろいろと仕掛けをしたい原監督としてはベンチには置いておきたい選手だろう.ただし，レギュラーを目指すには,打撃を復活させる必要がある．来季は古城・脇谷・中井・円谷あたりとセカンドを争うことになると思う.年俸は守備を評価して15-20百万円というところか．

脇谷　28才，19百万円，89試合，打率.268，2本塁打，16打点,5盗塁，出塁率.307，長打率.342

左打者で打撃に光るものをもっているが守備が不安定ということで寺内と対照的な選手.ただし，脇谷も足は速い.今年のCS第３戦で，中日のセットアッパー浅尾投手から代打で逆転のタイムリー二塁打を放ったのは記憶に新しい.寺内とキャラが異なる分,原さんとしてはベンチに置いておきたい戦力だろう.ただし，レギュラーを取るためには，守備力の向上が必要である.新年俸は19-21百万円というところ．